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「趣味の好き」と「仕事の好き」の違いを説明する『For』と『To』

こんにちは。堀内猛志です。
前回のnoteでは『あなたを惑わせる3つの『好き』の正体』という内容について書きました。

「好き」を定義したり、分類してきましたが、次は「好き」の活用方法について展開していきたいと思います。

「好きなことを仕事にしたい」とは、誰でも一度は考えることだと思います。成功している経営者やインフルエンサーも、こぞって「好きなことだけやればいい」と言っています。しかし、本当に好きなことだけをしていてお金を稼ぐことができるのでしょうか。

「趣味」と「仕事」の違い

趣味の「好き」と仕事の「好き」の違いを説明する前に、そもそも「趣味」と「仕事」の違いは何なのか、ということをはっきりさせておく必要があります。

簡潔に言うと、以下のような違いがあります。
趣味は、『自分のため』のことで『お金が出ていくこと』です。それに対して仕事は、『誰かのため』のことで『お金が入ってくること』です。価値受給対象者とお金の流れの矢印がそれぞれ逆転しているのです。

趣味と仕事の違い

まずはこちらの違いを理解しましょう。矢印の向きの違いで覚えればシンプルですよね。

①あなたの「好き」を「仕事で活用する」ための『For』

例えば、料理が好きだとします。趣味として好きなのであれば、自分の食べたいものを、自分の好きな味付けにして作れば良いわけです。ただし、その材料費を支払うのは自分であり、作っても作ってもお金は出ていくだけです。

この「好き」を仕事に活用することを考えたとしましょう。自分の料理を食べてくれるお客様がいればお金が入ってきます。自分の好きな料理でお客様を喜ばせることができ、収入を得られるなんて最高ですよね。ただし、料理のメニューや味付けはお客様に合わせる必要があり、そこに自分のエゴを入れることはできません。たまたま両者の好みが合致すれば話は別ですが、重要なのは、先に考えるべきは自分の好みではなく、お客様の好みだということです。

当たり前のようですが、この定義を理解していない人が多いです。ユーチューバーやインスタグラマーを見て「自分の好きなことだけをして稼げるなんて羨ましい」と思う人がいますが、それは間違いです。本当に自分の好きなことだけを発信して売れている人は稀です。いわゆるインフルエンサーと呼ばれる方たちは、「今は何が流行っているのか」「お客様は何が好きか」「どう見せればクリックしてくれるか」などを徹底的に考えています。このような「動き」をできる人にファンがつくのです。

この「顧客を想い続ける思考」が『For』です。つまり、誰のための「好き」か、ということです。相手を想い、相手のことを考え、相手のことを知り尽くそうとする「思考」と「動き」が伴えば、あなたの「趣味の好き」は『仕事の好き』に変えることができます。あなたの「好き」にファンがつくために、儲けることができるということです。ファンとは日本語で言うと信者す。そして、「儲ける」とは『信じる者』と書きます。つまり、ファンがつけば儲けることができるのです。

ファンがつくとどんどん楽しくなり、どんどん気持ちが熱くなってきます。まるでキャンプファイヤーの火の周りに人が集まってきて、薪をくべ続けてくれる状態のようになります。これによって「好き」が『パッション』に変わるのです。人が継続的に何かを行うためにはエネルギーが必要になります。そのエネルギーをくれるのが顧客や仲間です。

あなたのパッションに人は集まり、集まった人があなたにエネルギーをくれる、まさにキャンプファイヤーのような状態を作れることができます。暗闇からその火を見ている人が、あなたのことを羨ましく思うでしょう。それが、インフルエンサーたちを見て「自分の好きなことだけをして稼げるなんて羨ましい」と思う人たちです。暗闇から動かずに他人を眺めているだけの人は、いつまでたってもキャンプファイヤーの火にはなれないのです。

誰かのためにする『好き』は『パッション』に変わる

①あなたの「好き」を「社会で活用する」ための『To』

脳は達成するという感覚が大好きです。何かを達成した時には脳内では快感ホルモンのドーパミンが分泌されます。脳はこの快感をもっと得たくて、より高いレベルの達成を望むようになります。まさに、あなたにファンがつき、その数がどんどん広がり、より多くの人にあなたのパッションを届けたいという状態のことです。

ただし、ファンが増えれば増えるほど、ファンの層は多様性を増していきます。先ほどの料理に例えるならば、顧客のニーズが多様化し、甘いものが好きな人、辛い物が好きな人、肉が好きな人、野菜が好きな人、と分かれてくるイメージです。このように多様性が増してくると、一人一人に寄り添っていくことが難しくなってきます。小さな規模ならお客様の好みに合わせて味付けを変えることもできるでしょうが、規模が大きくなると個別具体に対応することが物理的に不可能になります。

この個別ニーズの多様化をまとめることができるのが『大義』です。具体でまとめることができないのであれば抽象化してしまえばいいのです。抽象化とは大きくまとめる思考です。例えば、犬と猫は具体的には違う種類ですが、動物という抽象化したカテゴリーだと同じ分類になります。

料理店に例えると、具体的なメニューや味付けでは対応できなくなったとき、その料理店が目指す『大義』で応えることができれば、全てではなくとも、より多くのファンのニーズに沿うことができます。料理店であれば、「フードロスをなくし、世界中の人の心と胃袋を満たす」のような『大義』があれば、「美味しい」以上の価値を求めて来るファンが増えるでしょう。

個別具体のニーズに応えるためには、「和食」「洋食」「中華」のように料理のカテゴリーを分けお店を展開する必要が出てくるかもしれません。しかし、抽象化すれば、カテゴリーは違えど『世界観』は同じという状態を作ることができるのです。

この「社会を想い続ける思考」が『To』です。つまり、自分の中の「好き」がより多くの人のための「好き」になるか、ということです。社会を想い、社会のことを考え、社会のことを知り尽くそうとする「思考」と「動き」が伴えば、あなたの「趣味の好き」は『社会のための好き』に変えることができます

ファンがどんどん集まり、あなたの視座が上がり、自然と主語が「私」から「私たち」になっていることに気づくでしょう。そして、あなたが「好き」だからやっていることが、生きている使命のように実感する日が来ます。これが「好き」が『ミッション』に変わる瞬間です。人がより大きなコトを成し遂げようとしたとき、それは一人では到底できません。ファンやチームが必要です。あなたのファンやチームは、あなたの中にある『ミッション』に引き寄せられて来るのです。

より多くの人のためにする『好き』は『ミッション』に変わる

ちなみに「For」の範囲をそれほど拡げたくないと考える人もいます。めちゃくちゃ美味しいのに店舗展開を考えない個人店や、メジャーデビューせずにインディーズで活動するミュージシャンなどがそれにあたります。ミッションは抽象的なものであり、実態がわからないために悩むこともあります。拡大とともに、根本的な自分の「好き」を見失う人もいます。そういう人は『パッション』に留まることは悪くないと思います。最初の「好き」という感覚はあなたのものなのですから。それでいいのです。

『ブーム』の「好き」も『パッション』や『ミッション』になる

前回のnoteで、好きには「ムード」「ブーム」「ルーツ」があることを伝えました。ほとんど人は、自分の中にある『ムード』の「好き」は理解できても、『ルーツ』の「好き」を見つけることに苦労されます。そういう時は、「To」を考えてください。誰のために行うか、ということを突き詰めれば、自ずと思考は動きますし、それが儲けることに変われば必ず達成感を味わうことができます。

『ブーム』の「好き」も『パッション』や『ミッション』になる

繰り返しになりますが達成感は麻薬です。ドーパミンが出ると、脳はもっと、もっとと欲しがります。そうやって工夫と改善を続け、より大きな達成感覚を味わい続ければ、脳は飽きることもなく、『ブーム』は『ルーツ』に変わり『パッション』や『ミッション』にも変わり得るのです。大切なのはやはり『動く』ことです。暗闇からキャンプファイヤーを見ているだけでは何も変わらないと前述しましたが、動かないとファンがつくはずがありませんし、達成感を味わうこともできません。自分探しの旅は、自分だけで行っても見つからないのです。動き、相手がいて、達成感を味わって、初めて見つかるのです。

動きましょう!
幸いなことに、現代は動きやすくなっています。いきなり起業したり、転職するなどのリスクを追わなくても、本業を残したまま複業で試すことができます。ネットを使えば先行投資を最少額にして色んなことができます。料理など場所や材料が伴うものですら、ゴーストレストランで宅配することや、YouTubeで料理動画を流すことから始めるなど、元手を極力かけずに顧客のニーズを確かめる手段はいくらでもあります。動かないと変わらないし、わからないのです。

ただし、最後に疑問を投げかけます。人は「好き」なモノを本当に追及できるのか、ということです。そこで次回は、あなたの「好き」の邪魔をする「欲」についてお伝えしていこうと思います。


自分の好きを見つけるのが難しいという人、自分の好きの活かし方を知りたい人は下記よりご連絡ください。

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それでは今日も素敵な一日を!

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