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何事もない日々 と 退屈な毎日

退屈な毎日、何も変わらない日常、時々嫌になりませんか?
今日はその話を少ししようと思います

何事もなく過ぎていく日々、何も変わらない日常、と書くと毎日同じことの繰り返しで変化がなく刺激もない退屈なイメージですが、何事もないことを「無事」といいますよね
これは最近良く戦争や災害のニュースなどで聴く「有事」の逆ですね

なので、何事もない日常=無事なのは、本当は有り難い事なんだから感謝して過ごしなさい的な話になりがちですし、そのように理解している人も多いと思います

まぁ確かに戦争や災害が身近で起きていないことには感謝してますし、退屈するよりは災害でもあったほうが良いなんて思う人もいないでしょう

以前にも書きましたが、私は長年茶道を嗜んでいます

そして抹茶を自分で点てて一服する時、私が茶室の床の間にいつも掛けている掛け軸に「無事是吉祥(ぶじこれきっしょう)」という墨跡があります

私の習っている流派の茶席ではオーソドックスな掛け軸なのですが、これは仏教(臨済宗)の言葉で、ここでの「無事」とは有事がなくて平穏なこと、ではなく、どんな事が起こっても常に自分の心が「何事もなし」の心境だということだそうです

つまり、この軸の意味は「どんな事があっても何事もなし、と思える境地が喜ばしい」ことなのだそうです

これは強がって「ふん、なんてことないさ」と思いましょう、と言っているのではありません

たとえどんなにショックを受けても、怒りを覚えても、心の芯に普段と同じ平常心を持っていましょう、ということだと思います

分かり易く言えば「心頭滅却すれば火もまた涼し」なのでしょうが、そんなことはできるわけもありませんし、共感もできません

まぁ、そこまで強い心を持っているわけではない私は、
「辛い悲しい沢山あれど、飯を食わねば腹は減り 夜を徹すれば眠くなる、こりゃ目出度いな」と、勝手に読み替えて、自己暗示をかけるように毎日眺めています

それから、「退屈」という言葉も元々は仏教用語で、お坊さんが修行に疲れ果てて気持ちが沈んで気力が萎えてしゃがみこんでしまう、ということを表現した言葉だそうです

疲れ果てると何もする気力が湧かなくて、感情も平坦になり何も考えられなくなりますよね

つまり退屈な毎日、というのは差し迫った危機はないけれど、心が慢性的に疲れいて気力が萎えて動けなくなっている毎日、ということです

では、代わり映えしない毎日なのになぜ心が疲れてしまうのか、と不思議に思いませんか?

実は毎日が退屈でつまらないと感じているときは、「こんな毎日はつまらない」「なんかいいこと無いかな」「もっといきいきと暮らしたい」などという欲求不満を抱えていて、焦りや苛立ちの感情も抱えているのです

これは体は疲れて動けない状態ですが頭の中は不満や焦りや苛立ちで、ストレスフルの状態に近いのです
つまり体は動けない、でも気持ちは動かなきゃって焦っている、体と心がアンバランスな状態なのです

なので退屈を解消するために大事なことは、体と心のバランスを取ることです

趣味があれば趣味を、趣味がなければ旅行でも買い物でも散歩でも読書でも良いので、毎日やっていることを忘れて、何かに没頭するのです

何かに没頭すると体はともかく心に負荷がかかります

例えば旅行、
場所の選定や旅程の方法、交通機関の時刻や宿泊先の選定等、計画を立てることから旅行の準備や荷造り、日程調整等計画することに没頭すれば結構時間がかかります

例えば散歩、
ただ近所を歩くだけでなく、今日は天気が良いな、ここの家の生け垣の緑がきれいだ、今日は星が綺麗に見える等、周りを観察しても良いですし、自分の体の動きに注目して、足の裏や膝、背骨、首とかかる重さを感じながら、なんていかがでしょう

例えばマンガや小説、
これもただ読むのではなく、出てくるキャラクターに思い切り感情移入してなりきるとか、こんなストーリーだったらもっと面白いのにと、感想や批評を文章にして書いてみても良いでしょう

例えばお風呂、
日常生活の中でも、お風呂などは関連グッズも多く楽しみの要素がたくさんあります
アロマやマッサージ、半身浴や足湯等、楽しみ方も多岐に渡ります

どんなことでも良いのですが、大事なのは「面白そう」を動機に始めること
そうしていると、今までの楽しみに奥行きが感じられて、退屈だった毎日が少しは改善できるでしょう
すると、焦りや苛立ちから開放されて、知らないうちに体と心のバランスが取れるのです

大切なのは、認知の変容
そして認知を変容させるのには、周囲に対する観察と自身の行動が基本です

変化のない毎日に飽き飽きしている人や、自分はなんのためにシゴトをしてるんだろうなんて感じたならば、ダメ元だと思って少し試してみてはいかがでしょう

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