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【創業note】任せることと譲らないこと~24年3月振り返り~

こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
このnoteでは、起業を志してベンチャー企業に新卒入社したのに、結局17年も所属してしまった結果、38歳6か月にしてやっと起業した人間のヒューマンストーリーという名のポエムブログを書いています。

24年の3月が終了したので振り返りを行いたいと思います。


経営者のやるべきことを実践した

先々月から信頼できるパートナーが増えたので、どんどん僕が考えていたことや手を動かしていたことを任せているのですが、最高です。自分ができないことをできるし、好きな人に任せるとこんなに生産的なんだなと感じる日々であり、半年間くらいなかなか進まなかった事業がどんどん進んでいます。

以前、別のnoteでも書きましたが、経営者と執行役の役割の差は以下のように考えています。

経営者:「できないこと」をできるようにすること
執行役:「できること」を最大化すること

WillとCanで図解化すると以下のようなイメージです。※ワンピースの麦わらの一味を会社として例えています。

経営者が拡げたwillの円を具体化するためにCanを最大化して埋めるのが執行役の役割

とは言え、そんな簡単なことじゃないのは経営者ならご存じの通り。ルフィーが誰でも彼でも一味に誘うわけではなく船に乗せる仲間を選んでいるように、少人数で入れ替わりを前提にしていない組織ほど、初期メンバーをどうやって選ぶのか、誰にどこまで任せるのか、を決めるのは難しいです。

なんかうまく言っている風なことを書いていますが、僕は昨年、一緒に創業したファウンダーとお別れしています。つまり、すでにしくじっている人間です。そのファウンダーとは得意スキルが違うために相互補完できそうという理由で組むことになりましたが、お互いがwillを描く人になり、お互いがお互いに自分のCanを埋めてもらうことを期待していました。よって、少しのズレを修正する議論に相当時間がかかりました。一人なら即断即決して動かす案件が二人の考えを揃えるだけで1日~1週間かかることはざらでした。そういう時間も創業期は大事だと思いつつ、圧倒的に時間効率が悪く、話し合いの末に別々の船で船長をやるという道を選ぶことになりました。

と、このような経験をして以来、自分の中で誰かを頼ったり、船に乗せることは非常に慎重になっていたのですが、ようやく自分の大事な部分を任せるパートナーが見つかったので、これからの推進が楽しみです。

ちなみに、正社員としての加入ではありません。契約形態で言えば業務委託。でも、このような形が今の時代は合っていると思っています。優秀な人材を獲り合う労働市場の中で、スタートアップが自社に正社員で優秀人材を巻き込めるのは相当レベルの高い話です。僕はプロフェッショナルの複業紹介事業もしているので経営者の方に複業人材を勧めるのですが、思いのほか多くの経営者が、自社への正社員ジョインへの期待が高くて驚きます。

僕は日本特有のこの考え方を「内外問題」と呼んでいるのですが、日本人は内に対して甘すぎて、外に対して厳しすぎる傾向があると思います。古今東西、どの国であろうが、人間は共通の敵を作って味方同士のラポールを形成しますが、日本は特に顕著です。「島国根性」「村八分」みたいな言葉があるのがその証拠です。

具体的には、正社員に甘くて、外部の業務委託人材に厳しいと言うことです。正社員だと「最初の1か月で慣れてくれたらいいから」とか言って細かく目標設定や業務確認をすることもないのに、対して業務委託の人材には、1時間で何をしてくれるのか、何をアウトプットの基準にするのか、日時で細かく報告して欲しい、というバチバチのオーダーをしてきます。JDが社内にないこと以上に、「内外」に対する意識の差が根底にあることが原因だと思っています。つまり、自分だけを見て欲しいし、自分だけのことをして欲しいんですよね。自分以外の人に対しても仕えている人材のことはどこかハーフコミット人材だと見てしまうんですね。優秀なプロなら関わる時間によってコミット意識を変えるようなことは絶対にしないのに、なかなか見えないものを見ることは難しいと言ったところでしょうか。

労働人口が減り続けるマーケットにおいて、いかにプロフェッショナルを使いこなせるかが、今後の企業の勝負の明暗を分けると強く思っています。自社の社員の複業を認める企業は増えてきましたが、実際に複業人材を受けいれている企業はわずかです。どうせ複業人材やフリーランスの獲得競争も今後起きてくるのだから、今から活用方法を模索した方が絶対に良いと思います。今なら優秀な人材を紹介し放題です。必要な経営者の方はお声がけください。

チームでやることの意味を明確にした

歴史を紐解くとわかりやすいのですが、優秀な人の定義は違ってきます。

有時(暴力が強さの基準の乱世):能力がある強い人が求められる
平時(平和で人間らしい世界):人格者で評判が良い人が求められる

今の時代に本当の暴力基準で人を選ぶことはないですが、創業期や変革期など力技で事業を推進しなければいけないときは有時であり、能力が高い人が求められます。一方で、成長期、衰退期などの、方法が決まり、オペレーションの最適化によって利益率を高めるようなタイミング、つまり平時では、組織を束ねるのは間違いなく人格者です。

とまあ、こんな話はみんなご存じだと思いますが、スタートアップはそんなことを言っていられないので、能力が高い人格者を必要とします。だから、なかなかマーケットにいるわけないし、自社に正社員でジョインしてくれる可能性は低いわけです。でもこれが業務委託という形であれば喜んでジョインしますって言ってくれるプロがいるんですよね。

ポイントは、雇用形態や勤務時間によって区別したり、期待値を変えたりしないことだと思います。正社員であろうが、業務委託であろうが、インターンであろうが、取引先であろうが、ワンチームとして想いを共有できるかどうか、が重要であり、考え方だけじゃなくて、日々の運用、つまりコミュニケーションやリレーションも、全て同じにできるかということが、スタートアップ経営者に必要なマインドだと思います。

内の人間も外の人間も、同じ目標に向かうワンチームとして期待し、シェアし、役割と責任を与え、同等に評価する、ということをやり続ける、その懐を持てるかってところですね。当然、個人もチームとして活動した方がいいと思えるものが必要で、お互いのメリットが合致するからこそチームになれると思います。つまり、チームでいたいと思えるイズムがそこには必要だと思っていて、Team-ismを作りました。

Share-ism:お互いの強みやノウハウを分かち合う
Capital-ism:チームの資本を数の原理で大きくし合う
Inspire-ism:プロとしての言動を通して刺激し合う

これをできないのであれば、チームでいることなんて煩わしい以外の何物でもなくないですか?ということです。個人主義の人にとっては面倒なことだと思いますが、チームを求める人であれば絶対に持っておくべきプロトコルであり、複数のチームとしてど真ん中に置いておくべき考え方なので、ismという言葉を使いました。

任せることと譲らないことの線引きを明確にした

今でも自分一人でやってしまいそうなことがあります。ってか、やりたくなります。そんな時に自分を無理やり「俺はルフィーだ」とキャラ設定しています。ルフィーの良いところは自分のゴールに対して揺るがない想いを持っていることと、自分ができないことを認めていること、そして他人に頼ることを恥ずかしいと思っていないことです。そのマインドをルフィーを償還することで得るようにしています。

とはいえ、譲れないし、任せられないこともあります。よく経営者は経営者がすべきことに集中すると言いますが、この「すべきこと」が曲者です。なぜなら、なんだかんだあれもこれもするべきだと思ってしまうのが未熟な経営者だからです(IT’s me!!)。 この原因は「すること(what to do)」という動詞を無理やり「やるべきこと」と「やるべきじゃないこと」に分けようとするからだと思います。境界線をどこに置くのかがわかりづらくなるんですよね。

ってことで、以下のように明確に分けます。

Why we do? どうしてやるのか? ☛Purpose、Will、Concept、戦略の策定
What we do? 何をやるのか? ☛戦略、戦術、タスクの推進、改善

こう分けると混じりようはありません。実際にはこれでもなかなか分けられないと思うのですが、理想はここまで分けることだと思いますし、そうするくらいの胆力が経営者には必要なんですよね。しかし、胆力を磨く努力って難しい。で、考えて出た答えは優秀なパートナーを手に入れると実践できるということ。優秀な人といると「任せられない」から「任せられる」に容易にパラダイムシフトするんですよね。

じゃあ、どうやってそんな優秀な人を手に入れることができるのかっていうと、周り回って経営者が自分の描くWillをより魅力的にすることなんですね。優秀な人は本来は自分でWillを描けるし、Canも持ち合わせています。それでもそういう人が、誰かと一緒にやりたい、貢献したいって思うのは、自分よりも魅力的なWillを持っている人が見つかってしまったからだと思います。つまり、そういう人を魅了するために、Willを描くことや、大事にしたいコンセプトを守り抜くことは経営者が絶対に手を抜いてはいけないところなわけですね。

戦略、戦術、タスクの推進を任せるうえで、根本のコンセプトの議論になることもあると思いますが、そこは譲ってはいけない領域であり、任せることとの線引きを行いたいところですね。

実践しながら経営者として成長し続ける

偉そうに言っていますが、僕自身も経営者として実践中です。少年ジャンプの主人公のような存在に憧れますが、彼らは決して元から強かったわけじゃなくて、且つ、自分が憧れるのは強くなった姿よりも、そうなるために諦めない行動をし続けたことです。

ワンピースでも、サブキャラクターが主役の回があり、大体、チームを抜けようとする流れになりますよね。そこで本人の意思をとどめようとするのは、キャプテンが描くWillへの強烈な想いだと思います。

漫画「ワンピース」より引用
漫画「ワンピース」より引用
漫画「ワンピース」より引用

また、そのWillにのっかってくれたメンバーを守り抜くというキャプテンの意志ですかね。これを背中で見せ続けるのが昭和平成のリーダーで、令和のリーダーはちゃんと言葉にして、日々、感謝、尊敬、意味、意義、自分の今の想い、などをシェアし続けることかと思います。

昭和生まれの僕は圧倒的に強い主人公に憧れていましたが、前職でもマネジメントで大事なのは、完璧になることよりもできないことをちゃんとシェアして助けてもらうことだと学びました。なので今は「これができない」「ここがヘタクソだ」「ここを助けてほしい」が素直に言えるようになっています。

一方で、自分のゴールに向かうストーリーはまだまだ人を魅了するものではないので、経営者として磨き続けます。

まだまだ未熟がゆえに、結局振り返り投稿が10日遅れてしまいました。でも、やはり振り返りは大事ですね。言語化すると頭が整理し、僕の頭の中は構造化されてきれいに棚に整理される感覚になります。で、重要な言葉だけがいつでも取り出せるところにあるイメージが整います。

日々のアファメーション

これはコーチングスクールの学長にもらった言葉です。これを自分のセルフトークとして日々声に出して頑張りたいと思います。


それでは今日も素敵な一日を!


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