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韓国コスメには脳内物質ドバドバの旅の思い出と女の友情がつまっている

コロナになってからずいぶんたつ。生地の仕入れのついでに韓国でまとめ買いをしていたコスメもとうとう底をつき、最近では仕方なくドラッグストアやネット通販で入手している。ふつうは新しい化粧品のパッケージを開けるのは胸がときめくものだけど、最近はどこかもの足りなくて、なんだかわびしい。何がもの足りないのかはわかっている。

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それは……。

ソウルが足りない

いきなりダジャレか! と思われたかもしれない。しかしこれは本当に言葉通りの意味なのだ。足りていないのは、アクセル全開の韓国仕入れ旅の「魂」と、エキサイティングな街「ソウル」の成分だ。そして旅の「ソウルメイト」ヘアメイクMとの思い出も。

これはコスメについて書いた記事だが、いっしょに行ったヘアメイクMと違って、ドレス作家の私はそこまで化粧品にくわしくない。むしろ、日焼けさえしなければ自分の化粧なんてどうでもいいとさえ思っている。実際、ウェディングドレスの制作中は汚れないようノーメークで制作する。いつもは40代後半という年齢を考えて、化粧は「最低限の身だしなみ」程度にしている。

なのでこの記事は、コスメや美容うんちくを語るものではなく、韓国コスメをめぐる旅のエッセイとして読んでいただけたらと思う。ただ、カリスマヘアメイクMがおすすめしてくれたコスメはやっぱりすごく良い。「その情報だけが知りたい」という方は上の目次の「1、エスポア」の項目からどうぞ。

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「ソウル」メイトとの出会い

ヘアメイクMと初めていっしょに韓国に行ったのは、実はリアルに会うのが2回目のことだった。共通の友人といっしょだったとはいえ、いきなりひとつ屋根の下で眠り、洗面所を共有し、ノーメークの素顔を見せ合うというかなり濃いめの友情スタート。しかしもともと気があったのか、なんとなくぎこちなかったのは出発の時くらいで、あとはトップスピードで仲良くなった。ソウル行きの飛行機がぐわんぐわん揺れているのにMはグーグー寝ていて、「ん? もうついた? 今さ、到着ニダって言ったよね! 到着は到着なんだね〜ワハハ」と笑っているのを見て、呆れるのと同時にさっきまでの不安と緊張が吹き飛び、ああこの人けっこう好きかも、と思ったのだった。それから何度となく二人でテンションMAXの「仕入れソウルの旅」をすることになった。

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ソウルの東大門市場(※トンデムン市場:ソウル東大門区にある生地・アパレル商品を中心にした大規模卸売市場)の中に、イタリアやフランスなどの生地や素材の集まるウェディング資材の市場がある。ここに、コロナ前は仕事半分、遊び半分くらいの感覚で定期的に訪れていた。

ヘアメイクMは、仕入れのためというよりは、韓国メイクトレンドの市場調査と遊びを兼ねて、といった感じ。

それでも少しでも仕事が絡むとどうしても「狩り」モードになる私たち。何かしらの脳内物質がドバドバ出てハイになり、楽しくてしょうがない。ホテルの部屋をグレードアップすると言われて部屋に行くと、ふたり旅なのにベッドが4つあって、「なんだよグレードアップってベッドの数かよ」と、そんなことでゲラゲラ笑いが止まらない。箸が転がってもおかしいという青春時代のようなことになってしまう。 たぶんきっと、辛いもののせいだろう。「辛いものハイ」はエンドルフィンだったっけ?

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それがもう、ドバドバよ。


前置きが長くなった。ではヘアメイクMのおすすめコスメ、行きます!

1、エスポア(espoir)ピュアラディンスグローライザー

美容成分のつぶつぶの入った化粧下地。

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まず、見た目にときめく。透明ジェルの中に、真珠色のパールと珊瑚色のパールが入ってる。プッシュして手に出して、つぶつぶをクルクル混ぜるプロセスも楽しい。肌に乗せると、ジェルはさらっとした質感に変わって、肌表面はマットなんだけど、内側から真珠みたいなほわっとしたツヤが出る。これが面白い。その上からファンデーションをつければ、てかてかせずにぱあっと内側から輝くような気がする。気がするって大事なのよ。

最初は韓国でMに「これいいらしいんだよ」とオススメしてもらって買って、それ以来リピートするほどお気に入り。日本のドラッグストア等でも入手可能。3000円くらいだったと思う。

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2、ザ セム(The Saem)カバーパーフェクション チップ コンシーラー

コスパ最強コンシーラー。

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韓国で300円くらいだったけど、日本でも500円くらいで変えるコンシーラー。もう手放せない。普通のコンシーラーとちがって、ぴたっとしているのがいい。普通のコンシーラーだと、重ねても伸ばしたときに薄くなって透けちゃったりするけど、これは本当にピタッと隠したいものを隠してくれる。しかもパサパサしない。わたしたち世代の強い味方。教えてくれてありがとう、M。

Mによると、変に明るめとか濃いめの色を選ばずに、肌と同じ色のものを買うのがオススメだそう。勉強になるよね。

3、いつもより明るくはっきりした色のメイクアップもの

メイクアップ色もの。リップやチーク、アイシャドーなど。ブランドは3CEとかCLIOとかいろいろ。パッケージがかわいいとかで選ぶのも楽しい。

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メイク品は「使うこと自体が楽しい」のもポイント。このアイシャドウはひと塗りで完成っていうのが楽しい。

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リップやチークなんかのメイクアップ色ものは、いつもより明るめ、濃いめ、はっきりした色、を買うのがいいそうだ。

ついつい、いつものベージュっぽい慣れた地味な色目のものを選びがちだったわたしに、「たまにはしっかりメイクするのも必要よ」と教えてくれたM。そうよね、時にはそういう気合いも必要かもしれない。いつもより楽しいものを、明るいものを、気分の上がるものを。せっかくの旅だもの。

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番外編 エスポア(espoir)ウォータースプラッシュサンクリーム 日焼け止め

これはわたしが日本のドラッグストアで見つけて買った日焼け止め。SPF50+

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トーンアップしてくれる日焼け止めなんだけど、でも不自然じゃなくて、これも1、のように内側から光る系。だけどテカテカじゃなくてマットな感じ。うっすらピンクベージュなので、ドレス製作のためにノーメークでいたいけど日焼け止めだけはしたい時とか、ちょっと近くまでマスクして出かける時なんかに重宝する。

※コスメや韓国の情報は2019年7月までのものです。紹介したコスメは日本のドラッグストアやネットで購入可能なものもあります。

旅の夜、旅の朝

いっぱい化粧品や服を買ったら、すぐにホテルの部屋で開けて見たり、使ってみたりする。これがなんともウキウキする。マスクを試してみたり、韓国ドラマや音楽番組を見ながらおしゃべりをしたり。ひととき青春時代に戻って、うっかり普段話せないような深い話や、夢の話なんかをしてしまったりもする。夢の話なんかしたら次の日だいたい恥ずかしくなるんだけど、でもいいのよ、みんな旅のせいなんだから。

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それで次の日の朝は、早速買ってきた韓国コスメでしっかりメイク。市場で韓国語で話しかけられたら大成功。ああ楽しい。

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出発ギリギリまで市場を見て、「え、ちょっと待って、荷物の重量制限やばいかも」「捨てれるもの捨てちゃおう」って荷物を整理したり。何をしても大笑い。

そして帰る頃には出発前の忙しさや日常のモヤモヤもスッキリして、「また頑張って仕事してここに来れるようにしよう」って思うのだ。

トキメキソウル

つまりわたしにとって韓国コスメは、「化粧品」以上の存在なのだ。辛いものと、コラーゲンをチャージして、仕入れで仕事のミッションを達成し、買い物をして、大笑いし、語り合ったりもしちゃう。まるで青春時代に戻ったかのようなトキメキと旅の思い出。

そのトキメキソウルが、今のわたしには足りない。

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マスクの下はティントリップ

なんかね、わたしたちもうずいぶん、いい子ちゃんでがんばってきたと思う。このコロナ下で。「今できることを」「粛々と」「丁寧に」「ひとつひとつ」「感謝して」「寄り添って」来たわけよ。

でも正直ちょっと飽きてきた。生きてる気がしない。ソウルが足りない。そろそろ大笑いして、しっかりメイクして、ドバドバいきたい。たまには物欲にまみれて狩りに出たい。旅に出たい。

でも、もう少しの辛抱かな。

せめて、マスクの下はいつものより明るめの色のリップで過ごしてみようか。3CEのリップティントならマスクにつかないからだいじょうぶ。きっとだれにも知られやしない。

わたしたちの秘めたソウルはだれにも。

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ドレスの仕立て屋タケチヒロミです。 日本各地の布をめぐる「いとへんの旅」を、大学院の研究としてすることになりました! 研究にはお金がかかります💦いただいたサポートはありがたく、研究の旅の費用に使わせていただきます!