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好きなことを仕事にするために

昔から、特に若い方が離職するよくある理由の一つとして「好きなことを仕事にしようと思って入社したが、思っていたような仕事ができない」「好きなことを仕事にしようと思ったが、実際やってみるとイメージと違った」というのがあります

きょうはこの事についてお話したいと思います

朝起きて、身支度をして電車に急ぎ、仕事に励み疲れ果て、夕餉を取ればあとは寝るだけ

まさに毎日同じことの繰り返しですね、そしてこの中で一番長時間力を使うのが「仕事」です
この仕事がつまらない、なんて堪りませんよね

「適性がないのではないか」とか「なんか他に良い仕事はないか」なんてついつい考えてしまうのも自然なことだと思います

そのせいか、「好きなことを仕事にする」ことを目指しておられる方が時々お見えになります

でも、私の知っているなかでは「好きなことを仕事にしたい」人ばかりで、「好きなことを仕事にした」人には巡り合ったことがありせん

今でも「私は一人でコツコツやることが好きだから、IT技術者を目指します」とか、「私は人と接することや喜んでもらうことが好きだから、飲食店に勤めます」といって転職された方が、しばらくすると「やりたいことと違った」とか、「こんなはずじゃなかった」と言って再び転職相談にこられるケースもあります

では就職や転職が上手くいった方は?というと、「得意なことを仕事にした」人や「最初はそうでもなかったが、やっているうち仕事が楽しくなってきた」人ばかり

これって、なぜだかわかりますか?

私が思うにこれには主に2つ理由があると思います

1つは「好きなこと」が実は「やりたいこと」ではない、というケース

これは簡単に言うと音楽鑑賞やスポーツ観戦は好きでも、実際に楽器を演奏したり運動するのは億劫だ、という方です
これを「好きなこと」として職業選択してしまい失敗してしまう方 実は結構おられます

2つ目は、「やりたいこと」とは別に、「やりたくないこと」や「やりたいこと以外」を避けて通ろうとしている、という自分の気持ちに気づいていないケースです

例えば、一人でコツコツやるのが好きなだけでなく、手先が器用なら自動車整備工でも良いし、体力に自身があるなら造園業でも良いし、別にITでなくても良い訳です
にも関わらず、「IT技術者を目指してしまう」のは、なにか別の理由もあったはずです

それが、「コツコツやるのは好き」に加えて、「人とのコミュニケーションが苦手」や「肉体労働が嫌い」な自分に気づかないままIT技術者を目指してしまうと、無意識に好きなこと「だけ」を求めて、いざ実現した時に「思っていたのと違う」となってしまいがちです

しかし苦手なことをしっかり自覚できていれば、好きなことや嫌いなこと、得意なことや苦手なことにしっかり優先順位をつけて職業選択をし、結果として農業や林業、もしくは図書館の司書等を選択できるかもしれないのです

つまり、職業選択において「好き」の要素だけで選ぶのではなく、「得意」な要素や「苦手」な要素をよく自覚して、自分の志望を探して欲しいと思うのです

また、「人と接することが好き」な人の中には、接した人が貴方に友好的な人かそうでないか、あまり想定していない方がいます

人と接するということは、嫌な客の相手や馬の合わない同僚とのやり取りなど、多かれ少なかれイヤなコミュニケーションを取らざるを得ないと言う、いわゆる「感情労働」になりかねないということを、想定していないのではないでしょうか

どんな仕事にも言えることですが、人と関わることは避けては通れません

そして継続的であれ一過性であれ、人と人との間の関係性はそれぞれの人の感性によって解釈されます

つまり、自分は良かれと思った言動でも、相手の解釈によってはネガティブに捉えられかねないということです

なので、最低でもこちらの善意を悪意と捉える相手がいることも想定しておくことは必要でしょうし、相手がどう捉えようが動じない心構えに繋がることだと思います

更に、社会人としての成功に通じる「仕事を好きになる」とは、どういうことか

営業であっても契約・報告等事務仕事は不可欠だし、常に損益を頭の中で計算しながら折衝しなければなりませんし、経理であっても部署間のバランスを考慮しながら日々の社内営業や予算交渉が必要でしょう

同様に、農業や漁業であっても、料理人や医師、パイロットを含めて、あらゆる業種において、「これだけやってれば大丈夫」などという職種は無いと断じて良いと思います

つまり、業種職種が何であれ、主たる活動に違いがあるだけで、全ての職種には全てのビジネスの要素が多かれ少なかれ含まれているのです

なので、例えば、緻密なことが得意な人ならたとえ口は上手くなくとも、面談ごとの細かな記録をつけて相手のウィークポイントを把握することで、客先の窓口の信頼を勝ち得る営業職に成れますし、私が知っているトップセールスにこのタイプの方は何人もおみえです

また、私自身、かつて経理部に所属していましたが交渉事が好きだったため、当時問題視されていた営業の代金回収遅延に関する解決策として経理部による代金回収を企画し、自身が担当となって、デスクワークに飽きたら外に出て代金回収のために客先を回ってました
嫌なことや苦労も多かったですが、自己成長できた良い経験だったと今でも思います

このように、「私は集中力がある」「私は計算が早い」「想像力が豊かだ」等、「私は◯◯が得意」「私は◯◯が好き」を、より具体的に、より明確に自覚できれば今の仕事がどんな職種であっても、得意分野や好きなことにフォーカスして、そこを足がかりに好奇心を持って業務をこなすようにするとその他の業務への抵抗感も低減しますし、結果として活躍することができると信じています

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