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競争にいかに対応すべきか(「Nサロン」新聞部)

10月21日、「Nサロン」新聞部「日経新聞スクラム読み」(於日本経済新聞社本社)にオンラインから参加しました。

今回私はファシリテーターを担当。『COMEMO』の山田さんも出席してくださいました。

通信会社の法人営業を担当されたことのある新聞部部長のエビさん。こちらの記事を選びました。

スマートフォンや基地局など携帯ビジネスの主力製品では海外勢の後塵を拝している日本メーカーですが、部品の製造ではまだまだ健在のようです。5Gでのシェアを目指して投資を加速させています。

今のところ競争優位に見える日本の部品メーカー。しかし、中国では華為技術を筆頭に、内部で完結した市場ができあがっていて、独自のネット空間を「一帯一路」域内に展開する動きも見せています。そのため、日本勢がそこに食い込めるかは疑問、というのがエビさんの見立てです。

因みに、現在開催されているラグビーワールドカップも、5Gの試験配信がスタジアムで実施されているそうです。

歴史好きで、「note」上に北方謙三『水滸伝』のスピンオフ作品を連載中の安藤(100少々)さん。統合型リゾートに注目しました。

カジノであれば、ラスベガスやマカオなどが既に有名です。ならば、カジノよりも丁半など日本の独自色を出した方が、異国情緒溢れる「黄金の国ジパング」として、観光客誘致に際して差別化できるのではないかと話していました。

私からは、高等学校での国語教育について。

現行では1年次に「国語総合」で現代文、古文、漢文の初歩を学び、2・3年次に「現代文B」「古典B」を学ぶのが、大半の学校のカリキュラムだと思います。それが、2022年度からは、1年次に「現代の国語」「言語文化」を学び、2・3年次に「論理国語」「古典探究」を学ぶことになるでしょう。大きな違いは、「現代の国語」「論理国語」に法令文書や契約書など実生活に関する文章が盛り込まれることです。それに伴い、評論や文学作品の比重が相対的に減ることになります。経済協力開発機構(OECD)の「生徒の学習到達度調査(PISA)」での評価を念頭に置いていることが、学習指導要領の中で言及されています。

国語教育はいかにあるべきか。中世の大学では言語と数学に関する自由七科が置かれていた点から、国語には数学と同じく思考の基礎を形成する役割があると私は考えています。実用文、評論、文学など、種類を問わず様々な文章を通じて言語観を磨き、自分でものを考える「自由人の技術」を会得するのが肝要ではないかと思います。

COMEMO』を初め、日経のイベント企画を担当されている山田さんからは、ダイナミック・プライシングについて。

革新的に見えますが、山田さんによれば、航空券やホテルの宿泊ではお馴染みのもので、それが小売業界に広まりつつあるということ。今までオープン価格とか参考価格が当たり前だった小売業でも、ダイナミック・プライシングが導入されて、価格がまるで株価のように動けば、コンビニ弁当の在庫処理やマーケティングの手法にも変化が見られるかもしれません。

こちらができあがったグラレコ。

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4つの記事から、様々な「競争への対応」が浮かび上がりました。世界の覇権争いの様相を見せる米中摩擦のさなかの5G市場、外資を呼び込むための統合型リゾート、国際的な指標を意識した国語教育、需給に柔軟に対応するためのダイナミック・プライシング。どれも加熱する競争環境に対応するものと言えますが、その手法の中には再考を要するものもありそうです。

そして途中からやまえりさんとshiroさんも参加しました。詳しくはこちら。

今回も密度の濃い時間だった「Nサロン」新聞部。ホワイトボードにもその様子が表れています。

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