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黒澤明監督の言葉でぼくは映画の見方を変えた。


上の綾野つづみさんの記事
【映画感想文】小学生は『君たちはどう生きるか』をどう見たのか

を読んで、黒澤明監督が文藝春秋1999年4月号の企画『黒澤明が選んだ百本の映画』の中で次のように語っていたのを連想しました。

まあ、僕が一番言いたいことはさ、映画を見るときはごく素直に、自然に見てほしいってことだね。だから淀川君(引用者注:映画解説者の淀川長治さんのこと)みたいにさ、「きれいね。あそこ。きれいね」っていうふうに見るのが一番だよ。悲しいところでも、美しいところでも、楽しいところでも、「きれいね」って、あの人言うよね。あれこそ本当に映画が好きな人の見方だって、僕は思うよ。

映画について理論的に分析したりするのも大切な勉強の一つなので、例えば批評する際に分析・読解をやらないよりやった方がいいとは思いますが、でも最終的には淀川長治さんみたいにそして子どものように正直な「感性」とか「感覚」をどれだけ大事にできるかが重要かと思います。

思えば、この文藝春秋の黒澤監督の記事を読んで以来、映画を細かく分析したり、制作事情とか時代背景とかを進んで調べるのをなるべくやめるようになりました(ついやってしまう映画も勿論あります。例えば大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』とか)。

映画は結局そこに映っているものがすべてなのですから。
それを「きれい」とか「良い」「すばらしい」と言わずしてなんと言うのでしょうか。

まあ細かい分析とか制作事情は知りたくなったら映画評論家、研究家の方々のどなたかがやってくれるのを読めばいいだろうと……大暴論ですが、そう考えています(苦笑)。

映画の……というか作品というものの分析とか制作事情とか時代背景とか調べ出すとまあキリがないものです。
おそらく調べれば調べるだけで一本別の作品ができあがるでしょう(経験からの学び)。

だから僕は映画を観るときは、観返すこともありますが、基本一発勝負、なるべく自分の詩的な感覚を敏感にして立ち向かいます。
そして、これはいつも大事にしているのですが、ポジティブであれネガティブであれ、思ったこと、第一印象は必ず忘れないようにしています。

映画は第一印象が結局は自分にとっての感想のすべてだと思っています。

感想って他人からの意見とか批評でコロコロ変わっていくものなんですよね。だからこそ第一印象は、仮にその映画の解釈としては間違っていても、自分のオリジナルの意見として大事にしなければいけないと思うんです。
第一印象は唯一無二のものです。

以上、黒澤明監督の言葉で映画の見方が変わったという話でした。

最後に、改めまして、綾野つづみさん、すてきな記事をありがとうございました!

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