原田宗典著「十九、二十」
この本と出会ったのは高校一年の夏、「ATOM」という地元の中古本屋でのことだった。
夏の盛りでムラムラしていた僕は「東京大学物語」が欲しくて必死に自転車を漕いでその本屋へ行き、まずは「僕は文士なのです」みたいな顔をしながら小説コーナーへ立ち寄り、徐々に徐々に青年漫画コーナーへ移動し、エロの頭角を現すという戦法を取っていた。
小説コーナーでふらふら目線を彷徨わせていると、「原田宗典」という著者名に目が止まった。
中学時代、僕が生まれて初めてまともに読んだ小説「海の短編集」の著