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カウンセリングの境界線

私はキャリアコンサルタントであるとともに、産業カウンセラーとしても活動しています
今日はそちらの話を少ししようかと思います

キャリア面談していく中でクライエントのメンタルに向き合う機会が多いのと同時に、産業カウンセラーとしてメンタル不調者と面談していく中で、クライエントの生活基盤の改善に向けての情報提供ができるという、相互補完的な支援を可能にしてくれています

そんな活動の中で、常々気をつけているのはカウンセラーとしての守備範囲です

私は産業カウンセラーであって、公認心理師でもなければ精神保健福祉士でもありません
なので、医療としてのカウンセリングはしてはいけないことになっています

そこで重要になってくるのが、目の前の不調を訴えているクライエントが健常者なのか、あるいは病者なのか ということ
病者であれば医療機関への適切なリファー(照会)が必要となります

ここに問題が一つあり、仮に私が「この方は一度受診しほうが良いのだろうなぁ」と見立てても、本人が病院に行き医師に病者であると診断を受けなければ病者とはならないということです

そして当たり前ですが、病院に行くか行かないかは「自分が病的な状態である」と認識しているか否かによって決定されます

これを「病識(自らが病的な状態だと認識している)」と言います

もちろん本人は日常生活に何らかの支障をきたすのしているので「なんとかしたい」と思いは強くて面談に来られるのですが、本人が「私は病気ではない」または「辛いが病院に行く程じゃない」等と判断(病識がない)しているケースは多く見られます

また、病識はあるものの「精神科は敷居が高くて行けない」とか、「病院に行っても薬をくれるだけ」等、精神科への忌避感が強く、病院に行かないという判断をされる方もおられます

それでも私のところに自分自身の不調の解決策を求めて訪れるのです
さながら人生相談や占い師に相談するように です


私のことを少し書きます

詳しい話は省きますが、39歳の時に仕事のストレスから以下の症状に悩みました

夜寝れない(仕事のことが頭から離れない)
朝起きられない(朝の支度ができない)
食欲がない
生活する気力がわかない(風呂に入れない、掃除ができない、洗濯できない 等々)
仕事でミスを連発する
考えがまとまらない

しかし、最初は病識は全くありませんでした
ただ、自分が情けなく、自己嫌悪と自己否定とで一杯ゝでした

その後しばらくしてからようやく「これはおかしい」と思い駅前のメンタルクリニックに通院したところ、初診で抑うつ症状だと診断され精神安定剤と抑うつ剤を処方されました
そして会社を辞め、半年間自宅療養が続きましたが、それでも早めの受診だったようで半年ほどで求職活動ができるくらいには回復しました


こんな私の体験から改めて思うと、フィジカルの不調同様、メンタル不調に関しても一定の判断基準のもと受診をしたほうが良いと思うのです

例えば、発熱すれば内科に掛かりますし、打撲や捻挫なら外科に行きます
でも、精神や心理の場合、受診すべき典型症状というものが周知されていません

なので例えば、理由がわからない急な体重変動や毎日の不眠、知らないうちに涙が流れてる等の身体症状が出た場合、まずは心療内科とかメンタルクリニックに受診をしてほしいのです

そしてカウンセリングの場合、メンタル不調だから行くのではなく、メンタル不調にならないために行くという発想があっても良いのではないかと思います

言ってみれば、カウンセリングはパーソナル(メンタル)トレーナーとしてメンタルフィットネスです

こんな気持ちでキャリアコンサルやカウンセリングを受けていただけるとありがたいのですが、いかが思われますか?

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