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当たり前の事なんだけど

少し前から降り出した雨、折りたたみ傘持って来てよかった。
街中で信号待ちをしていたら、眼帯をしたおじいさんが道を尋ねて来た。

「五島行きのフェリー乗り場はどこですかな」

道路を渡って、モールを通り抜けた所にそこがあって、もう向こうに建物が見えてる。
「ここを渡って真っ直ぐ行くと、正面に見えてきますよ」

と説明して横断歩道を渡り始めたけど、どうもおじいさん違う方向を見てる。
眼帯をしているからよくわからないんだろう。
「同じ方向だから、ご案内しますよ。」
傘を持っていないおじいさんを傘に入れて、一緒に歩いた。
上五島から佐世保市内の眼科まで、フェリーでやって来たという。
離島は病院も少ないからね。

「見知らぬ人に親切にしてもらって、ありがたい事です」

フェリー乗り場で別れ際、感謝の言葉をもらった。

ちょっともやもやした気持ちを抱えて歩いていたんだけど、
当たり前の事をしただけなんだけど、
何だかちょっと幸せな気持ちになった。

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