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令和5年宅建試験まとめ


著者プロフィール

地方国立大学文系(偏差値50程度)卒業後、上京し5年ほど地方公務員(公安系)として勤務。現在は転職し国家公務員の事務職として勤務しています。

宅建試験受験の志望動機

 親戚が不動産業を営んでおり、「資格はあって困るものでもないし、時間があるなら取ってみれば」と言われたのがきっかけです。具体的に宅建士の資格を活用する予定はありませんでした。また、合格者の平均勉強時間が300時間とそれほど長時間でもなく、働きながら無理なく合格できそうな難易度であったので思い切って受験しました。

記事を書く理由

 「宅建士勉強方法」は腐るほどネット上に記事、動画がありますが、玉石混合であまり参考にならない記事が多くある印象を受けています。また、一般の受験生にとって再現性が著しく低い勉強手法も数多く掲載されています。例えば「1週間で合格」、「100時間の勉強で余裕」の記事は元々超難関大卒業の法律系の資格を所持している人にしか参考になりません。
 私がこれから書く記事は、一般的な方を想定し、掲載しています。この記事を書いているのは現在10月末です。実際の合格発表は11月21日ですが、自己採点で令和5年度試験では40点で予想合格ライン(37~38点?)を超え、独学1発合格した可能性が高いため、記憶の新しいうちにフライングではあるものの、NOTEに残したいと思います。

○11月21日追記 合格点は36点のため合格していました。翌日に簡易書留で合格証書が送られてきます。 記事の信ぴょう性のために貼ります。

令和5年10月15日実施 自己採点結果

権利関係            9/14
宅建業法             17/20
法令上の制限         8/8
税その他      3/3
5問免除     3/5                 計40点

宅建試験の勉強時間

 私は約300時間。多くも少なくもない平均的な勉強時間ではないでしょうか。期間でいうと3か月ほどです。

使用した教材

【基本テキスト】みんなが欲しかった 宅建士の教科書 
【過去問題集】 みんなが欲しかった 宅建士の12年過去問題集
【予想問題集】 みんなが欲しかった 宅建士の直前予想問題集
        出る順宅建士 あたる!直前予想模試 LEC
        本試験をあてる!TAC直前予想模試
の計5冊です。

 基本テキストは勉強の初期から最終盤まで使うことになるので、書店に実際に足を運んで立ち読みをし、自分が見やすいと思うレイアウトや色使いのテキストを選べばよいと思います。どのテキストを使っても合格できるでしょう。自分はアマゾンのレビューの評価がよく、合格者の先輩方が多く使用していた、「みんなが欲しかった」を選びました。このテキストは分野別に3冊分割されてあり、勉強しやすかったです。
 また、当たり前ですがテキストは最新版を買いましょう。法改正に対応していないテキストをメルカリなどで安いという理由で購入してしまうと古い、間違った知識を覚えてしまうリスクがあります。ケチらず最新版を購入しましょう。
 過去問題集も「みんなが欲しかった」を使用しました。問題と解答が2冊に分割されていて使いやすかったです。ただ、「宅建試験ドットコム」(👈
クリックでサイトに飛びます)という無料のサイトで平成12年の過去問から解説付きで掲載されているので、1円でも節約をしたいのであれば必ずしも買う必要はないかなと思っています。このサイトは優秀で、分野別に1問1答でクイズを出題してもらったり、苦手な問題にチェックマークを入れあとで復習する、掲示板を使って解説を読んでも理解できない問題を質問する等、多彩な機能が無料で使えます。スマホでも使えるのでスキマ時間の勉強もばっちりです。
 予想問題集は3冊使用しました。他の受験生に比べ冊数が多い理由は3点。
①過去問だけでは統計問題、法改正に対応できないと思ったから
 宅建試験では統計問題が1問出題されます。過去問だけでは出題傾向が分かっても、統計の数字が古いので対応できません。また、法改正を加味した出題(民法、宅建業法)が予想問題集では掲載されているので、多くの法改正問題に触れたほうが明らかに有利だと思ったからです。
②今年に出題可能性が高い問題が凝縮されているから
 宅建業界のベテラン講師陣が大量の過去データの分析のもとに、予想問題を構成しています。過去問1回分勉強するより、予想問題1回分こなしたほうが本試験の点数に直結しやすいです。
③勉強のペースメーカーにしたかったから
 1週間に1回程度、時間を図り取り組むことで問題を解く順番や、時間の使い方を調整することはもちろん、自分が今の段階でどの分野が苦手であとどのくらい点数を取らなくてはいけないのかを把握するために使用していました。

分野別問題集は過去問と予想問題集で事足りると感じたため購入しませんでした。買ってしまうと勉強量が多くなり復習頻度が低くなりかえって効率が悪くなります。

宅建試験の勉強法

 よくテキストを一読して概要をつかんでから分野別問題集をこなすと様々なサイトで書かれていますが、自分は宅建試験のような範囲の狭いマークシート式の試験では勉強時間がもったいないので勉強初日から過去問に取り組みました。
過去問を解く→基本テキストの該当ページを読む→問題集にページをメモ
をひたすら繰り返しましょう。

インデックス活用

また、勉強初期タイミングでテキストに分野別のインデックスシールを貼るのをおすすめします。これを貼らないと該当箇所のページを開くまで時間がかかりストレスになります。おすすめのインデックスシールは保護フィルムが貼っているものです。フィルムのおかげで字がかすれず、ぼろぼろになりずらいです。このおかげで検索スピードが一気に上がり効率アップします。細かい工夫としてシールをハサミで2等分して使用していました。これにより単純に2倍の量のシールを貼ることができます。シールを貼りながら「ここはページ数が多いから大事そうだな」「この農地法ってところはページ数少ないから勉強楽そう」など全体像を掴んでいきます。

宅建テキストは捨ててしまったため、まったく別の教材になりますがやっていることは同じです。自分なりにシールに蛍光ペンで色付け、縦に貼る、横に貼る、右からに開いたとき、左からに開いたときページが開くようになるなど法則を作っていきましょう。

チェックリスト活用

 宅建試験では4つの肢から正解または誤っている肢を選択するのがほとんどです。そのため1本釣り(他の3つの選択肢の正誤が不明だがこの選択肢は絶対に誤っているor正しい)や消去法(他の3つの選択肢が確実に誤っている自信があるので、残りの個の肢は分からなかったが正解だろう)を使って問題を解くことができてしまいます。この2つの方法は試験最中だと有効な手法ですが、普段の勉強で使ってはいけません。全ての選択肢の正誤判定ができるようになるまで勉強をくりかえしましょう。具体的には自分は以下のような表を使って理解した選択肢(〇)、いまいちな選択肢(△)、分からない選択肢(×)を一覧で把握できるようにしていました。時間効率を考え△、×の選択肢を優先的に繰り返し学習し、〇の問題は直前期に忘れていないか確認する程度に留めていました。黄色のマーカーは試験前日にどうしても見ておきたい肢にマークしていました。


自作の理解度判定表。エクセルでも手書きでも自分が分かれば良し!上段に解いた日付と分からなかった肢の個数を書いてた。また正解率のパーセンテージ書き込み、確実に定着しているかを確認するようにしていた。


修正テープ活用

意図的に問題の難易度を上げる修正テープ勉強法を活用していました。
具体的には「次の記述のうち正しいものはどれか」という問題文が書かれていたら修正テープで「正しいものはどれか」の部分を消し、「次の記述のうち●●●●●●●●」としていました。これをしないと選択肢①番で「この①肢は絶対正しいから残りの選択肢は良くわからないけど間違った記述なんだろうな」と推測して、真剣に選択肢2、3、4を読まなくなってしまう現象が発生します。テープで隠しているおかげ?で全ての選択肢の正誤を判断しなくてはならず、かなり難易度は上がります。修正テープを引く作業量は多いものの、確実に実力アップにつながると考えたので私は過去問12年分の問題文章をテープで編集していました。


やってはいけない事

SNSやyoutubeの使い過ぎ
 
SNSでは「ケアレスミスで予想模試で47点しか取れなかった。実力不足をを痛感した、反省」、「集中力が続かず今日は10時間しか勉強できなかった」等、この手の書き込みをする人は、見ている人から「そんなことないです、すごいですよ!」と言われ待ちの承認欲求強めな人たちがほとんどです。基本自信がある人しかツイートしません。1人で独学していると他人が何をどれだけ現在勉強しているか気になる気持ちは分かります。ただ得られるものが非常に少なく、見るだけ時間の無駄なので「#宅建勉強」などで検索する必要はありません。淡々と自分の勉強を続けていきましょう。
 また、youtubeも自分が苦手な分野に絞って目的意識をもって解説動画を視聴するのは有意義だと思います。しかし、宅建系youtubeはサムネで「〇〇しないと落ちます」「〇〇楽々暗記法」「受験生が間違えがちな○○」など思わず、次々にクリックしたくなるように作りこまれています。自分の必要な解説動画だけ視聴し、終わったらさっさと自分の勉強に戻りましょう。
問題集やテキストの買いすぎ
 
過去問題を解いているとテキストには掲載されていない知識が出題されることが結構あります。そうなると「このテキストじゃだめだ、買い足すか」と思いがちですが、買う必要はありません。どのテキストを購入しても必ず掲載されていない知識問題が出てきます。点数調整のためです。その問題は受験生はほぼ解けず、差がつかないので気にする必要はありません。皆さんの目的は満点を取ることではなく、合格点をとることです。マニアックな知識はテキストの余白に軽くメモ程度をしておき、気にしないようにしましょう。合否には関係ありません。
 また、宅建youtubeや宅建ブログで「今なら無料で直前対策テキスト&問題プレゼント」など広告してきますが、基本いりません。宅建youtuberはあの手この手で教材を購入させようとしてきます。ですが手持ちの過去問集と予想問題集で合格点は十分とれます。問題集を増やしてしまうと周回するペースが落ち、知識を定着させることが難しくなってしまうので限られた問題集を信じましょう。
勉強を時間で区切ってしまう
 
勉強量で区切るべきです。机に座るのはぼーっとしてでもできます。自分はノルマをこなしたらすぐに休憩していました。勉強時間を自慢するのは無意味です。
勉強をしない日を作る
 いくら仕事、家事が忙しくても勉強する習慣をつけましょう。1日5問でもいいです。これは勉強への熱意を切らさないためです。また自分はスマホで暗記しなくてはいけない事項をボイスレコーダーアプリに吹き込み、家事中、通勤中、スーパーのレジ待ち中に聴いていました。また歯磨き中や食事中、風呂中もスマホで撮影したテキストを読んでいました。やろうと思えばいつでもどこでも勉強できます。スキマ時間を徹底的に活用していきましょう。

まとめ

 この記事を読んだ方に何か少しでも得るものがあれば幸いです。独学はさびしく、つらいものですが報われた時の達成感は非常に大きいです。ぜひ合格をつかみ取ってください。


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