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不安を誤魔化す中毒症状

先日カジュアル面談をした企業から一次選考の連絡をもらえたので、転職するかはさておき面接をした。
ちなみに、回復期にやめといた方が良いことをしている自覚は超ある。

我ながら感動したのだけど、面接始まった瞬間から不思議なくらいスラスラと働く意欲満々の言葉たちがこぼれ落ちて、気付いたらあっという間に1時間喋りっぱなしだった。あらびっくり、前世の人格お待ちかねの大登場。

オンライン上で相手の目線を意識した表情作り、相槌やリアクションは少し大袈裟にして、失った目の水分を照明でドーピングし、心と体を壊した社会生活について意気揚々とご説明差し上げる私 is 誰。


無理、二度と会社勤めなんて無理、働くとか考えられない無理無理無理と毛布にくるまりながら寿限無のテンションで卑屈ワードを唱えていた自分の中に、不死身の目バキバキ社会の歯車人格がご存命で引いた。


無理せず健やかに働きたいのに、元気ピンピン成長意欲満々の面が出来るのはなんなんだろう。
もういっそのこと、すみません、もう背筋を伸ばして働くとか出来ません、1日1タスク出来たら褒めてもらえますでしょうかとでも言いたかった。

この調子で本腰入れて転職活動なんかしたら、またあれよあれよと自分に鞭打ち街道まっしぐらな気がする。


休職する前の自分のこと、前世だと思っていたけど、普通に人格が全然生きているみたいなのでこれはブラッシュアップライフなのでは?
バカリズムに来世はオオアリクイですって言われたらもうそれでいいかもしれないから、もう何も頑張りたくない。


とか言いつつ、丸々1時間喋り倒して、ドーピングでキラキラさせた目をして、こんなことしたらぶっ倒れるだろうとか思ったけど意外と生きてる。

ぐったりした精神 vs 仕事復帰に向けて前進している私という安心感、普通に後者に軍杯が上がった。

もう二度と頑張れないかと思ってたけど、こうやって出来てしまうから恐ろしい。これが俗に言う、うつ病の回復期に焦って活動的になって振り出しに戻るのやつだ。セルフアハ体験。

やろうと思えば出来てしまうこの感じ。
働きたいと思う気持ちに便乗すると危険な香りがプンプンしている。

今の自分に優しく渡してあげられるカードは何なんだろう。
復職、転職。どのカードもハードモードすぎて人生大塞がり!


うつ病にとって一番しんどいことは「頑張れないのに、頑張らないと辛い」こと。休むという試練の中でどうにかこうにかこのしんどさから抜け出したくてたまらない。
大嫌いな特大矛盾に押し潰されそうになりながら、今日も転職サイトを開いてしまう自分が一種の依存症のように思えてきた。

不安に布を被せて見えないようにするために、一時的に楽になる方法で誤魔化して、その副作用で余計な不安を煽るイタチごっこ。


やらなきゃいいのにやめられない。
だって他に楽になれる方法がないから。

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