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話すことがないのは娘も私も、テレビ解禁の日、炊飯器のスイッチは入れ忘れ、炊き立てご飯おいしー

昨夜は喋り続ける娘を放置して私は早めに横になって、眠れるかと思ったらなかなか眠れません。そうこうしているうちに娘が部屋から出てきて冷蔵庫を開けたりなんだり。うるせー。1時半頃ようやく就寝。日曜の夜はこれがあるからなあ。すんなり眠れないのは私も娘も似たようなものです。

娘がドスドス歩き回っている音で何度か目を覚ましました。

居間で娘が喋り始めたおかげで眠れなくなりました。何時だよ、6時だよ。

「パパが家にいる時は独り言喋らないで」

声をかけると居間のソファベッドの上の娘は驚いていました。喋ってるつもりないパターンです。妄想独り言というより寝言でしたか。

娘は布団を抱えて部屋に戻りました。

私ももう少しだけ寝よう。ああ、そういえば昨日の夜は米を研いでいなかった。今から研ぐか。面倒だ。

寝ました。

目覚ましの直前からまた娘が冷蔵庫を開ける音。ガン無視して目覚ましまで就寝。目覚ましが鳴ってもスヌーズで粘ります。

ダメだ、娘がやってきた。

「なんか食べたいの?」

「なんか食べたい」

そうですか。でもご飯炊いてないんだよ。どうしたものか。

「ワッフル食べる?」

「食べる」

レンチンしてグリル。お湯を沸かしてコーヒーも用意しました。

ワッフルにがっつく娘。コーヒーカップを機械のように口に運ぶ娘。

ものすごく苛つかせられます。

「なんか同じ動作を延々と繰り返すのやめて」

ついついそんなことを。言っても無駄なのに。

おや、今日の娘はいつもと反応が違います。なんなんだろうか。これはひょっとして、少しは話を聞いているのか。それならこれはどうだ。

「あのさあ、パパが家にいる時はひとりで妄想と対話するのやめてね」

「んあ」

「どうしても喋りたくなったらさあ、パパと喋りなよ。今なんか話したいことある?」

「ない」

「なんか話してよ」

「ワッフル美味しかった」

「美味しかった? よかった。レンチンしてグリルで温めると美味しいよね」

「カリッと温まってて美味しかった」

おおお、適当だけど娘が食べ物の感想とか言ってる。すごいよ、これはすごい。それならもしかして。

「テレビ見る?」

「見る」

もうだいぶしばらくテレビの電源も入れていません。リモコンを押してもスイッチが入りません。コンセントはささってる。主電源スイッチだな。ポチッ。

「テレビ、点いた」

娘のくちぶりだとどうやらテレビのリモコンは試したことがありそうです。そうか、主電源がオフだからつかなかったんだな。

朝のぬるい情報番組がやっていました。

「メガネかけてないけど見えるの?」

「見えない」

そう言いつつも娘は少し嬉しそう。ソファに座ってテレビの方を向いています。

思った通り、テレビを見ている時は喋っていない。

これ、色んなパターンが有り得ると思うのですが、娘の場合はテレビに語りかけたりテレビの感想を喋ったりは昔からありませんでした。なので、テレビを見ていると静かなのです。盲点でした。

おとなしくテレビの音だけ聞いている娘をそのままにスープジャー弁当を用意したりご飯を研いだり。娘の部屋からメガネを持ってきて手渡したりもしました。情報番組から「みんなのうた」にチャンネルが変わっていました。そのあとはやはりぬるい情報番組。お笑いの方々なのでしょうか、おっさんばかりが集まって食レポのようなことをやっています。

娘、うっすら幸せそう。

「昔からさあ、なにやってるかわからなくてもなんかみんなでわちゃわちゃやってるの見るの好きだったよね。学校でもそうだったんでしょ」

「んあ」

学校では輪に入れてもらえなかったことのほうが多かったはずですが、娘は皆が楽しそうなのを遠巻きに見るのが好き、というか、それ以外にどう関わっていいかがわからないというか。

「あのね、テレビの中のヒトが話しかけてきたり見られていたりとかってことはないからね。疲れたら見るのやめていいからね」

「んあ」

出勤。雨。寝不足で眠い。先月の数字確定。ものすごく良くはないけれど悪くはない数字。少なくとも昨年の数字はだいぶ上回っており、底は脱した感。とはいえ油断は禁物。

退勤。書店に寄って買いたい本があります。その前に何箇所かこういう日の客の入りを確認したいお店も。んー、やっぱり厳しいよなあ。

とか、そんな感じで歩いている最中に、炊飯器のスイッチを押し忘れていたことに気がつきました。朝、米を研いだのにスイッチを押していない。娘が気がついてスイッチを押すことはない。ということは腹を空かせているかもしれない。

急いで駅に向かいます。早く帰らねば。

まっすぐ帰宅。娘は起きていました。キッチンには空の低脂肪乳飲料紙パックがふたつ、空のピッチャーがふたつ。腹を空かせた娘が飲み干したのです。

「ごめんね〜、パパ今朝炊飯器のスイッチ押し忘れてたよ〜」

「んあ」

「気がついてた?」

「んあ」

ごめんね、本当に。

早炊きで炊けるのを待ちます。

「パパが出たあともテレビ見てたの?」

「見てたよ」

どのぐらい見ていたかはわかりません。落ち着いている様子。

ご飯が炊けました。

「梅干しとなめたけと納豆とふりかけとごま塩あるよ。納豆食べる?」

「納豆食べる」

納豆には切り干し大根を刻んで足しました。サラダの代わりにわかめ酢、味噌汁も。

「炊き立てご飯、おいしいね」

「んあ」

二人で2合半、食後に娘は風呂、体重は減っていました。ここ数日あんまり食べてなかったからなあ。今日はたくさん食べたけど、たまにはいいでしょう。

いただいたサポートは娘との暮らしに使わせていただきます。ありがとうございます。