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才能も運で決まる?『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は、現代で蔓延っている能力主義を否定するビジネス書です。
「新たな経済秩序で重要な項目:イノベーション・柔軟性・起業家精神・新たなスキルを身につける不断の意志」「何を手にできるかは、何を学べるかにかかっている」「能力主義の理想は不平等の解決ではなく不平等の正当化」など、能力主義の横暴を如実に解説しています。
特に「最も深刻な政治的分断:大学の学位を持っている人びとVS持っていない人びと」は、アメリカのトランプ関連・イギリスのEU離脱問題の理由が分かります。
大卒階級は「社会的地位の向上の約束」に関心があるのに対し、労働者階級は「国家の主権」「アイデンティティ」「威信の再主張」に関心があるという真逆の価値観だったからです。
分断された世界で生き抜くための哲学を身につけたいサラリーマンは、一度読んでみることを薦めます。

「成功は才能と努力の合成物」「労働=生計を立てる手段×社会的承認と評価の源」「政治的判断能力のために必要な共通善と、一流の学歴とのあいだには、ほとんど関係がない」などを通して、「なぜ負け組の自尊心が低いのか?」の疑問に答えてくれます。
特に「才能は、自分の手柄ではなく、運の問題」に衝撃を受けました。
「成功=才能×努力」ですが、評価される才能を持つことも運で決まり、努力を続けるにも遺伝子の運で決まるという特性があるからです。
前山も年間1,345冊の本(ビジネス書・マンガ・ラノベなどの書籍)を読む才能を持っていますが、ビジネス書はまだしもマンガやラノベを読むことは、ビジネスにまったく影響ない才能です。
才能に自尊心を打ち砕かれた方は、一度読んで能力主義を否定して自尊心の回復を図ってください。

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