bluebeat

レコーディングアーティストとしての佐野元春さんの活動を徹底研究していきます。

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マガジン

  • 佐野元春 VISITORS 1984

    佐野元春1984年リリースの4枚目のオリジナルアルバム『VISITORS』についてまとめています。

最近の記事

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Dear Mr.Songwriter Vol.0

 音楽を好きになったきっかけは佐野元春さんです。the pillowsのさわおさんじゃないけど、ロックスターの頂点なのである。これからまず自己紹介として初めての出会いからいってみる事にするよ。  その前にまず音楽の体験から、一番古い記憶を辿るとはっきり覚えているのは沢田研二、ジュリーの"ダーリング"のシングルレコードが家にあって小学校低学年の時、歌声をラジカセにマイクを繋げて録音したのを自分で何度も聴いていたお調子ものの子供でした。何故ジュリーのレコードがあったのかは、父親が

    • 佐野元春80年代の20曲 DMS. Vol.22

      Dear Mr.Songwriterですが、1980年のデビュー•アルバムの『バック•トゥ•ザ•ストリート』から1989年の『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』まで80年代の作品をまとめてきました。 今回は区切りとして80'sの心のマイベスト20を発表します。 ではいってみよー! 20.モリスンは朝、空港で  1983 ノー•ダメージ 初めて聴いた時は、不思議な曲だなって感じ。高校生の時、ウォークマンに(カセットだよ)『No Damage』をいつも入れて通学する時に聴いてまし

      • Dear Mr.Songwriter Vol.21

        佐野元春  ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.3このアルバムはある意味、僕と同じジェネレーションの人達にささげたい。また、聴いてもらいたのは、小学校6年生、中学1、2、3年生、僕の下の下のジェネレーションの人達に、このアルバムを借りるなり買って聴いてもらいたい。 世界にはがっかりするようなことがとても多いけれども、決して泣いたり絶望しないでくれと、このアルバムを通して彼らに言いたい。 いつかテレビの子供番組で、このアルバムの中の"新しい航海"という曲をうたいたいんです。

        • Dear Mr.Songwriter Vol.20

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.2自分のアイデンティティが定まったアルバムなんだ。現代詩とロックンロールを高い次元で融合させた。僕の最初のクリエイティヴなピークと言ってもいい。敢えていえば、「サムディ」や「ガラスのジェネレーション」という初期ヒットよりもむしろ、『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』に収録されている一群の曲が佐野元春ポップ•ロックの真髄だと思っている。 Movilist ACTION 2 SUMMER 2015 このアルバムは当初の予定では、収録

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        Dear Mr.Songwriter Vol.0

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        • 佐野元春 VISITORS 1984
          2本

        記事

          Dear Mr.Songwriter Vol.19

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.1 僕がなぜロンドンに行って彼らと一緒にやったかっていうと、彼らに本場仕込みのロックンロールを演奏してもらいたかったから行ったわけじゃない。僕は彼れらの、70年代初頭から現在まで生きのびてきた、そのサバイバルの意識が欲しかったんです。 ROCKIN'ON JAPAN Vol.25 1989 UKプロジェクトに向けて動き出して、初めにやったのは、『VISITORS』のレコーディングで知り合ったニューヨークの音楽関係者への接

          Dear Mr.Songwriter Vol.19

          Dear Mr.Songwriter Vol.18

          佐野元春 1987-1988 オリジナル•スタジオ•アルバムとしては6枚目にあたる『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』をリリースするまで、前作『Café Bohemia』から2年6ヶ月の期間がありました。 そこで今回は、『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』の制作に取り掛かるまでの期間は重要だと思うのでその過程を駆け足で遡っていきますね。 Café Bohemia Meeting 『Café Bohemia』リリースの少し前の1986年10月から1987年5月まで7ヶ月におよぶ全国

          Dear Mr.Songwriter Vol.18

          Dear Mr.Songwriter Vol.17

          佐野元春 with The HeartlandThe Heartland Session 1987➕ 今回は、1989年にロンドンのミュージシャンと作った『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』をリリースする前、アルバムとして形にはならなかった東京でのThe Heartlandとのレコーディングの音源(後に様々なコンピレーション盤に収録される)があるので、そこにスポットを当てていきます。 1.サンデーアフタヌーン Sunday Afternoon ブルーベルズ M.74 R

          Dear Mr.Songwriter Vol.17

          Dear Mr.Songwriter Vol.16

          佐野元春 with The Heartland HEARTLAND 「ライブ•ツアーは、自分たちの教室だった。」 と語ったのは、ザ•バンドのギタリスト、ロビー•ロバートソンだ。Survivalの意識。現実をどうにかやりくりして〈明日〉を肯定すること。この一文に触れたのは僕が15の時だった。 そんな時には、わからなかった意味も今は実感としてうけとめることができる。 〈明日〉に絶望することを恐れながらもなお、〈明日〉を肯定せざるを得ない理由、とはどこに?  僕にとってのライブ

          Dear Mr.Songwriter Vol.16

          Dear Mr.Songwriter Vol.15

          佐野元春 with The Heartland Café Bohemia Part 3 今回はアルバム『Café Bohemia』のB面とシングルB面曲、『ELECTRIC GARDEN #2』をまとめていきますね。 7.ヤングブラッズ Young Bloods M.64  1985年は国際青年年という事で、そのテーマ曲にもなりました。    そしてこの年の6月に行われた国際青年年記念のイベント"All Together Now"では、新しい世代の一員としてトリを

          Dear Mr.Songwriter Vol.15

          Dear Mr.Songwriter Vol.14

          佐野元春with The Heartland Café Bohemia Part.2今回のアルバムのすべての曲に託したのは、いわゆるインディビジュアリティ"個"なんだ。 GB 1987年1月号  『Café Bohemia』は1986年12月1日にリリースされる。オリジナルアルバムとしては5枚目。ザ•ハートランド名義では初のアルバムとなります。オリコンチャートは初登場2位。ユーミンの『Alarm à la mode』が同年の11月29日にリリースされており、1位は取れ

          Dear Mr.Songwriter Vol.14

          Dear Mr.Songwriter Vol.13

          佐野元春 with The Heartland Café Bohemia Part.1今回は『Café Bohemia』です。このアルバムから自分はリアルタイムで経験しているので、(15歳!)当時の記憶や文献などを掘り起こして進めていきます。  オリジナル•アルバムとしては5枚目となる『Café Bohemia』は前作『Visitors 』から2年と7ヶ月ぶりにリリースされる事になります。  このボヘミアというワードはどこから来たのか、1986年1月1日の元旦にニューヨ

          Dear Mr.Songwriter Vol.13

          Dear Mr.Songwriter Vol.12

          佐野元春 ELECTRIC GARDEN 今回は電気的な庭。カセットブック『エレクトリック•ガーデン』です。 この音楽を奏でながら詩を朗読するというスタイル、それに合わせて作ったアート作品。これはどのようなアイデアから来たんだろうか。そこには、1984年に冬樹社から発行されたカセットブックシリーズSEEDの存在があった。 細野晴臣『花と水』井上鑑『カルサヴィーナ』ムーンライダーズ『マニア•マニエラ』等がヒントになり自分のスタイルで発表したいという気持ちが生まれる。それ以

          Dear Mr.Songwriter Vol.12

          Dear Mr.Songwriter Vol.11

          佐野元春 VISITORS PART.2『VISITORS』というと、ときどき言われるのは、『日本語初のラップ音楽だよね』とか••••••。誰が最初だろうが関係ない。はっきり言いたいのは、『VISITORS』でヒップホップ/ラップ•アルバムを作ろうなんて思わなかった。『VISITORS』で作りたかったのは、今まで誰も聴いたことのない、インターナショナルな新しい日本語のロック。あの時代における真にオルタナティヴなロック•アルバムだ。 Rolling Stone 2014年1

          Dear Mr.Songwriter Vol.11

          Dear Mr.Songwriter Vol.10

          佐野元春 VISITORS PART.1生活レベルで音楽をするということ。多くの見知らぬ人たちとコミュニケーションをし、議論をし、一緒に大声でしゃべり、一緒に大股で歩いて食事をし、そこに生きているという実感があった。 前作『SOMEDAY』での成功。そこで、創作的な満足感は得られた。作品を拡大再生産をする事の危機感。何よりも未知の冒険を、新しい場所での訪問者の視点を持ち、創作する事を選んだ青年のストラグルが始まる。 元春がニューヨークに着いた1983年5月。ホテルに仮の

          Dear Mr.Songwriter Vol.10

          Dear Mr.Songwriter Vol.9

          佐野元春の音楽的ルーツを辿る旅 2今回は前回に引き続き(初期3作品)音楽的なルーツを辿る旅の2回目です。 受け継ぐ精神性という面では、3人の人物にスポットが当てられると思う。前回のDMSVol.8でも紹介したボブ•ディラン。そしてルー•リードとジョン•レノンです。 ルー•リード そしてこんなふうにも語っている。 Velvet Underground White Light / White Heat 1968 "白い光と白い熱"というのは、アンフェタミンを使用した時

          Dear Mr.Songwriter Vol.9

          Dear Mr.Songwriter Vol.8

          佐野元春の音楽的ルーツを辿る旅 1 音楽的ルーツの系譜を辿る さて今回のDMS Vol.8は趣向を変えて楽曲から(今回は初期3作品)感じとれる音楽的なルーツについてです。   まずここで最初に触れておきたいのは、元春の特に初期の音楽性についてなんですが、60年代、70年代の英米他の洋楽ロックを聴いてきたロック通と呼ばれる人たちにとっては、元春の楽曲から見える洋楽との接点を鬼の首をとったみたいに、いわゆる◯クリという表現で片付けて、いい印象を持たれていない方も一部ではあります

          Dear Mr.Songwriter Vol.8