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【一人で勝手に旅気分】351

(過去の旅についての振り返りです)
★自分が携わっている領域だけが教育だと思い込んでいたことの傲慢(2017年4月~6月)

【記事累積:2039本目、連続投稿:972日目】
<探究対象…シンガポール、貴重品袋、教育、成長、自立>

今日の「ナゼ・ナゾ」は、シンガポールの写真です。この写真を撮影したのは、偶然にも再びシンガポールに住むことになり、シンガポール日本人学校中学部(ジャパ中)で中学3年生の担任をしていたときでした。さて、どんなところが「ナゼ(疑問を持った)・ナゾ(気になった)・アンテナ」に反応したのでしょうか。

今日の写真に映っているのは「ジャパ中で使われていた貴重品袋」です。ジャパ中では、朝のうちに、各班の班長がメンバーの貴重品(サイフとスマホ)を預かり貴重品袋に入れ、担任が施錠するロッカーに持ってくるシステムを採用していました。そして帰りの会で、このロッカーを担任が解錠し、班長はそれぞれロッカーから自分の班の貴重品袋を持っていき、メンバーに貴重品を返却し終わると、袋をロッカーに戻していました。

私がここに注目した理由は何であるのか推察してみると、クラスがスタートした2017年4月頃の朝と、6月頃の朝のロッカーの写真を見比べたときに決定的な違いを感じたからです。4月の写真は、このような貴重品袋システムを私が初めて経験したため、その珍しさから撮影したものでした。そして6月の写真は、この頃、朝の段階で班長が貴重品袋を持っていけるようにロッカーを解錠したとき、袋の置かれ方に驚かされたため、思わず撮影したものでした。

最初の頃は、班長がそれぞれたたんで戻してはいるものの、向きなどはバラバラでした。しかし6月頃になると、それが整然と並んでいたのです。しかし、このように並べることについて私は一度も声をかけたことはありませんでした。それにも関わらず、班長たちは自主的に貴重品袋を綺麗に並べて置いてみようと考えたのだと思います。

後日、班長たちにそのことを質問してみると、「何となくそうしたら気持ちがいいから」という感じで、非常に自然体としての回答が返ってきました。これまで自分は整理整頓などについて、教員の側がきっちり指導しないといけないし、それが不十分だと子どもたちには正しい生活習慣が身についていかないと思っていました。しかし彼らは私のあずかり知らぬ領域で、自ら学び・考え・成長していたのです。

今回の「ナゼ・ナゾ」は、教員が働きかけなければ教育は成立しないなどと思い込んでいた傲慢さが打ち砕かれた驚きに関わる写真でした。この光景を見たとき、私は驚きと同時に、彼らの主体性が大きくなっていることへの頼もしさも感じていました。そんな彼らは、現在21歳くらいになるので、既に社会人になっている者もいれば、そろそろ大学を終えて社会人になろうとする者もいる状態だと思います。

彼らの1つ下の2018年度の中3(私はジャパ中では2年連続で中学3年生の担任でした)についてはこの前の1月に二十歳の集いが開催され、何とかスケジュール調整ができたので、その成長を見ることができましたが、2017年度の中3には会えていません。この学年の生徒たちの現在の頼もしい姿も見たいものですね。

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