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傘(ショートショート)

 世界の半分に雨が降らなくなって、かなりの時間が過ぎた。
 どうやらその理由は、星の半分を覆ってしまうくらいの大きさの傘を開いている誰かがいることによるらしい。
 その傘の内側は青空が映し出され、時間の経過で夜も来るらしい。それならあまり違和感を感じないのも頷ける。
 その傘を開いて持っている人を見かけたという話をよく聞くけれど、実際にそれを証明できる映像や記録があるわけではないので、あくまで都市伝説程度にしか信じられていない。
 また、それほどの大きさの傘なので、見た目は巨大な塔に見えるのでは? という話もあるけれど、そうなった場合、傘を持つ人は一体どうやって持っているのか、など、様々な議論や考察が絶えない。


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