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色の見え方が異なる世界で生きる【色覚異常】の息子

最近、次男に「色覚異常」の疑いが出てきて、簡易検査をしてみるとやはり区別のつきにくい色があるようでした。

我が家では私が絵を描くこともあって色に触れることが多く、息子に対してどのようなことができるのか、家族としての関わり方について色々と考えることがあったので書き記しておきたいと思います。


色覚異常の割合と遺伝の仕組み

まず、男性の20人に1人は色覚異常が見られるので割合的には結構高い。そして遺伝性で母親から受け継ぐX染色体に色覚異常の遺伝子があれば色覚異常になります。妻の祖父と妻の弟さんが色覚異常でした。

※引用:太平印刷株式会社:色弱者の遺伝の仕組みについて(画像リンク)

我が家のケースは左列の真ん中。妻が色覚異常遺伝子の保因者で、長男と長女に色覚異常がなく、次男が色弱という現状。また、この段階では長女が保因者である可能性がありますね。

割合で言うと女性の色覚異常遺伝子の保因者の割合は10人に1人

上記の遺伝の仕組みの図を見ると、この割合は納得。自分が思っている以上に色覚異常遺伝子を持っている方が多いということなのですね。

次男の色覚異常が疑われた経緯

冬になり外で遊ぶのが寒く、室内で風船を膨らませて遊んでいた時のこと。

我が家では子供たちの名前に「色」が入っているのですが、次男は自分の名前の色である「青い風船」を、長女は自分の好きな「ピンクの風船」を使って遊んでいました。

長女は自分の風船で遊んでいたところ、トイレから戻ってきた次男が「僕の風船使わないでよ」と言って、長女の風船を取り上げたのです。

長女は「私は自分のピンク色の風船使ってるよ!それ私のだよ」というと、次男は不思議そうな顔をして「そっか、間違えた!」と苦笑い。

その様子を見ていて、実は過去にもちょっと次男の目が悪いのではないかと疑ってた私が、二つの風船を並べて次男に色の違いを聞くとどうやらあまり見分けがつかないのかどちらが自分の風船か答えられない。

特に膨らませた風船は色が薄まる(ゴムが伸びるので膨らます前ほど色がハッキリしていない)ため、ほぼ見分けがつかないようでした。

他にも、長男とマインクラフト(ゲーム)をしているときに、生肉(明るい赤)と焼いた肉(茶色)の区別がつかないようで、時おり生肉を食べてしまうことがあり長男から「なんで生肉かじるの!(回復ゲージの回復量が少ないのでもったいない)」と指摘されていました。

今思えば、次男からするとどうしようもない事態だったわけで、風船の件も、ゲームの件も周囲から咎められたことをすごく申し訳なく感じてしまいました。

色覚異常を知ることで失敗を避けることができる

先天性色覚異常は現在では治療法がありません。

そのことについては私も息子も少なからずショックを受けましたが、知ることで避けられることも今後起きうるであろう問題への対処法もわかるので、早い段階で気づけたのは良かったと思います。

次男の中にもわかりやすい色があったり、本人なりの色の世界が広がっているようです。

今朝も長男と一緒にLEGOで遊んでいて、見分けのつきにくい色があると知った長男が手伝ってあげていたし、ゲームをやるときも長男なりのサポートができるようになるのであればもっと円滑に(喧嘩せず)遊べるのかなと。

我が家では名前に色があるだけに、色で持ち物を分けることが多かったのですが、色だけで判断することがないように今後は区別のつきやすい印を用意しようと思いました。

絵描きとして感じること

普段から仕事で絵を描く私は、子供たちの絵を見る機会が多いのですが、特に次男の色遣いが好きでした。

「このセンスはどこから来るのだろう?」

と思っていたのですが、合点がいったというか、本人の良いところとして褒めてきたのは良かったと思うと同時に、次男の見やすい色で表現するにはどういう色遣いがいいのかということを考えされられました。

現在、私はモノクロの線画をメインにしているので、息子にとっては見やすいのかな。線の間隔や太さの違いで濃淡を出す絵は、息子の目にどう映るのだろう、、そんなことを考えながら創作をしています。

息子は色のない世界に生きているのではなく、色の見え方の多様性の中で、彼に響くような絵を描けたら嬉しいなと思うようになりました。

そんな次男坊も卒園し、春から小学生。

卒園のアルバムには「大きくなったら絵を描く人になりたい」と描いてありました(嬉しい^^)


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