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いま流行りの『サウナ展』のトレンドをまとめてみた

コロナが5類に移行され、コロナ以前の活気が戻ってきましたね。ゴールデンウィークはサウナ巡りにサ旅、サウナイベントと楽しいコンテンツが目白押しかと思います。昨今はサウナの新店開業が続き、世に言うサウナブームはとどまることを知りません。(最近のブームは凄いですねと人から言われることも増えましたが、なぜだかピンとこないという感覚もあります…)

そんな中、筆者は「サウナ催事」の事例をまとめるというタスクがあり、ひとり黙々とリサーチに取り組むという、実にインドアな過ごし方をしております。本日はこのサウナ催事まとめをnoteで公開させてください!

2020年のサウナ催事まとめ

さて表題の「サウナ催事」というのは、いわゆる百貨店や商業施設における催事のことを指しております。アウトドアや銭湯、温浴施設企画などのサウナイベントはリサーチ対象外となりますので、その点だけご注意を頂けたらと思います。サウナグッズの販促トレンドをお伝えするのが主になります。

昭和や平成までに遡れば、おそらくサウナスパ関連の催事は過去行われたのかもしれませんが、今回の記事は令和からのサウナトレンドを対象にしていますので、そちらにフォーカスできたらと思います。私の記憶が確かなら、2020年以前にサウナ催事が開催されたことは令和では存在しないはずです。

初めて催事のようなものが開催されたのは、2020年の『オンラインサウナバザール』でした。この時はコロナ真っ只中であり、かつ温浴施設に足を運ぶことができないため、オンラインで接点を持ち、サウナグッズを購入することで施設の応援をするという時期でもありました。しかしコロナを境にサウナブームに火が点き、翌年のリアルでのサウナ催事の事例へと繋がります。

2021年のサウナ催事まとめ

百貨店における催事スペースを活用した先進事例は、2021年3月に開催された『MITSUKOSHI SAUNA CLUB』が先駆けとなりました。こちらはテントサウナの展示のみならず、タナカカツキ氏やサウナ著名人がトークショーを行うなど、百貨店催事モデルにおける今後の礎となった事例でした。

振り返れば、温浴施設のグッズ化が進んだのは2020年が転機であり、少なくとも2019年の段階においては、温浴施設のロゴが入ったTシャツやタオル、さらにはサウナハットさえ、入手できる選択肢が限られていたのがコロナ以前の状況でした。しかしオンラインサウナバザールなどを契機にトレンドの変化が見られ、温浴施設が率先してグッズを製作するようになりました。

そんな中で商業施設における令和初の事例となったのが、2021年7月に開催された『全国サウナ物産展』でした。全国各地でこれだけのグッズが製作されているという事実に驚かされましたし、何より来場者がTシャツやハットなどでカゴを一杯にして、時には爆買いをしている姿が衝撃的でした。

そして2021年8月、大阪の梅田阪急百貨店にて『スークサウナー』の企画が開催されます。全国サウナ物産展の次は、なんと地方特化でのサウナ催事開催という事例がリリースされたことに驚きを隠せませんでした。地方の催事は2022年から本格的に拡散し、全国各地で行われるようになりました。

一方、当時の筆者は九州とサウナチームに所属しており、博多阪急百貨店の1階催事スペースを大胆にジャックする『わたしとサウナ』というプロジェクトが走り出しました。九州というローカルの地で、しかも女性がメインターゲットという攻め過ぎた企画に、「サウナグッズなんて本当に売れるのか…」という懸念を少なからず感じたことを、今でもよく覚えております。

しかし予想に反して結果は活況となる形で終わり、著名人のトークショーや熱波師によるパフォーマンス等で会場を盛り上げ、サウナガチャやテントサウナの展示なども大変好評でした。筆者も店頭で来場者の様子を見ていましたが、2022年におけるサウナ催事の飛躍と可能性を肌で感じていました。岩田屋本店で開催されていたサウナ催事とともに取材・記事化されています。

そして同時期に『サウナマルシェ』が錦糸町PARCOにて開催されておりました。こちらにおいてもテントサウナの展示と、当時としては先鋭的な、こだわりのあるサウナグッズのみに限定したラインナップが印象的でした。主催の方とは時折雑談をしたりもしますが、彼らの先見の明は目を見張るものがあり、彼らこそクリエイティブ集団と呼んでも差し支えないでしょう。

2022年のサウナ催事まとめ

2022年、いよいよサウナ催事が全国各地に急拡大していきます。このnoteも、2022年の事例をまとめることが主目的となってしまうほど、数多くの事例があってリサーチするのが大変でした…  もしもこちらの事例まとめで抜け漏れがあるのを発見された方は、ぜひお知らせいただけたらと思います。

2022年の冒頭を飾ったのは『伊勢丹サウナ館』でした。ついに百貨店最大手がサウナ催事をやり出したという展開でしたが、主催の方は2021年のかなり早い段階からこの企画を準備し、大手企業ならではの稟議の数々に悪戦苦闘し、それでも絶対に形にするということでやり抜かれたのがこちらの事例でした。サウナ物産展以前から、この企画を温めていたことがわかります。

続いて1月中旬に渋谷MODIで開催されたのが『北海道のサウナ展』です。こちらは北海道の放送局が主催となり、北海道特化のサウナグッズを取り扱っていたのが印象的でした。また、テントサウナやサウナガチャの設置はこの頃からスタンダードになり、サウナ催事の基本の型が確立していきます。

2022年2月には『サウナマルシェ vol.2』が渋谷ミヤシタパークで開催されます。この時、はじめて筆者はサウナブランドの出展側として参加し、サウナグッズの販促状況やどのブランドが売れていくのかなどのリアルを学ぶことができました。同時期には『Key to S POP UP STORE』が開催されるなど、2022年はプライベートのサウナブランドが台頭するという年になります。

2022年3月、サウナ大使タナカカツキ氏が手掛ける『サ展』が池袋PARCOで大々的に開催されました。4月には心斎橋PARCO、5月には福岡PARCOにて同内容のサウナ展が行われましたが、こちらはサウナグッズ販売というより、サウナクリエイティブの展示と体験に振り切った革新的な事例となりました。ととのいフォトスポットなど、参加者が楽しめる体験も印象的でした。

そしてサウナガチャもゼロから商品開発をするというこだわりようで、サウナガチャシーンは2021年末から『サウナキット』が販売されるようになりましたが、2023年現在でもサウナガチャの需要はとどまることを知りません。最近は駅ナカにもガチャが設置されており、日本人(+インバウンド)のお客さんに、ガチャガチャという文化が独自に根付いている印象があります。

同時期から『サ道 POP UP CARAVAN』がはじまり、こちらは博多マルイ、アミュプラザくまもと、サッポロファクトリー、神戸マルイ、丸井錦糸町、渋谷MODI、マルイシティ横浜に至るまで、大規模な全国展開となりました。タナカカツキ氏とサ道のコンテンツが本腰を入れて進出することで、サウナ展は日本各地で毎月、当たり前のように開催されるようになりました。

2022年4月には『サウナグラデーション』が横浜高島屋で開催され、全国のサウナTシャツが展示されるというコンテンツが目玉になりました。前述のサ展のように、もはやサウナグッズを販売するだけではなく、サウナの企画や体験も含めたコンテンツの展示が当たり前に行われるようになります。

同じく4月に渋谷スクランブルスクエアにて開催された『サウナ愛。展』では、熱波師によるアウフグース講習会やヴィヒタ作りのワークショップなど、やはりサウナグッズの販売だけにとどまらない、体験コンテンツの提供が目玉となりました。温浴施設とプライベートブランドとコラボレーションを行う事例なども出てくるようになり、更にトレンドが進化していきます。

このような事例の増加と多様化が目立つようになり、2022年5月には『サウナグッズストリートPOP-UP in OSAKA』が東急ハンズ梅田店で開催、2022年7月には『Key to S POP UP STORE』が再び渋谷PARCOで行われ、8月にはサウナハットに特化した『Sauna Hat10』が渋谷ヒカリエで開催されます。

そして2022年9月、『全国サウナ物産展』がパワーアップして登場。東急ハンズ新宿店のみならず、東急ハンズ梅田店、博多店においても開催され、サ展やサ道POP UP CARAVANのような多店舗展開がみられるようになりました。サウナモチーフによる顔ハメの多様化や、外国人モデルによる館内着ファッションショーまで行われ、体験コンテンツの拡大も目を引きました。

2022年10月は『スークサウナ vol.2』が梅田阪急百貨店で、2022年11月は『POP UP SENTO プチパルコ湯』が浦和PARCOで、2022年12月は『Sauna Goods Party』が上野マルイで開催されました。このように2022年は、毎月どこかでサウナ催事が行われるという、市場が急拡大した年になりました。

2023年もサウナ催事の勢いが止まらない

2022年で定番化したサウナ催事の流れは、2023年においてもとどまることを知りません。2023年初頭、前回から大幅に規模拡大し『伊勢丹サウナ館』が再び伊勢丹新宿店にて開催されました。売上も前年を大きく上回る成果だったとのことで、今後もサウナ催事の需要は増えていくことが見込まれます。

伊勢丹サウナ館では大変僭越ながら、筆者もトークショーに出演をいたしました。当日はドラマサ道プロデューサーであられる五箇公貴氏の新著企画にお邪魔したのですが、トークショー終了後に書籍が飛ぶように売れ、改めてサウナ催事のコンテンツパワーと需要の高さを感じるような出来事でした…

同時期には『サウナがあるライフスタイルウェア』が渋谷ロフトで、2023年2月には『サウナマルシェ』が大宮ルミネで、『わたしだってサウナに行きたい』が柏タカシマヤで開催されました。伊勢丹サウナ館もそうですが、バレルサウナなどの箱型サウナの展示事例が今年から目立つようになります。

2月末には『LOVEサウナ』が名古屋タカシマヤで開催されましたが、同じくバレルサウナが展示されていました。実は2022年下半期からバレルサウナの検索トレンドが急増しており、法人向けの展示会などでもバレルサウナの出展事例は増えまして、2023年もさらなるサウナ催事の進化が予想されます。

2023年3月には『サウナがある暮らし展』が博多マルイで、4月には『サウナ日和』が丸井今井札幌本店で、現在は『らぶ湯yokohama』が横浜高島屋で開催中です。もはや首都圏のものだけではないサウナ催事のトレンド、2023年はどのような事例が生まれるのか、これからも目が離せませんね。

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