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便利過ぎて不明

世の中いろんなことが便利になっていて、小さな頃に思い描いていた未来になりつつあるような気がしている。

とは言っても現実の「空飛ぶ車」を映像などで観るたびに「ドローンじゃねぇか!」とも思うし、動く巨大ロボの稼働実験を観るたび、そのあまりの遅さに「ジジイか!」と心の中で、たまに実際に口に出して突っ込んでみたりしている。

そんな中、昔は思いもよらなかったのが決済方法の多様なる利便性だ。
世の中、やはり金である。
金とエロに関する技術進歩というのは人間の欲望の成せる業であるし、実際に僕も交通系マネー(金)はカードレスでアイホンにぶち込んで使用している。

初めて充電が切れたその時は、あまりの焦りから思わず線路に飛び降りてキセルしてしまおうかしら…と思案したものの、そのような心配は無用だった。
どんな仕組みかはよく分からないけれど、目には見えないPOWERがアイホンには残されており、改札にタッチすると無事に通過出来ちゃったのである。

こんなビックリな出来ちゃった!は滝川クリステル&進次郎夫妻以来であったものの、とにかく僕は線路に飛び降りなくて済んだのであった。

そして昨今、こんな出来事があった。
外出していて小腹がぐーぐーガンモちゃんして来たので、おにぎりでも買おうかと思ってチェーンの弁当へインしてみたのである。
今どき珍しくもないが弁当屋でもって完全セルフレジだったので、これはちょっと珍しいタイプかしら、と思いながら交通マネーというボタンをピッした直後、気が付いた。

あれが、ねぇでねぇの!
あの、ピッと鳴る感じの、あれ!あれだよ、ほら!渡辺正行だよ、ほら、そう!リーダー!がねぇでねぇの!!

レジの右下に置かれているマシンがあからさまにクレカ、または交通系物理カードを差すタイプのもので、見るからにピッ!の部分がまるでなく、一体全体、アイホンでピッ!はどうしたらいいのよ!とパニックに陥った僕は真顔&無言で完全にパネル上でグレーアウトしている「PAYPAY」を連打してみたのである。

あんまり連打するもんだからパネルがそのうちガタガタと揺れ始め、ひでぶー!と爆発するなぁと思い始めた辺りで厨房で唐揚げを仕込んでいたおばちゃんが気付いてくれた。

「交通カードは右下の機械に翳せば大丈夫だから!」
「そんなんワシは分かっとるんじゃ!おい、おばあ!耳の穴に唐揚げ詰めてかっぽじってよく聞けい!ワシの交通マネーはな、ナウでヤングじゃけぇ、このアイホンの中にデータとして入っとるんじゃ!カードなんてものはないんじゃ!この意味わかるか、のう!?」
「うん、だから翳せばオッケーだから!」
「あー!ダメじゃあ…!このおばあ耳に唐揚げ詰めとる!ちっとも聞こえとらん!」
「いいからやってみて!置けばいいから!」
「おい、おばあ!何を吐かしとるんじゃ!これはどう見てもクレカーやパスモーを突き刺して使うタイプのマシンじゃろうが!」
「いいから!あなたのスマホンをね、ながーく置いてみて!ながーく!」
「ゾマホンをながーく置いてみる、こうか!?これでええんか!?」
「そうそうそうそうそう」
「ええええええええ!!!!なんと!!!!」

なんと、昔気質に思えたマシンにゾマホン、いや、アイホンを置くと無事にピッ!出来たのである。

「どこにピーを読み取る要素があるんじゃ!?なんぞ、おい、おばあ!これはなんぞ!?」
「知るかボケェ!金払ったならさっさと去ね!!熱油ぶっかけるよ!!」
「ひええええ!幽☆遊☆白書の桑原桑原……」

と弁当屋を飛び出した僕は時代の進化にこうして、ビックリしたのであった。

いやぁ、科学者の皆さん、技術者の皆さん、日々我々愚民共にすら進歩をご提供頂きありがとうございます。
ただですね…来年とは言いません、もっともっと便利な世の中にして頂き、せめて五年後くらいには一分足りとも労働せずに楽しく生きていける本当に明るい未来になること、心よりお待ち申し上げております!!

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