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夢を限りなく作る

「ミュージシャンなら、メジャーデビューしないとね」
「え、趣味なんでしょ?なんでお金取るの?」
「で、いつ上京するの?」

上京して有名になって、武道館でライブして、レコード大賞とって、
Mステに出てタモリさんとトークして、アルバムがミリオンヒット・・・


確かに、それができれば文句はない。
むしろ、そんな自分になることを目指して音楽をやってきた。
そしてそれは、日本の全アマチュアミュージシャンが一度は夢見た世界。

だけど、「それだけ」がミュージシャンの”正解”か。
その、あまりに強烈で、あまりにキラキラした世界に囚われてないか。
そして、その世界にいくことが難しいとわかった時が、
果たして「音楽の辞め時」なのか。


何時間も練習して、曲を書きレコーディングして、いろんなミュージシャンのライブに足を運び、自身もライブで精一杯のパフォーマンスする。

時間をかけているのに、命をかけているのに、
「好きなことをやっているから」
「趣味(に見える)だから」
という理由で、”タダでやれ”とは何事か。


そんな、ミュージシャン自身と、
それを取り巻く環境の違和感に何年も苛まれてきた。



これは僕だけが感じていることではなくて、地方で活動しているアマチュアミュージシャンなら感じたことがある違和感なんじゃないか。

ビジネス色を出そうとすると、なぜ反発されるのだろう。
それによって、夢を絶たれた先輩方を何人も見てきた。


なんとか、そんな世界を変えれないか。
ミュージシャン自身のリテラシー改善と、環境の改善を図れないか。
そして、それをやって飯が食えないものか。

そう思って、起業を決意した。




屋号は「夢限-MUGEN-」

その名の通り、「夢を限りなく生み出せる」会社であることがテーマ。


根底にあるのは、
自身がアマチュアミュージシャンとしての活動5年目ほどの時に
感じ始めていた違和感と、その時に
「こんな先輩が沢山いたらいいな」
「こんな仕組みがあったらいいのにな」
と感じたこと。



高校2年生の時に始めた音楽活動。
自分の表現を喜んでくれる人がいて、感動してくれる人がいて、
泣いてくれる人がいることが、こんなに嬉しく尊いことなんだと、
毎日が本当に充実の日々だった。

コンテストやオーディションでそれなりの成績も出すことができ、
その当時の長崎の弾き語りアーティストの中では、自分で言うのもあれだが
トップクラスの実績で一目置かれていた。

周りは、
「いつ林は上京するのか」
「いつ林はメジャーデビューするのか」
「いつ林は武道館でライブすることになるのか」
と、もてはやしていた。



その一方で、
一緒に活動していた先輩ミュージシャンたちが、
時期を同じくして一気に活動をやめていくのを目の当たりにしていた。


僕はいきなり、長崎の弾き語りミュージシャンの「長老クラス」
になってしまった。




ある先輩は、「結婚するから」
ある先輩は、「ライブハウスのチケットノルマが厳しすぎるから」
ある先輩は、「メジャーに行けない年齢だから」
ある先輩は、「仕事が忙しくて練習の時間が取れなくなってきたから」


僕は思った。
「そんな理由で、音楽活動自体をやめるんですか?」


今からでも夢を追うのは遅くない。
毎週末ライブするんじゃなくても、ペースを落としてでも活動できるじゃないか。

でも、先輩たちは”音楽活動そのもの”を辞めていく。



確かに僕も、それは思っていたことではあった。

・生活環境が変わったら活動しにくくなりそう
・ライブハウスのチケットノルマは確かに厳しい
・オーディションに受かる年齢は基本20代前半までだし
・これからどんどん仕事の忙しさも増してくる


でもそれは「メジャーデビューすること」が前提。
地元で根を張って活動する地元ミュージシャンとしてなら、
そんなこと関係ない。



しかし、
「地元ミュージシャンとして活動している人=モノ好きなヘンな人」
「趣味なんでしょ?タダでやって」
「ここじゃなくて、”その界隈”の人が集まるところでやって」
という風に捉える風潮が根強い。

表現活動でお金を取ることへの抵抗感が、社会にはあった。

それが、地元ミュージシャンとして活動していく上での
壁の1つだ。


そんな中でも、
地元ミュージシャンとして長く活躍されている諸先輩方もいる。
たまたま僕は、その先輩方から多くのヒントを学ぶことができたので、
今日まで細々とでも活動を続けられているのだとも思う。


そして、活動をやめていった先輩たちに共通することは、
「有名になる以外に、音楽でお金を稼ぐ方法がないと思っている」
ということだ。





この様に、
地元で音楽活動を続けていくための課題は

・ミュージシャン自身のビジネスリテラシー
・表現活動ができる環境づくり

の2点だと僕は考える。



この2点がクリアになれば、
ミュージシャンにとっては、メジャーデビューしなくとも、地元で大好きな音楽を収入も得ながら続けることができ、
地域社会にとっては、エンターテインメントが日常にあることでの
経済の活性化ができる。


もちろん、メジャーデビューすることを目指すのを否定はしない。
僕もそれを追い求めていたのだから。


僕には、
それ以外の選択肢”も”見せれる先輩方が、もっと周りにいたらいいなと思ったし、そう思っているからこの様なアイディアが生まれたし、
もっと言うと、この様なことを学べる学校の様なものがあったら、
僕は迷わず通っていたと思う。



今回起業しようと思ったのは、
僕が音楽活動5年目ほどの時に感じた違和感と、その時に
「こんなことを教えてくれる先輩がたくさんいたらいいな」
「こんな仕組みがあったら、もっと活動しやすくなるな」
と思っていたことを形にしたいと思ったから。


まずは長崎で、
地元で活動するミュージシャンに寄り添うパートナーの様な企業体として、
旗をあげたいと思う。



地元で、自分に近いところで
音楽活動ができていることを沢山目の当たりにできたら、
「あ、僕も音楽活動始めてみようかな」
って思ってくれる人も増えると思うし、
そうやって夢を限りなく生み出せる人を作る会社として、
夢を限りなく生み出せる環境を作る会社として。

「夢限-MUGEN-」はそんな組織でありたい。



夢は、
いつからでも見れるものでありたい。
どんな人でも見れるものでありたい。

そのためにまずは自分が、精一杯夢を見たい。



#夢限

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