【徹底解説】キャリア構築理論とは何か?(14)再構築:Savickas(2013)
キャリア・カウンセリングに影響を与えるパラダイムをサビカス先生が解説する上で、construct、deconstruct、reconstruct、coconstruct、という4つの「construct」があり、前回はこの中のconstructとreconstructについてまとめました。今回は残りのうちの一つであるreconstruct(再構築)について、3つのポイントを扱います。
事実のつながりに着目せよ
人が直面する事実はあまりに複雑です。自分自身のことですら、なぜあの時にAをしてこの時にはBをしたのかを整合的に理解しているとは限らないでしょう。カウンセラーがクライエントの話を聴くのであればなおさらです。
つまり、表面に現れる事実を語る言葉だけではなく、その背後にある事実に関する認識と他の事実に関する認識とを擦り合わせながら、クライエントの人生やキャリア全体を形成するテーマを描き出せるように支援することがカウンセラーには求められます。
外化することの意義
ではどのようにキャリアやライフのテーマを描き出すようにできるのでしょうか。
キャリア構築インタビューによってクライエントがキャリアを構築するということは、個人が内的に抱えている問題としての内容を、公的な強みとして外化し、個人にとどまることなく社会へ貢献するというインパクトまで生み出すことにつながるとサビカス先生は解説しています。
聴くだけではない支援のあり方
こうした点を踏まえてサビカス先生は、カウンセラーはクライエントの声に耳を傾けるだけではなく、具体的な内容を示していくことにも意義があるとしています。
以前も少し述べましたが、サビカス先生は興味(interest)というものを重視しています。興味をクライエントが持つために、職業や趣味といったクライエント個人の外化したものが果たす役割は大きく、このような提示をカウンセラーが行うことが重要だとしているのでしょう。
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