羽織

休職療養きろく

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「うつ病前の自分には戻れない」の真理

うつ病を患うと、患う前の自分には戻れない。 前のようになろうと思わない方がいい。 色んなところで言われているこの表現、少し前まではずっとマイナスの意味で捉えていたけど、最近戻れなくていいんだから当たり前だと思うようになった。 ※タイトルから誤解がないように先に言うと、この解釈が正解とか、どう捉えるべきとかの話をしたいんじゃなくて、純粋に私はうつ病の前の自分に戻りたいと思わなくなったという話。 うつ病になったこと、それにより休職して仕事から離れたことを、良かったこととは思

    • 少し楽に生きるライフハック

      私は生きているだけで力が入る、プロの力み屋(りきみや)だ。 肩の力を抜いてと言われたところで、それができたら何十年も力み屋やってない。 長いこと付き合っているこの力みによる気の抜けない生活の形状記憶を何とか脱するために、小さな訓練を意識して少し軽減ができているようないないような気がするので、うつ病持ちの小さなライフハックとして記録しておこうと思う。 酸素を吸って毒素を吐く 深呼吸をするというよりも、大きなため息をつくようにする。 はぁ~~~~っと毒素だらけの空気を放つ気

      • 余白と余韻のある生き方を

        日々を生きることに必死だ。 なんだか毎日を生きることが精一杯で上手く息を吸えても吐けてもいないような、そんな気がする。 復職したとて心はそう綺麗に前にまっすぐは進まない。 これが私のリアル。 復職して一カ月と一週間が過ぎた。 それなりに仕事のペースも今の自分にカスタマイズされてきて、朝から晩まで生きるリズムが安定してきた。寝る時間も起きる時間もご飯を食べる時間も毎日一緒。 ちゃんとそれを苦じゃなく続けられているなと自分では思っている。 体調も特段大きな不調もなく、ほどほど

        • 肯定的なネガティブという技

          頑張らないなんて無理だ。 これが、復職して3週間をやり切った私の気持ち。 4月の目標は、無理なくゆっくり、少しずつ働く生活を取り戻すことだった。 会社に行ければ満点、定時まで働けたらもうひとつ満点。 そうやってのんびり甘くやりたかったけど、現実の私はそう簡単に「頑張らない私」をやれるわけもなく。 平日の朝、頑張らない頑張らないと自分に言い聞かせていた人格は一瞬のうちに消え去って「休んでたけど普通に元気になって問題なくフルタイムで働ける私」がアクセルを踏み始める。 ある程

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        「うつ病前の自分には戻れない」の真理

          穏やかな復職のための心得

          復職してからの毎日は驚くほど平穏に過ぎている。 穏やかすぎて不安になるくらい。 まだ大した仕事はしていないので、わ〜私ちゃんと働けてる〜!と言えるほどではないけど、それなりに社会人として平日を過ごしていてよろしい!ではある。 復職してから社内で会う人は口を揃えて「戻ってきてくれてよかった」と言ってくれる。 引き継ぎもなしに私の仕事を丸々背負うことになった人にまで、普通に何事もなかったかのように明るく話しかけられる。 最初のうちは「まぁそう言うしかないわな」などと捻くれて

          穏やかな復職のための心得

          歳を重ねる自分に言いたいこと

          復職してちょうど一週間。 毎日無意識に気を張ってるんだろう、物凄い肩が凝る。 無理をしていないと言いつつも、きっとどこかで頑張ってしまっている私へ。ところで明日は誕生日ですね。 別にもう誕生日は全然嬉しくない年齢になってしまったけど、なんだか今日は明日が待ち遠しい。 何故かって、明日は記念すべき復職後初の週5フルタイム勤務完遂日(予定)だから。 無事にちゃんと定時まで働けたら、ついでにめでたい日なので盛大に「おめでとう!!!」って自分に言ってあげたいなと思っている。 今

          歳を重ねる自分に言いたいこと

          復職初日所感

          先週無事、復職初日を終えることができた。 ひとつ大きな肩の荷物を下ろせた感じ。 出勤前日、カオナシのように声にならない呻き声を上げる私に友人夫婦がかけてくれた「20点でいい」「遊びに行くようなもん」をおまじないのように繰り返しながら、起きて、朝ごはんを食べて、化粧をして、着替えて、駅まで歩いて、電車に乗った。 4ヶ月ぶりの通勤電車。 「気まずい」とか「ついに始まってしまった」とか、不安という巨大なモンスター感情に支配されながら都心まで運ばれる。 会社の最寄り駅で降りて、

          復職初日所感

          私を救ってくれた言葉たち

          休職をしてから4ヶ月。 うつ病を患い、再起不能かと思っていたあの頃から2日後に復職を控えるまでに回復することができた。 この4ヶ月間、私は人の言葉と優しさに沢山救われた。 私をここまで生き延びさせてくれた大切で宝物のような言葉たちを絶対に忘れたくないので、ここに記しておきたいと思う。 本当に幸せで恵まれていたと思うことは、この休職期間に寄り添って背中をさすってくれる友人がいたことだったと心から感じている。 過度に私を丁重に扱わず、いつも通りのおふざけと茶化しで笑わせてく

          私を救ってくれた言葉たち

          そこの私、頑張ったら減点ですよ

          なぜ私は復職をするのか、それは自分の生活のためだ。 絶対に忘れてはならないことなので、声を大にしてここに記録しておきたい。 復職を前に、カウンセラーさんと話をした。 今の気持ちを素直に話して、正直戻りたくないし、戻ってしまったらまたちゃんとしないとと自分の本音を見過ごしてしまわないか、頑張らないと約束した自分を信用できないという不安も話した。 まず、そもそももうすぐ復職だと身構えてしまっている時点でアクセルを踏んじゃってますねと言われた。 仕事のことを考えすぎている。確

          そこの私、頑張ったら減点ですよ

          復職を控えて今思うこと

          復職面談をしてきた。 産業医からは「うん、すっきりとお話も出来ているし大丈夫そうですね」と言われ、無事復職の運びとなるに至る。 ここまで長かった、と言いたいところだけど意外にそうでもない。 休職し始めた12月のことはほぼ記憶になくて、1月は心身ともにしんどい日が多くて、このnoteを始めた2月は色んなことを考えては悩み落ち込み忙しなく過ごして、3月はようやくエネルギーが補充されてきた自覚が芽生えて、あれよあれよと復職を決断したりして、今思えば自分の中では最短ルートを通って

          復職を控えて今思うこと

          めげてしまう春の夜は

          気付けば来週で3月が終わる。 まだ東京のソメイヨシノはぎゅっと蕾んでいるけど、冷たい風の上には春の空が広がっている。 始まりの季節は、みんな何かを頑張らなきゃいけないような空気を運んでくる。 晴れやかな顔をしていた方がいいような気にさせられて、一斉に前を向いて歩かないといけない気がして、布団を引き剥がされながら叩き起こされるような気持ちになるから、私は昔から春という季節が少し苦手だ。 4月から復職することを決めたけど、もちろん(もちろんなのが辛いが)全然晴れやかじゃない。

          めげてしまう春の夜は

          何もできなかった日を許す

          何も予定がなくダラダラ過ごしてしまう日が苦手だった。 無駄な時間を過ごしてしまったと思い詰めて、自分がすごく情けなくなったり勿体無さを感じたり、明日は何かしないとと焦ったり。 予定がないという予定。世の中には自然とこれが作れる人がいる。 土曜日は人と会ったから、日曜日は誰にも会わず何もしないという予定を入れて、誘いがあっても「その日は予定があるから」と断るというように。 カレンダーに空白があるのが苦手だったので、そういう人たちの気持ちが前はあまり理解できなかった。予定はあ

          何もできなかった日を許す

          休んだら生き方の手札が増えた

          部屋の模様替えがしたくなった。 新しい家具が欲しくなって、朝から何だかウキウキしている。 転職を機に引越してきた今の家を、私はすごく気に入っている。 朝、太陽の光を浴びたいと思って東向きの部屋を選んだ。 夕方になると向こうの通りのマンションに反射した西陽が部屋に入って来る時間が好きだ。 自分の力で手に入れたこのお気に入りの空間で生活していることが、自分自身を満足させているんだと思う。 こうやって、他の誰のものでもない私だけのものを大切にしたい。 独身一人暮らしの贅沢で愛

          休んだら生き方の手札が増えた

          復職決断に至るまでの話

          4月から復職をすることに決めた。 この決断に至るまで、この一週間、正直自分でも引くほどあっち行ったりこっち行ったりしながら悩みに悩み果て「とりあえず」ここまで来れたので、今休んでいる人、まだ復職に踏み切れない人、転職したい人、そしてめげているかもしれない未来の私へ、こんな風に社会復帰を決めたやつもいるぞという記録にしようと思う。 転職後半年でうつ病を患い休職をした私は、3月で仕事を丸4か月休むことになる。とにかく環境の変化と職場の雰囲気、働き方の変化や出来ない自分に対する

          復職決断に至るまでの話

          「とりあえず」は怖くない

          先々の不安を誤魔化すドーピングを続けていたせいか、久しぶりに夜涙が止まらなくなるやつになった。 なんで泣いてるのか自分でもよく分からないけど一つ分かることは多分、今、すごく無理をしているということ。 何とか「ちゃんとした」道筋を見つけたくて、でも転職も復職も自分の中で上手くいく自信がないから怖くて不安で。 先々のことが決まりきらない状況に少しでも前進している実感が欲しくて、決定事項を探している感じが強くある。「よし、これで行こう」と確信が持てる道しか進めないからだと思う。

          「とりあえず」は怖くない

          不安を誤魔化す中毒症状

          先日カジュアル面談をした企業から一次選考の連絡をもらえたので、転職するかはさておき面接をした。 ちなみに、回復期にやめといた方が良いことをしている自覚は超ある。 我ながら感動したのだけど、面接始まった瞬間から不思議なくらいスラスラと働く意欲満々の言葉たちがこぼれ落ちて、気付いたらあっという間に1時間喋りっぱなしだった。あらびっくり、前世の人格お待ちかねの大登場。 オンライン上で相手の目線を意識した表情作り、相槌やリアクションは少し大袈裟にして、失った目の水分を照明でドーピ

          不安を誤魔化す中毒症状