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休職とお金。無給でどう生きたか

休職する前にもうちょっとリアルな解像度でサクッと知りたかったなぁと思ったことはやっぱりお金のことだった。
最近少しずつ自分の休職を消化できつつあるので、実際どうだったかを振り返ってみようと思う。
どこかの誰かの役に立つかも立たないかもしれないが、これを見て少しでも辛い毎日から離れる後押しになれたらこれ幸いと思って記してみる。

あくまで私自身の経験の記録なので、汎用性がないことはご了承ください。


通常時の金回り事情

まずは休職当事者のステータス。
リアルを書きたいのでほぼというか完全身バレでお届けします。

・30歳女性独身。
・年収500万弱。
・貯金は人並み(推定)
・東京都内のマンション(1K・賃貸)で一人暮らし。
・月々の家賃は管理費込みで8.8万円。
・光熱費などを含めて10万円前後が毎月の固定費の暮らし。
・平日は基本自炊と社食(タダ)なので、食費は比較的節制しやすい。

・趣味は食べ歩きと散歩。
・珈琲とお酒が好き。
・お洋服も好き。
・旅行も好き。
・アイドルも好き。CDは積まないけどライブは行く。

ご覧の通り、結構お金がかかることが好き。

羽目を外さず楽しいことは全部やるが人生のテーマなので、基本あまりお金は惜しまず使ってしまうタイプ、素敵じゃん、我ながら。

毎月定額の貯金と最低限の積み立てNISAとiDeCoはやってる程度。
昔から兄に「親が急に倒れてもお互いにそこまでお金に関して動じないくらいには貯めとけ、ダサいから」と言われて育ったので、まぁそのくらい(どのくらい?)。


休職時の金回り事情

休職中会社からの補助等はなく、12月~3月の4カ月間は無給。
(転職直後だったので有給もほぼなかった)

傷病手当金は月給の3分の2と言われていたけど、会社が立て替えてくれていた税金等が差し引かれるので、受け取れるのは毎月の手取りのほぼ半額。


傷病手当金は申請後実際に振り込まれるまでは2カ月超かかるので、最初の2カ月間は貯金を切り崩しての生活。

休んでいるうちはいつ働けるようになるかも分からないし、ここからどれだけ貯金を崩さないといけないのだろうと不安で体調が悪かった(多義)。

私の場合、仕事をしているときはお昼を社食(タダ)で食べることが多かったので、休んでいる間はお昼ご飯も出費になるのが結構痛かった。
無論食欲もあまりなかったので、外食したりしてた訳じゃないけど「昼飯食うにもお金かかるなんて生きるのむずすぎ」などとうつ病の本領を発揮していた。


何より金がかかるのが医療費。
毎週の心療内科の通院、薬代、私は診断書を計3回出してもらったのでそれだけで15,000円とかする。紙なのに。

貯金をいくら使ったか

結論4カ月の休職期間、月々の手取り×3くらいの貯金切り崩しで生き延びた。
※先述のステータスにおける超局所的参考値です

復職して1カ月半経って、ようやく3月までの傷病手当金が全額振り込まれた。その間給料を2か月分もらっているので、だいぶ我が口座は元の姿を取り戻しつつある。

切り崩していた貯金口座に少しずつお金を戻し、今は減らしてしまった貯金のことで落ち込むこともなくなるくらいになった。

どの程度の節制で生きたか

休職中、言うても元気がないので、デフォルトでそんなに金がかからない生活にはなる。休職者に最も必要とされる「寝る」と「歩く」はタダなので。

本屋に行くのが好きだったけど、図書館通いを始めたし、
カフェ巡りはやめてベランダでインスタントコーヒーを飲むようにした。

日当たりの良い部屋なので、日中は電気代節約のために日光のみで生活。

動画配信サービス等のサブスク系は基本解約したりせずむしろ月額分お釣りがくるくらい利用した。
推しのライブも休職中に地方遠征も含め6回くらい行った。
ライブは休む前から決まってたし、ライブがあるから生きててもいいかなと思ってたし、やっぱり推しは元気をくれるし、無収入人には大きな出費だったけど気にせず行った。

結婚式も行った。ドレスはレンタルした。
友人と会うときはお店じゃなくお家にお邪魔させてもらったりした。

過度に出費を気にして貧相な自分でいるよりも、ある程度の水準を落とさずに生きることも、私にとっては療養のひとつだったように思う。

節約しようと頑張っても疲れていくだけなので、使う間口を少し狭めるくらいがちょうどよかった。


減っていくのはお金だけ

やっぱり「収入がない」ということは精神的地盤を脅かす。本当に本当にずっと不安だった。

ただ、それと同時に言えるのは「収入がない」ということに不安になり始めたのは、傷病手当金が振り込まれるようになった休職数カ月目に入ってからで、このくらいの時期になってくると自分の心が休まってきて「収入がないことを不安に思える段階」に入ってくるということにもなる。

休み始めて最初のうちって、もうまじで生きてることすらままならないから、お金のことを考えるほど脳にも心にもキャパを失っている状態なので。


私も今だから言えるけど、減っていくのはお金だけだった、と思う。
それ以外に、絶対に失いたくないものは減らなかった気がする。
食欲不振で体重は減ったし、遊びに誘う友達も減ったけど、
体重は食べれば戻ってくるし、自分が一番つらい時に一緒にいてくれたという尊い存在を得ることができる(それは家族でも友人でも恋人でもペットでも観葉植物でも抱き枕でもネット上の顔の知らない誰かでもいいと私は思う)。


お金より自分の体と思っても、そうはいかないのよな。
傷病手当金もすぐに支払われるわけじゃないしな。
でも、なんとかはなると思う、元気になれれば。

元気になることを蔑ろにする方が、多分トータルでお金がかかる(というかお金がもっと長期で稼げなくなる)。
これは綺麗ごとではなく。
経験者だから思います。


収入とか同居者とか、私は扶養家族がいなかったりもするので、全然参考にならないかもしれないけど、手遅れになる前に、少し不安でも踏み切れるといいなと思う。
この記事に辿り着いてくれた時点で、あなたはまだ元気になれる力を完全には失ってはいないから。

簡単ではない勇気のいる決断に、ほんの少しでも力を貸すことができたらと、この地球のどこか遠くから願っています。

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