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『前庭疾患』について──16歳の柴犬の場合(その2)


犬用オムツのトライ&エラー

前回の記事で書いたとおり、2022年11月16日の夜にどんべえが前庭疾患を発症。翌日に病院で薬をもらい投薬治療・輸液による水分補給・流動食がスタートしました。

流動食は「キドナ」を水で溶き、シリンジで飲ませていたのですが、1週間経っても50グラム程度(犬が1日に必要なカロリーの半分くらい)しか口にすることができず、立ち上がることは出来ても歩けないので、そのまま床にオシッコをジャーッとしてしまう状態が続きました。

これまでのように、自分でトイレシーツまで行って用を足す、という行為が出来なくなってしまったのです。

そのため、ついにオムツを履かせることに。これがなかなか難しい。犬用のオムツは結構いい値段がするので、最初はYouTubeなどを参考にして、人間の赤ちゃん用のオムツにシッポのための穴を開けて履かせていました。が、やはり人間と犬とでは体の仕組みが違うため(当たり前だ)、どうしてもオシッコが外に漏れてしまう。

多少の出費は仕方ないと諦め、犬用のオムツを導入したのですが、それもなかなかうまくいかずに試行錯誤の連続。気づけば部屋の中は、オシッコの臭いとキドナ独特の甘ったるい匂いが入り混じり……。換毛期による抜け毛も始まり、洗面所の排水溝も詰まりやすくなるなど、一緒に暮らしているパートナーに対しての申し訳ない気持ちも日増しに強まっていきました。

ところで犬用のオムツは大きく分けて2つあります。一つは「サラシ」のように腰に巻くタイプ、もう一つはシッポ用の穴が空いていて、お尻を包み込むようにしてマジックテープで留めるタイプ。どちらも寝ている間に少し位置がズレただけでオシッコが漏れてしまうので、最終的にこの2種類のオムツを「両方使う」ことで落ち着きました。

犬用のオムツは高い上に、一度に2枚使わなければならないため出費はかなり痛いのですが致し方ない……。

前庭疾患が寛解した現在も、この2種類のオムツは必需品となりました。もはや「トイレシーツの上におしっこをする」という行為を忘れてしまったどんべえは、いつでもどこでもオムツの中で自由にオシッコ&ウンチをしています(笑)。

食欲はいつ、回復するのか?

さて食餌の方は、1週間経ってようやく犬用チュールを少しだけペロペロ舐められるようになりましたが、固形物を歯で噛み砕くなど夢のまた夢、という感じ。

せめて野菜の煮汁でも……と思って与えてみたり、大好物のサツマイモを犬用ミルクで捏ね、親指大のお団子にして口の中に放り込んでみたりしてみるのですが、なかなかうまくいきません。

体重も健康時は12キロあったのが9.6キロまで落ち、抱き上げると明らかに軽くなっていて愕然としました。

逆に言えば、10歳を超えても毎日たっぷり散歩をして筋肉をつけ、手作りご飯をモリモリ食べさせ栄養と水分をしっかり摂っていた「貯金」があったからこそ、前庭疾患を発症ししばらく食べられなくなってもまだ、この程度で済んでいたのかもしれません。

病気になってみて初めて思い知らされることですが、普段から運動と食事をしっかりさせておくことは本当に大切ですね。

ちなみにウンチは、前庭疾患を発症してから11日目の11月27日にようやく出ました。次が12月4日。発症してから18日目です。この頃になると、キドナとチュールに加え、「馬肉おやつ」や「さつまいもボーロ」なども食べられるようになってはいましたが、まだまだ本調子とはとてもいえません。


いつもの「手作りごはん」をブレンダーにかけてドロドロにして、大口径のシリンジであげてみたりもしましたが、ほんの少し口に含む程度でした。

当時の日記を読み返してみると、オシッコ問題と投薬の攻防戦、そのうえ食餌の試行錯誤でストレスMAXだったのが伺えます。

唯一、輸液の時間だけは穏やかな気持ちになれていたという……。どんべえの肌に、点滴針をプスッと刺すのは最初めちゃくちゃ緊張したのですが、慣れてくると意外に簡単。パートナーにどんべえを抱きかかえてもらい、輸液のスピードを調整しつつ15分くらいかけて水分補給。じっと大人しくしているどんべえを挟み、パートナーと語らうこの時間が1日の楽しみにもなっていました。

次回に続きます。

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