見出し画像

今日の日よ、さようなら 【展覧会マガジン】

展覧会が終わってから早いもので一ヶ月が経とうとしている。
何だかんだで終わった後も片付けたものを更に仕分けして発送の準備をしたり、事務的な処理なんかもあって「やっと終わったぁ」という気分には実感としては正直まだ持ててはいない。
それでも色々な方の記事を読んだりしていて展覧会に来て頂いて多くの方に受け取って頂いたものがあるんだなぁと思うとやっか甲斐があったと思うし、スタッフとして参加してくれた国岡さんがあれだけロスに陥るのもそれだけの自由や喜びがあの場所にあったからなんだろうなぁと感じている。

夏頃に清世さんからお誘いを受けた際、僕は喜ぶどころか一時間に渡り彼女をガン詰めした。
何故、せっかくの清世の冠がつく展覧会に「大枝」という不純物を混ぜたがるのか、その真意を確かめたかったのだ。
たどたどしい言葉ながらもキチンと想いを伝えてくれたし、本気で遊びたいからこそ本気で返してくれた。だからこそ、作者として大手を振って参加する決意が出来た。

実は絵本だけではなく、展覧会のコンセプトや細かな決定事項などは基本みんなで話し合った後に清世さんと僕のマンツーマンでやり取りを行って来た。取り決めごとは無数にあって、やると決めてから展覧会が終わるその日まで常に連絡を取り合って物事を進めて来た。

展覧会をやってみて気付いたことは他のスタッフの方は思慮も配慮も深いのに対し、僕自身は割りと自由気ままというか、とにかく偉そうなのがスタンダードな人間なのだな、という点だ。
清世さんが主役であるのにも関わらず、「これどうかな?」と来たものに対して違和感を感じたら即却下した。それは絵に限らず、展覧会に関わることのすべてにおいてそうだった。

さすがに偉そうにしすぎたかな、と反省しそうになったがしなかった。
反省してしまって清世さんの意思をどこまでも立ててそれに追随するような形にすればきっと何処かでどん詰まる気がしたのだ。
清世さんは常に何かを成そうとして一度エンジンが掛かると、後はずっと走りっぱなしになる。もちろん人間なので(ボラ釣りが好きなおじさんじゃないよ)、そんな毎日を送っていたら当然走り疲れてしまうことだってある。
なのでブレーキの役割に徹しようと思ったのだ。
日頃からやり取りしている仲なので距離感が近い分、みんなで話し合う時なんかはある程度距離を置いて接し、遠くから全体を眺めることが出来るように過ごして来た。決して人間嫌いな訳ではないので、あしからず。

そんなこんなであっという間に展覧会の日がやって来て、前日に完成した絵本を始めて手にするというギリギリもギリなスケジュールで夏からぶっ通し続けて来たんだなーと実感したりもした。

ここから先は

1,590字
日本画制作・絵本発注・展覧会開催の裏側をはじめ、清世組それぞれの個性と得意を持ち寄った記事がいっぱいです。ものをつくる面白さと勇気をおすそ分けしています。1記事あたり100円を切りました。うまい棒に匹敵するお買い得マガジンです。

2022.1.29-30 各12:00-20:00 JOINT HARAJUKU 2F(東京)にて開催いたしました清世の展覧会ログです。マ…

この記事が参加している募集

オンライン展覧会

サポート頂けると書く力がもっと湧きます! 頂いたサポート代金は資料の購入、読み物の購入に使わせて頂きます。