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どんべえ怪獣、現る〜シニア犬の徘徊問題〜

どんべえの介護が始まってから1か月が過ぎ、どんべえの状態も我々チームの状態もいろいろと変わってきました。

まず食欲の件ですが、「固形物を咀嚼して嚥下する」という健康な犬なら当たり前に出来ることが、おそらくもう出来なくなってしまったようです。

流動食のキドナとか、犬用ミルクや甘酒などはごくごくと飲んでいるので、食欲そのものがなくなったのではないと思うのですが、おそらく老化とか腎不全とかいろいろなことが重なり、「咀嚼する」という重労働が難しくなってきたのかもしれません。

こればっかりは仕方ないので、今はあさりの煮汁をあげたり、じゃがいもやさつまいも、にんじんなどを使ったスープをあげたり、ブッチという犬用ごはんを流動食と一緒にミキサーにかけ、完全に液体にしてから与えています。

そして、ここ2週間くらい我々を大いに悩ませているのが深夜の徘徊。以前から夜間に数回目が覚め、自分では立ち上がれないから大騒ぎして、慌てて起こすとサークル内をぐるぐる徘徊する、ということを延々と繰り返していたのですが(これを我々は「グル活」と呼んでいます)、このグル活が日に日に酷くなる一方。気づけばほとんど一睡もしないまま、ぶっ続けでグル活をするようになってしまったのです。

しかも鳴き声がまたすごいんだこれが…。

「ギャァアアアーー!!」「グオオオオーー!!」「ヒィイーー!!」

周りが寝静まった深夜から早朝にかけ、ひっきりなしにこんな声が響き渡ったら、そのうち虐待容疑で通報されるんじゃないかと本気で心配しています。

いや、正直どんべえに対してイライラすることも一回や二回ではなくなってきました。

連日睡眠を分断され、寝不足のままオムツを取り替えようとすると暴れ出し、床や洋服にオシッコを撒き散らされたこともしばしば。疲れてサークルに足を引っ掛けすっ転び、その勢いで自分が食べようと思ってローテーブルに置いていたヨーグルトを床にぶちまけたときは泣きたくなったし、30秒ごとに絶叫で起こされそれが延々と続くかと思ったら全てに絶望し、「このままどんべえと心中しようかな」とマジで思ったほど。

正直、ここ1週間は人生でもっとも辛い時期の一つに間違いなくなりました。


寝ている時は、天使なんだけどね……

こうなってくると昼間もぼーっとして、どこで何をしていても心休まるときがなくなり、何かしてても何となく後ろめたい気持ちを振り払えず。「あのときは死にそうな顔をしてたね」と人に言われたくらいなので、よっぽどこたえていたんでしょうね。

そんなわけで、我々も心身ともにとっくに限界となっていたので、ついにどんべえに「安定剤」を処方してもらうことにしました。

我々がもらってきたのは「ジアパゼム」という、人間でもてんかんや鬱などに使われる薬。血圧を下げるので腎臓や心臓への負担は避けられないのですが、先生と相談し「背に腹はかえられない」と。どんべえの前に我々が倒れるわけにはいかないので、まずは半錠を寝る前に飲ませてみることにしました。

先生からは、「安定剤は効く子と効かない子がいるので、あんまり過度な期待を持たないように」と釘を刺されていたのですが、実際に飲ませてみたら、な、なんと夜中に1度ぐずっただけで、オムツを替えたらすぐに寝てくれた!!

おかげで、私は実に1か月ぶりに6時間寝ることに成功したのでした……辛かった(泣)。ここまでよく頑張ったよ、俺たちもどんべえも。

そんなわけで、ジアパゼムを与えて今日で2日目なのですが、何か副作用的なものも今のところは特になく、昼間になったら相変わらず元気もりもりでグル活をしています。

まだ副作用に関しては経過観察中ですが。これでだいぶ介護地獄から救われそう。実際、取り憑かれていた悪霊を追い出した気分。ほんと睡眠は大事ですね。

どんべえ怪獣のギャースカ動画、是非観てもらいたいなとも思ったのですが、マジで虐待音声にしか聞こえないのでやめておきます(苦笑)

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