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岸政彦「図書室」など。(2020年9月25日のブログより転載)

noteで文章を書くようになってから以前やっていたブログを書かなくなって久しいですが、不思議と直ちょく読まれている記事があります。今回はそれを転載します。

2020年9月25日の文章。コロナ禍、最初の秋ですね。
社会学者の岸政彦さんの著書に関するあれこれを書いています。何かの検索に引っかかるのでしょうか。毎日のように誰かがアクセスしてくれています。何かのお役に立てればいいのですが。

下記、宜しければ御覧ください!


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社会学者で小説家でもある、岸政彦さんの「図書室」を読了。他の小説も良かったですが、私はこれがいちばん好きかも。読後の余韻というか、肌触りというか、とてもしっくりきます。そして僭越ながら私のなかに岸さんと同じ部分を、いくらか確認できるのです。

同じく収められている「給水塔」もグッときます。なぜなら私も少なくない時間を大阪で過ごし、大阪を愛し、そして岸さんと同じ大学、学部で過ごしたからです。「給水塔」を読むと、学生時代の思い出が鮮明に蘇ります。

3、4回生時は大学周辺に住んでいたので、学生街で過ごす時間も多く、それだけ思い出も多く、温かい気持ちになります。切なさもありますね。

ゼミが終わるとそのままみんなで、時には教官も交え食事をし、呑み、そのまま誰かの部屋に流れて朝までワイワイ騒いだり。

いまいち距離感がつかめない美しいひとと、何度も食事をして不思議な時間を過ごしたり。

自分の人生を決定付ける出会いがあったり、途方に暮れてひとりグランドをぼんやりと眺めたり。

なにかひとつのことに打ち込むような、そんな大学生活ではなかったけど、初めて経験することやいろいろな人との出会いに恵まれた時間でした。同時にいろいろな感情を覚えた期間でもありました。そんなことが岸さんの文章から思い出されます。

岸さんには一度お会いしたことがあります。旧知の小説家の方にご紹介して頂きました。兼ねてよりお会いしたかったので、とても嬉しかったですね。

岸さんには自分が後輩にあたることをご説明し、在学中に薫陶を受けた教授をお伝えしました。
「いかにも、ザ・K大やな!」

そして私が取り組んでいる作品のお話もさせて頂きました。いつも弱い立場のひとの側に立ち、信頼できる兄貴分のような印象を持ちました。

今後岸さんを撮影できたら嬉しいですね。
先日その小説家の方を撮影する機会に恵まれましたが、おふたりとも写真に極めて通暁されていて、見透かされているような恐さもありますが、ぜひチャレンジしたいですね。

大阪は本当に大好きで、そして切なくなる街です。





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