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貴方の中の誰か

朝、寝坊した
仕事で失敗した
上司を怒らせた
何気ない言葉で相手を傷つけた
ノルマが達成できなかった

そんなとき、真っ先に貴方を責めるのは誰でしょう?

それは、貴方の中から聞こえる「内なる声」

情けない
またやっちまった
何やってんだ
ほんっとバカみたい

そんな「内なる声」からの罵倒に、

昨日は残業で遅かったし
そんな事マニュアルに載っていなかったじゃないか
前回はこうやれって言ったのは上司だし
そんなつもりはなかったのに
あの客の契約さえ取れてれば

なんて言い訳をしても無駄
「内なる声」は速攻、反撃してくる

そんなの言い訳にもならない
失敗したのは事実だよな
上司に面と向かって言えるのかよ
それくらい配慮して当然だろ
結果が全てだよな

反撃されて、出てくるのはため息と自己嫌悪
だって、「内なる声」が自身を叱責してるんだから自己嫌悪になるのは当たり前ですよね

でも、本当は「内なる声=自分自身の声」ではないことをご存知でしたか?

だから、「自分を嫌悪する=自己嫌悪」と解釈しないで欲しいのです

では、貴方の中から聞こえる「内なる声」とは誰か?

それは、幼少期間に身近な人との接触の中で自身を守るために獲得した生活の知恵、あるいは貴方が社会生活する上で必要とされるノウハウを溜め込んだ社会規範、常識とも言います

本来であれば当然ですが、これは有益な知識なんです
社会で生きていく上でのルールやモラルなのですから
しかし、その有益な知識を獲得していく過程で、時として疑似人格が芽生えてしまいます
そしてその疑似人格が貴方を攻撃するのです

そんな貴方の中の疑似人格が貴方を攻撃してきた時、よーく心の耳を澄ましてみてください
最初は自分自身の越えのように聞こえますが、よくよく耳を澄ましてみると、だんだん心当たりのある声に変わってくるはずです

それは、貴方に社会規範や常識を躾けてきた人の声や姿ではないですか?

例えば母親、父親、年上の兄弟、祖父母、親戚、先生、等々

それは、社会規範や常識を知識として刷り込むと同時に、実行できなかった貴方を攻撃してきた人です

わかりますか? 貴方は社会に出ていくために必要な知識とともに、それが出来なかった時の罰までセットにして刷り込まれていたのです

うまく出来たら褒める、出来なかったり失敗したら叱る
よくある信賞必罰というやつです

もちろん自我も未熟で社会性の発達途上だった幼い貴方には、そうした方法が効果的だったことでしょう

しかし貴方は既に大人になり、社会性も十分に熟成しています
あとは失敗と成功の経験を積むことだけ

失敗からは、その原因となる自分の行動を分析して、対策を生活習慣や考え方に反映させる
成功からは、その達成感と充足感を十全に感じ取り、次のチャレンジへの糧とする

そんな大人になった今の貴方に、躾けと罰のセットは必要ありません
出来なかった事への罰は大人になったら必要ないんです

ただ、こうした刷り込みを解消するのは、自分ひとりではなかなか難しいのも現実です
運良く、学校の先生や社会人の先輩などから「刷り込みの上書き」をされた方以外で、自己啓発だけでこの刷り込みを解消するのは並大抵のことではありません

私の場合は、産業カウンセラー養成講座の実習の中で、気づかせてもらいました
そして、こんないらないセット刷り込みを解消できた時の開放感も実感できたのです

だからこそ私は自身の体験をもとに、自己嫌悪に苦しんでいる多くの人に対して、貴方を罰してくる「貴方の中の誰か」からの解放を支援したいと思いカウンセラーを始めました

こんな認知の変容をお手伝いするのが、私のライフワークの一つです

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