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小春日和の尾道に立ち寄って、ふらり旅

実家の用事で一泊だけ広島県に帰省していました。

そして神戸へ帰る途中で、広島・尾道にちらっと立ち寄ってきました。父と母とわたしの3人での久しぶりの「旅」です。

尾道はとても絵になる町です。そこで、尾道のふらり旅のようすを、写真を中心にお届けしたいと思います。

しまなみ海道の新尾道大橋

※なおこの記事はメンバーシップ限定記事・有料記事ですが、尾道の旅のようすは、ほとんど全部読めます。あとちょっとさいごの個人的な思いのところだけが、限定・有料部分です。

尾道ってどんな町

広島県の瀬戸内海沿いに位置する「尾道市」は、中世から栄えていた歴史ある港町です。

対岸の島との間を縫う、川のような海路。そこを行き交う船。「箱庭的都市」と言われるだけあって、尾道は海とひとの暮らしが密着している感じが、とても魅力的なまちなのです。

水道が紡いだ中世からの箱庭的都市
尾道三山と対岸の島に囲まれた尾道は、町の中心を通る「海の川」とも言うべき尾道水道の恵みによって、中世の開港以来、瀬戸内随一の良港として繁楽し、人・もの・財が集積した。その結果、尾道三山と尾道水道の間の限られた生活空間に多くの寺社や庭園、住宅が造られ、それらを結ぶ入り組んだ路地・坂道とともに中世から近代の趣を今に残す箱庭的都市が生み出された。

日本遺産のまち おのみちー尾道ー パンフレットより
路地の向こうに海

そのため尾道は、小津安二郎や大林宣彦など、多くの映画や小説の舞台となっています。

森見登美彦の小説にも尾道を舞台にしたものがあったような。タイトルを忘れてしまったけれど、京都や奈良だけじゃなく、尾道にも森見登美彦的な魔界への入り口はあったのねと、ちょっと怖いけどワクワクしてしまうような小説でした。

森見登美彦の尾道はたしか「夜」が舞台だったけど、わたしにとっての尾道にはとにかく、光がいっぱいあるイメージ。

ところがわたしのふるさとの町は、広島県といえども山間部にあって、曇りや雪の日が多いのです。尾道は真逆で、いつも晴れていて、海があって、みんなが思う明るい「せとうち」のイメージ。憧れます。

浄土寺

すこし調べてみたいことがあって、浄土寺に行きました。

浄土寺は真言宗の寺院です。本尊は十一面観音だそうです。

この寺が文書等に現れたのは「鎌倉時代」なんだとか。歴史の古いお寺です。

結局、調べていた目当てのものは貸出中のようで見られなかったのですが、お寺からの景色がよかったのでよしとします。

寺には駐車場がなく、境内に駐車させてもらう感じなのですが、そのためにはこの狭い道を通らなくてはなりません。

その道のすぐ横がこの光景です。ひええ。

かなり道幅が狭くスリリングなので、小型車か歩きで来られたほうがよいかと思いました。でもそのかわり、景色はめちゃくちゃいいのです。

浄土寺映えスポット

では、浄土寺のおすすめ撮影スポットです。

1、門からの海

境内に入って、門から振り返ると、この海。絵になりますね。父はこの景色を見て、「ああ来てよかった」と言っていましたよ。わたしは調べものにつきあってもらっただけなのに、なんとなく親孝行気分。

2、階段と線路と海

さっきの階段です。向こうに海と線路が見えます。光がいっぱいです。そして若くてかわいいカップル。いろんな意味でまぶしい。

3、階段からの海

境内から登る階段からの、海。とにかく登らないといけない。「映え」たいなら登れ、が尾道の鉄則。

海流寺・文楽の墓

浄土寺のすぐ近くに「海流寺・文楽の墓」というのがありました。文楽の墓ってどういうことだろう? と気になってなかに入ってみることにしました。大学の授業を取ったこともあって、文楽にはとても興味があるのです。

文楽とは人形浄瑠璃のことですが、そもそも「文楽」って、当時人気だった座の名前がそのまま残ってそれがそのまま人形浄瑠璃の通称みたいなことになっているだけであって、人とかのことじゃないのに「墓」ってどういうことなんだろうと思ったのです。

たしかに、境内には巻物のような形の石碑がありました。技芸の上達を祈って巻物をナデナデするといいらしいので、もちろん存分にナデナデしておきました。

どうも、「文楽の墓」というのは、尾道の海運業で財を成した浜問屋のお金持ちが、文楽の師匠を招いて余暇を楽しんでいたようですね。その師匠が亡くなったときに供養のために建てたもののようです。

尾道の海運業のお金持ち、すごいな。

ONOMICHI U2

JR尾道駅から海沿いのプロムナードを歩いて5分の場所に、元倉庫を改装したホテル・レストラン・カフェ&ベーカリー・ショップの「ONOMICHI U2」というお洒落な施設があります。両親は最近ここがお気に入りらしい。

尾道を起点とするしまなみ海道の各地ではサイクリングがとてもさかんで、ここのホテルはなんと自転車といっしょに泊まれるのだとか。なんか楽しそう。自転車好きにはたまらないんだろうね。

海はすぐそこ。

「ここでパンを買って、コーヒーをテイクアウトして、テラスで食べるのがいいんよ」と母。おしゃれさんか!

フレンチトースト、卵焼きが乗っかったパン、無花果パン、はちみつトースト、たまごサンド。そしてコーヒー。

何だろうこのしあわせなかんじ。まあ、こんな日もあっていいかな。

尾道商店街

レトロな雰囲気が魅力な尾道商店街を散策します。

林芙美子記念館がありました。作家の林芙美子は、尾道にゆかりのある女性作家です。尾道で小説を書いて暮らすのもいいかしらね〜と妄想したり、商店街でちょっとした小商いをするのもいいかも、と空き店舗をのぞいてみたり。

尾道は路地が魅力的なのです。

商店街のすぐそばに線路があります。カンカンカンカンと踏切の音までノスタルジック。

貨物列車「桃太郎」なんかうまく撮れたぞ

提灯の絵付け体験、ちょっとやってみたかったな。

尾道商業会議所記念館

商港都として発展してきた尾道。尾道の商人たちは1892(明治25)年にいち早く商業会議所を設立したそうです。

当時の議場を復元した部屋です。

この場所は現在、商都尾道の歴史を知ることのできる記念館になっています。館内は撮影自由で、レトロ建築好きにはたまらない場所です。

尾道ちらっと旅、あれ、ふらり旅だったかな? いかがでしたでしょうか?

絵になる風景がたくさんある町です。ぜひカメラ(スマホ)片手に散策を楽しんでくださいね。


さて、ここからは、わたしの個人的なお話です。

わたしが尾道で調べていたものとはいったいなんだったのか。それはわたしのこれからの「学び」に関係することでした。

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ドレスの仕立て屋タケチヒロミです。 日本各地の布をめぐる「いとへんの旅」を、大学院の研究としてすることになりました! 研究にはお金がかかります💦いただいたサポートはありがたく、研究の旅の費用に使わせていただきます!