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チョコレート(ショートショート)

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チョコレートに関するショートショートなどを集めています。
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ところによりブラウニーレイン(ショートショート)

 空に浮かぶ雲が何だかいつもと違うことに気づいた。  それには確かな質量があって、いつも…

たけなが
4か月前
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梅雨とチョコレート(ショートショート)

 恋人に振られたのはつい二、三日前のことだった。  金曜日。よりによって、と思った。  私…

たけなが
9日前
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キリン模様(ショートショート)

 完成直前のキリンは、茶色一色になっている。これは皮膚がチョコレートでできているためで、…

たけなが
3か月前
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テオブロマ・ネマトーダ(ショートショート)

「変わった寄生虫が発見されたんだよ」  友人のAはいつものように瞳を爛々と輝かせ、そんな…

たけなが
3か月前
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 その街ではキンキンに冷えたホワイトチョコレートが、綿のように空から降って来るらしい。食べたら美味しいらしいけれど、なにぶん降る量が多く交通の便が悪くなってしまう。
 そのため街の人達からは、ほとんど雪国の大雪と変わらない扱いを受けており、なるべく降らないで欲しいと思われている。

たけなが
3か月前

ストロベリーオクトパス(ショートショート)

「イチゴ味のタコ、ですか?」  目の前に置かれた料理を見ながら、男性はそう口にする。かな…

たけなが
3か月前
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コトバチョコ(ショートショート)

 人の話した言葉を使って、チョコレートを生み出す技術ができたらしい。  放課後の教室。様々な生徒が教室の中を行き交い、部活動の準備が始まる時間。  私は友達のAからその話を聞いた。 「なにそれ、へんなの」  率直な感想が口をついて出た。そんな私の反応に、彼女はえー? と言った後つけ加えた。 「でもちょっと気にならない? どんな味がするのか」  それは確かに、本当に人の言葉を使って作るチョコレートというのが存在するなら、気になる。ただ、誰のものか分からない言葉を食べるのは何とい

マッチョ山脈(ショートショート)

 マッチョ山脈というのは、"抹茶チョコレート山脈"の略称である。  名前の通り、抹茶チョコ…

たけなが
3か月前

おばあちゃんとかもめ(ショートストーリー)

 一羽のかもめが青色をしたチョコレートを運んできました。その色はまるで青空のようで、かも…

たけなが
3か月前
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チョコレートの食べ方(雑記)

 夢の中で、チョコレートが私を食べるのです。  それがチョコレートだと気づくのは大抵、も…

たけなが
3か月前
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オレンジピールチョコレートの夜(ショートストーリー)

 街燈の明かりを齧っては歩く少年がいました。  彼が初めて明かりを食べ始めたのは、学校か…

たけなが
3か月前
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カカオニブ(ショートショート)

 長年愛用していた万年筆のペン先、つまりはニブ部分が劣化で壊れてしまった。  インターネ…

たけなが
3か月前
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