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GWは野球か仕事か写真の人生。今年は畑へ。

GWの過ごし方。半世紀近く生きてきて、ニュースで観るような行楽地へ行ったり遠くへ旅行に行くなんて、ほぼしたことがありません。

小中高のほぼ10年間は野球の大会。大学時代は郷里に帰省し、後輩の応援。社会人になってようやく2度、九州を旅行しました。いずれも同じひとと、熊本に住む友人に会いに行きました。長崎の中華街でちゃんぽんを食べ、グラバー邸に行き、熊本では阿蘇山に行き繁華街で呑み、福岡の柳川では川下りをして、博多では豚骨ラーメンを食べ、買い物したりと。私の人生で唯一のGWらしい過ごし方でした。

その後転勤で東京に移り、さらにその後に写真を始めてからは、働いているか写真を撮っているか暗室をやっているかで、ほとんど帰省することもなく、普段通りの生活を送ってきました。移動することによって季節の移ろいを感じることもありませんでした。

そして今年は。
この4月から市民農園を借りて小さな畑を始めたのですが、連休中はほぼ畑関連に集中していました。隣町のホームセンターで苗を買い、また別の町のJAでも苗を買いました。そして買ってきた苗や種を植え、毎日水をやりに畑に行きました。この連休中にようやく畑らしくなり、「やっている感」が出てきました。小松菜やラディッシュの芽が日増しにどんどん大きくなり、改めて自然が持つ時間の進み方を体感しています。トマトの苗には花が咲き、小さな実がつき始めました。トマトの実はこんなふうに成るんだと今さらながら驚き、感動しています。

郷里の鳥取県で生まれ育ち、自然に囲まれながら18年間過ごしましたが、自然について何ひとつ知らなかった自分にも大変驚きました。囲まれていただけで、流れ行く風景だったようです。これまで自分は田舎の人間だと自認し、矜持としてきましたが、実は田舎でも都会でもない、宙ぶらりんのスカスカな人間であると自覚しました。実力不足で私はいまだに作品集を出せていませんが、こんな浅はかな状況で変に出していなくて良かったとさえ思いました。これはあくまで私の場合の話です。

またこの連休中、ほとんど写真はやりませんでした。モノクロ暗室を一日、ワークショップを一日やっただけでした。写真を始めて以来こんなにも写真をやらなかった連休は初めてだと思います。いまは写真の土台として畑を置いていますので、それでいいのです。

ワークショップで青山に行った際、表参道に展開されていた大谷翔平選手の大規模な広告に少し心躍りました。フィルムカメラを持っていたけど時間がなくて急ぎ足で通過してしまい、何とか撮っておけばと少し思いました。そういえばイチロー選手が引退する前年、選手登録を外れたのが5月の連休中だったと記憶しています。大谷翔平選手が渡米した年でした。

そして昨日は所用で吉祥寺へ。その後井の頭公園のベンチでお弁当を食べました。暑いくらいの陽気で人出も多く、流れ行く人々を眺めながら頂きました。大学生くらいの若い男女の二人組が多く、初々しかったり、気を遣って互いに作り笑いをしていたり、手を繋いだり腕を組むのもまだ遠慮気味だったりする姿を観て、当時の自分はどうだったんだろうと記憶を辿りながらのいい時間になりました。

帰宅後は再び畑で水やりをして、その後は隣町の町中華へ。たくさん歩いてたくさん動いていると身体の調子もいいですね。アナログな自然は常に動いています。





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