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【論文レビュー】キャリア・アダプタビリティとジョブ・クラフティングが職務パフォーマンスに与える影響とは?:Pala'langan & Satrya(2023)

本論文では、キャリア・アダプタビリティジョブ・クラフティング職務パフォーマンスにどのような影響を与えるのか、また心理的可用性(次の段落で説明します)を媒介した影響関係はあるのか、について検証しています。

Pala'langan, Y. A., & Satrya, A. (2023). The Effect of Job Crafting and Career Adaptability on Job Performance Mediated by Psychological Availability in Bank Papua. International Journal of Social Service and Research, 3(6), 1499-1508.

心理的可用性

心理的可用性という言葉はなかなか耳慣れないものだと思います。以前、この概念を扱った際にも触れましたが、「特定の瞬間に個人的に没頭するための身体・感情・心理面での資源を有する感覚」というような意味合いです。

論文要旨

まずキャリア・アダプタビリティと職務パフォーマンスの関係から見ていきます。両者は正の相関関係があることが明らかになっています。具体的には、直接的な影響関係とともに、心理的可用性を媒介した関節的な影響関係も検証されました。

次にジョブ・クラフティングからは職務パフォーマンスに負の相関関係があることが検証されたと結論づけています。

ジョブ・クラフティングの影響関係は要注意

この、ジョブ・クラフティングがパフォーマンスに負の影響を与えた、というのは先行研究とは異なる発見事実です。というのも、ジョブ・クラフティングのレビュー論文として有名なRudolph et al.(2017)では以下のように職務パフォーマンスと正の影響関係があると言われているのです。

Rudolph et al. (2017)

本論文での調査対象者は220名とやや少ないので、留意して見てみると良さそうです。

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