前回は、キャリア適応戦略の中の適応資源に該当するキャリア・アダプタビリティの4つの下位次元について扱いました。もう少し俯瞰すると、アクター、エージェント、オーサー、という社会における役割におけるエージェントの説明として、キャリア適応戦略の4つの要因(適応準備、適応資源、適応反応、適応結果)をサビカス先生は前段で説明していました。今回は、適応準備、適応資源、適応反応、適応結果の関係性についてまとめます。
4つの要因の関係性
適応準備、適応資源、適応反応、適応結果はそれぞれどのような関係性になっているのでしょうか?サビカス先生はその関係性を一文で明瞭簡潔に説明してくれています。
意欲と能力と行動によって成果(アウトカム)を得るという関係性であることがわかります。この関係性について、フライト・アテンダントを例に説明してくれているのですが、長いのでここでは割愛します(他の箇所でも出てくるのですがサビカス先生は譬え話がお好きなようです)。
適応して何を目指すのか?
では、適応することによって私たちが目指しているゴールについて、サビカス先生はどのように説明しているのでしょうか?
ここでキーとなるのは個人的なニーズとゴールとを私たちは繋いでいるという考え方です。個人と社会との相互作用を述べながら、サビカス先生は、個人がニーズとゴールとを繋ぐとして個人による働きかけを重視しているとも読み取れます。
interest
個人のニーズという言葉をハイライトした上で、サビカス先生は「interest」という単語の原義を説明して深掘りしていきます。「adapt」に続いてここでもラテン語ではどういう意味だったのか、という点からの熱い記述です。
interestもinterestingも中学校で習う単語のためサラッとした理解になっていましたが、ここでのサビカス先生の分厚い解説によって理解を改めることになりました。個人と社会との関係性が述べられているとともに、そこにおける個人の働きかけについてここでもサビカス先生は重視していることが読み取れます。