【あなたの言動、大丈夫ですか?】患者から【きらわているかもしれませんよ】
前回の記事に続き、今回もXでポストしたアンケート結果を基に「患者にきらわれる言動」について述べようと思います。
患者への接遇を高めるための、ヒントになれば幸いです。
アンケートの目的は患者の心理を理解し、接遇の精度を高めることでした。患者はしばしば本音を口に出さず、不満を抱えたままになりがちです。
そして、その不満を抱えたまま静かに去ってしまうことがあります。
このような事態を避け、患者の信頼と満足度を高めるためにXのアンケート結果から得られた情報を、私の経験(くわえて、当院を利用されている患者の意見)も含めて共有します。
本題に入る前に、私の簡単な自己紹介を。
では、本題へ。
患者にきらわれる言動を、投票数が少なかった順から解説。
自慢話が多い
全体の24.2%の方が投票しました。
約10年前、私は完全自費の接骨院に施術を受けに行った経験があります。
率直に言いますと、その経験は頚部を強く押された結果、施術直後に首が動かなくなるという不快なものでした。
施術を担当してくれたのは院長でした。
施術中、彼は次のような自慢話を熱心に披露してきました。
自分の高い技術力
経営に対する独自の考え方
雑誌に取材されたこと
施術直後、私は悪化した状態に直面しましたが、「次の予約があるのでここまで」と言われ、治療は終了しました。
私自身、同業者であるため、次の患者さんを優先することは理解できます。しかし、問診時(または施術中)に刺激の強さについて確認してもらえたら良かったと感じました。
自慢話の代わりに、施術中に患者の反応を注意深く観察し、不快感がないか確認するべきだと思います。
また、悪化を招いてしまい、対応が不十分だった場合、私なら謝罪の電話をかけるでしょう。
皆さんはこのような状況に直面した際、どのように対処されるでしょうか?
質問したことへの返答が理解できない
全体の18.6%の方が投票。
自分の院で患者から聞いた話ですが、かつて通っていた接骨院で「骨盤矯正を受けると、効果はどれくらい持続しますか?」と質問すると、次のような答えが返ってきたそうです。
「骨盤矯正は腰痛、肩こり、膝の痛みを改善するのに効果的で、お腹を温める働きもあります。」と。
皆さんもお気づきでしょうか?患者が尋ねた内容に対する適切な回答が得られていないのです。
※患者は施術の持続効果について尋ねたのに、施術者が答えたのは骨盤矯正の効果的な症状についてです。
私も過去に同業者との対話で、違和感を覚えたことがあります。
私「骨盤矯正で関節のアライメントを整えると不調が改善するのはなぜですか?」
同業者『そもそも骨盤は歪まないから。仙腸関節は~』
これも会話としては不適切ですよね?
「朝ご飯何食べた?」に対して「昨日は22時に寝た」という、まったく関係のない回答をしないように、日常的に質問に適切に答える習慣を身につけることが大切です。
※質問に対して独自の考えを述べるなら、聞かれたことに対して先ず回答をして、その後「だけど、実はこう考えている」と続けた方が相手は納得するのではないでしょうか。
プライベートなことを必要以上に聞いてくる
全体の24.2%の方が投票。
プライベートなことを尋ねる際には、事前に「正確な施術効果を高めるために~」「〇〇さんの体の状態を詳しく知るために~」などの前置きを行い、患者にプライベートな情報を質問することに対する同意を得ておくことが大切です。
私自身、過去に施術を受けに行った際、仕事内容や趣味、1日の過ごし方について尋ねられたことがありましたが、質問の目的が理解しづらく、話すことが疲れた経験があります。
特に不快だったのは、接骨院で働いていることを伝えた際に、初対面で以下のような質問を受けたことです。
来院人数
院の売上
私の給料
これはさすがに不快で、「それ、あんたに言う必要ないでしょう!」と怒りを表現しました。
口は禍の元と言います。
プライベートなことは患者から話をしてこない(施術に必要でない)限り、話題にしない方が吉と言えるでしょう。
ちょっと休憩【コメント欄について】
アンケートのポストにコメントをいただいたので、1つずつみていきましょう。
コメントいただいた皆様、ありがとうございます。
それにしても、施術者になって間もない頃、自分がやってしまっていた内容もあって赤面状態です笑
1番上の施術者が寝てるっていうのは、ウソと思われるかもしれませんが、結構聞くんです。
寝ながら施術するって、疲れ過ぎているのか、やる気がないのか…
どちらにせよ、施術者として問題ありです。
専門用語を使わないというのは、僕が意識している部分です。
一般の方に伝わる言葉を選び、どうしても専門用語を使う必要がある場合は言葉の意味を説明するように心がけています。
コメントに当てはまる施術者、結構いますね。
リラクゼーションで働いていたときのスタッフで、施術しながら「普段の生活で〇〇でしょ」「こうやって押されると△△に響くでしょ」ってお客さんに話してた人がいて、あんたの思い込みやろって思ってました笑
自分も施術者デビューして間もない頃、「痛くないですか?」は、よく聞いてましたね。
自分の手に自信がないから、聞いて確かめたくなるんです…
あの頃の施術を受けてもらったから、今がある。
その頃の患者さんには感謝しています。
【投票が最も多かった】なれなれしく、言葉遣いがなってない。
全体の33.1%の方が投票しました。
言葉遣いは患者対応だけでなく、関わる人全てに自分の印象をどう与えるかに影響するので、注意が必要です。
完璧な敬語を使えなくとも、最低限の礼儀正しい表現は身につけておいた方が自身の身を守ることに繋がるでしょう。
これまで利用した(勤務した)施術所では、若い施術者ほど「今日はどこがイタイっすか?」「昨日はツレと晩メシを食べに行ってました!」など、くだけた言葉を使う傾向が見受けられました。
個人的には、何度か施術を受けて、雑談ができる関係になると、くだけた話し方でも問題ありませんが、初心のときから言葉遣いが不適切だと、「この施術者は大丈夫かな?」と不安に感じます。
以前の職場では20代前半の施術者が、
飲み会のような雰囲気
自分のことばかり話す
友達と接するような態度
プライベートなことばかり聞く
という対応をして、多くのクレームが寄せられました。
施術者が若いだけで、不安を感じる患者さんもいます。
逆に、礼儀正しい言葉遣いは、若さを補ってプラスの印象に変えることができます。
現在の状況では、ChatGPTやGoogle Bardのようなツールを使えば、文章を修正してもらえます。
日常の患者対応で使う言葉を入力し、「敬語にしてください」と頼むだけで、AIが修正してくれます。
これだけの工夫で、患者に好意的に受け止められる可能性が高まります。
言葉遣いの指導を受けた経験のある方にお勧めの方法です。
また、徒弟制度を経験した先生の中には、「技術さえあれば、言葉遣いはどうでもいい!」と主張する方もおられます。
現代では施術所の競争が激化しており、患者を適切に扱わない施術所は成功しづらいと考えます。
己の技術に自惚れ、患者との対話を軽視する人ほど、自己陶酔的な人が多い印象です。
最後に:患者対応を見つめ直すきっかけとなれば幸いです。
以上、患者にイヤがられる言動についてまとめました。
もしかすると、気がついていないだけで無意識のうちにおこなってしまっている、言動が含まれていたかもしれません。
この記事が、患者に気持ち良く施術を受けてもらい、先生にまた会いたい(話をしたい)と思ってもらえるヒントになれば幸いです。
僕も患者に不快感を与えないよう、これまで以上に言動に注意したいと思います。
では、また次の記事でお会いしましょう。
Xでも定期的に情報を発信しているので、気軽にご覧いただけると幸いです。
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