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オッペンハイマーと原爆・水爆

今となっては映画で有名になっているけれど、小学生の頃に図書館で読んだ本でオッペンハイマーという名前は聞いたことがあるのを思い出した。

原爆を発明した人として映画から有名になってしまったが、ああいう人生を持っている人なのだなと分かる映画。

映画の内容に触れないようにして、科学的な見地から少し書いてみる。

タイトルの写真は、左からオッペンハイマー、クリストファー・ノーラン監督、アインシュタイン

爆弾の理論が面白くない人は次の線まで飛ばすとよい


原爆は原子爆弾、水爆は水素爆弾と覚えていた・・・違いは中学になるまでわからなかったが、当時の科学本 ブルーバックスによって、少しは違いが分かるようになった。ブルーバックスは私にとって興味ある本だったので文学はダメだったが、この手は少し読んだものだ。

その中で、”核融合への挑戦” がばかに面白くて今でもその時の知識が残っている。当時核融合が成功するのは50年後と言われていたのでもう実用化されていいような気もするが、10年たっても20年たっても30年たっても、実用化は50年後と言っている・・・ ようやく臨界点(投入するエネルギーと発生するエネルギーが同じになる)が出来るかどうかになってきた。

当時(50年前)の知識では1億度を1秒維持するのが目標で、レーザー式とトカマク式(磁気で封じ込める)が候補に上がっていた。今はトカマク型が有利の模様。その他ヘリカル式というのもあるらしい。当時には無かったので勉強はしてない。

原爆はウラン235を使って原子核を分裂する事でエネルギーを得る。世の中の原子力発電所ははこの原理で熱を発生して使っている。

水爆は、(重)水素と(3重)水素を使って核をくっつける(融合させる)事でエネルギーを得る。これは太陽がこの原理を使って熱を出してるので膨大なエネルギーなのだ。

原爆は起爆装置がウランにエネルギーを与えて核分裂を促進させるが、なんと水爆というのは水素の原子核を融合させるために、その周りに原爆を別に用意して起爆装置にしている・・・という途方もない方式なのだ。

今でこそそんな原理を知っているけれど、何も無しの所からあれを発明してしまうというのは相当な努力とエネルギーと頭の良さが必要とされる。映画はその辺を知っていると少し科学的内容が理解できる。おまけで水爆を発明した人も出てくる。


別の登場人物、アインシュタインという人は相対性理論を発明した人で有名だが、あの特徴のある顔は知っている人もいるだろう。(特殊)相対性理論というのは、原爆の発明以上に想像を絶する。光速に近くなると時間が遅くなる、重くなる。参ったな・・ 想像することすら出来ないぞ。誰かの映画感想で、"特別出演のアインシュタイン" という表現があって面白かった。
ちなみに、戦争のメリークリスマス (英語タイトル:Merry Christmas, Mr. Lawrence)でローレンスをやっていた人がアインシュタイン。

アカデミー賞の作品賞を取ったのだから面白いというか人気があるのは周知の事実として良いと思うので書くけれど、大変良く出来ているし個人的にも興味深い方向で面白い。少し落ち着いてからランキングするけど私のBEST20に入ってもおかしくないレベルだ。

時間軸の魔術師(と私は呼んでいる)クリストファー・ノーラン監督/制作 ならではの時間の使い方。3時間という長い映画になってしまったのは仕方がないレベルの密度の濃さがある。本当の話に基づいているのだろうけれど、政治的な力やサスペンス調になっているのもリアルでよろしい。

日本は被爆国なのでこんな映画はけしからん・・・という人はここから下は読まない方が交感神経を刺激しないで健康的に良いはずである。

よく出てくるのが、広島・長崎の悲惨な映像を載せるべきとか、被災国の惨状を表現しろとか言う人。これは映画なのでそんなのは 作る人の勝手で芸術的作品を関係ない人がどう作れと言う権利はない

戦争なのだから一般的に自分が勝つのは嬉しいし、負けるのは悔しい。日本が無条件降伏をした時にアメリがが喜んでいるのは普通の現象なので、それはそれで正しい。言わせてもらえば、宣戦布告しないで(伝わらなかったのも日本の責任)先に真珠湾攻撃をしたのは日本だからね・・・

正当化だと言いたい気持ちも分かるが、あれぐらいのインパクトを与えないと日本は諦めなかった・・というのは、なるほどとも思うしその方がお互い被害が少なかったというのも、計算式はわからんが一理あると思う。

京都は歴史があるのであそこは目標にしないというのも正しい、信長は焼いちゃったからねぇ・・・

とにかく、賛否両論ある中、世界的には賛が多いので世界的には良い映画、私もかなり良い映画という判断の立場。

あと推薦は IMAX の劇場で見る事。あの迫力とノーラン監督のIMAXこだわりを堪能出来ることだろう。

5月10日現在まだ上映しているから早く見るように


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