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弾丸ソロ旅、やみくも古書店めぐり★ 千葉佐原〜埼玉深谷、栃木まで

私の旅に、観光情緒は無縁。

これまでも幾度か旅記事を出してきたが、ただただ寝台特急に乗ってみたり、行き当たりばったりでウロチョロしたい派なんである。

今回は、千葉の佐原にノープランで行ってきた。
佐原は利根川水運の中継基地として栄えた場所。江戸情緒溢れる町並みに期待大だ。

だが、ノープランな旅は何が起こるかわからない。

気の向くままに動いていたら、埼玉・栃木まで遠征する弾丸2泊3日旅になってしまった。

なんでこんなことになったのか──。
noteに記録しながらやみくもに動き回った旅を振り返りたい。

まず初日だが、佐原に行く前に匝瑳そうさ市の飯倉に立ち寄った。
思えばこれがドタバタの始まりである。

お目当てはクルクルという名の古書店。
マニアな友人に「仰天レベルの店を見つけた」と耳打ちされ、いつか行こうと狙っていたのだ。虎視眈々と。
目的地・佐原のある香取市と匝瑳そうさ市は隣接している。まさに好機が訪れた。

クルクルはその軽すぎるネーミングに似合わず、本当に仰天驚愕の店だった。
地方のロードサイド店、なかなかあなどれない。

クルクルのことは情報濃すぎのため別記事にするとして、ここがどれほど長閑のどかな場所だったか、写真をご覧あれ。
こんな場所に驚きの古書店が存在するのだ。


クルクル(匝瑳市の古書店)真裏の山と畑。
白いのは元気いっぱい走り回るお顔の黒いニワトリ
ロードサイド店とは思えない店内の棚作り。
漫画を始め、文学、郷土資料、
そして雑誌類の多さに感涙。
70年代少女漫画のなかよしやりぼん、
マーガレット、それに平凡なども充実!



顔の黒いニワトリにオサラバし、旅の本線に戻る。


飯倉・佐原間隣接市のためすぐに到着するかと高を括っていたが、JR総武線・成田線を乗り継ぐこと約2時間弱!

ぬかった……。佐原に到着したのはすでに夕方。

時間が惜しい。
小江戸の町、佐原を急ぎブラつこう。タッタタッタ

まるで時代劇の舞台みたいな小江戸の町


町歩きを堪能しながら夕食の店を物色する。古い家並みを生かしたフレンチやイタリアンのお店がオシャレで引き寄せられた。

こんな重厚な店構えのイタリアンが、お値段5千円アンダーのコースからも頂ける。意外にリーズナブル。

門をくぐるとこんな感じになっている。うわーここで食べたい!
でも他にもお店があるからぐるっと見学してみよう。

いろんなお店を見てひとりワイキャイし尽くして、足の向くまま裏通りも練り歩き、いつのまにやら表通りのCoCo壱番屋の前に来た。

私はアツアツのカレーが大好物だ。
そして冷めたカレーほど不味くて嫌いなものはない。

だから皆が言うところの「美味しいカレー屋さん」は実は苦手。どんなに味が美味しくても、大体、冷めたのが出てくるから。もしくはすぐに冷めちゃうから。

でもココイチだけは大丈夫。 

だって注文するときに、「舌が焼け付くくらい、地獄のアッツアツのカレーにしてください」とリクエストできるから。個別の鍋で作ってくれるココイチの最大メリットだ。ありがたや。

で、ステキなイタリアンもフレンチも振り切って、佐原に来てまでなぜかCoCo壱番屋に落ち着いた。私が食べたのはコレ。

アッツアツ、フーフー


パリパリチキンカレーにナストッピングだ。
この風貌に喜色満面!

カレーが冷めないよう、ルーとご飯と具は絶対に混ぜたりしない。
それぞれ個別に頬張る、シ★ア★ワ★セ。
ウンマウマウマと心の中で呟きながら、涼しい顔していただくのがハルカ流儀。
しかも急ぐ。冷めないうちに食べきるよう、けっこう急ぐ。
ふはふは ふはふは ウンマウマウマ★ 
ふーっ 


カレーを食べきってホテルに帰る道すがら、何やら気になる施設に遭遇する。

暗い夜道に煌々と輝く建物。佐原周辺は至って長閑のどかな地方の町だ。不夜城ビルが立ち並ぶなどとんでもない。だから目立つ。近づいてみると何やら文化会館の様相である。

遠慮無く入館すると、階上は図書館だった。いま21時。なんと22時に閉館するありがたき図書館だ!
勉強している高校生もチラホラいる。本の種類も多くてちょっと読み込んでしまいそう。



しかもこのSFラインナップ! 惚れるなぁ。
SF好きの方、ご覧いただいているだろうか。この趣味、このキュレーションは涙モノ。

古典ではお決まりのアシモフはじめハインラインヴォネガットで世界観を広げ、近年どころは『エンダーのゲーム』の横になんとギブスン配する憎らしさ。『ハローサマー、グッドバイ』テッド・チャンだよ。ブラッドベリも忘れてないね。

美味しいトコどり、まるでSF好き補完計画を匂わせる勧誘ラインナップではないか。
うわー佐原の図書館、大好きだ!


で、ここで千葉県近郊の古書店を紹介した本を読み漁り、ついでにググって私は居ても立ってもいられなくなったのである。

クルクルであれだけ感激したのだから、これは行かねばなるまいて。



そして翌日─。
ここから自分が一体どこにいるのかわからない移動をする。

図書館で見た古書店MAPに宝探しのごとくいざなわれてしまったからだ。

不肖タカミハルカ、地図が読めない女の代表選手である。だから目的地が遠いのか近いのかも全く気にせず出かけてしまった。

クルクルから佐原に2時間かけて移動したロスタイムについて、反省する気などサラサラなかった。このときは──。

翌日は、佐原からJR成田線で千葉に行くこと1時間
その近辺をJRを乗り換えてウロチョロウロチョロ、数件の古書店を巡り巡った。



問題は翌々日の最終日である。

どうしても行きたい古書店が2軒ある。乗換案内で目的駅を入れてみた。

ハハ、これ無謀な距離だな……と、よぎる気持ちを秒で封印。

どこへ行ったかだけ、まずは記そう。

1軒目はここだ。見るからに奇妙でそそられる。
お目当てはこの巨大お面を横手に進んだ先にある須方書店

望月古書店と須方書店の両看板が目に入る。

ああ、店内のこの雰囲気に酔いしれる。古書店イメージそのものだ。

国文学系、ごくごく普通の単行本系も多い中、ツウ好みなサブカルを意識した品揃えが目立っていた。ガロがずらっと並んで丸尾末広や花輪和一が周りを囲んでいるとかね。

大江健三郎の全集やハードカバーがドドンとあって、周りには村上春樹がドンドンドドン。影響を色濃く感じる関係で、自己肯定感大の強烈作家二人ザムライによる暑苦しいほどの圧の強さ。そんな感じが匂う趣味感満載の棚づくり。

十分楽しいんだけど意外性はなかったな。それと全体的に本があまりきれいではない。もう少しビニールがけして状態を守ってほしいと思いつつも、棚の陳列に惹かれてしまう。とにかく存分に楽しんだ。しかも3冊、買ってしまった。

そんなことより私は今、何県にいるのだろうか……。


佐原からまさかの東京を経由して、ここ深谷まで3時間強の移動をした。
この旅の出発地点東京なのに‥‥。

深谷は埼玉県である。千葉から近いと思っていたら、ほとんど群馬よりだった。
ここでなぜ佐原を拠点にしているかという、根本的な自己問題は敢えてスルー。



欲望を前に、私は本当に懲りないのである。

深谷の次に行きたい最終日2軒目の書店は、栃木県の野木にある。
乗換案内での所要時間は約1時間半3時間強で移動したことを思えば大したことない。
どうせ列車の中は読書タイムなのだから。

そこまでして行きたかったのがワニワニ堂だ。
そこまでして行くべきだったか、今考えると微妙ではあるけれど。

ワニワニ堂は駄菓子屋と古本屋が合体した店。じいちゃんが出迎えてくれるほっこりした店である。

足の踏み場がないほどに、棚の前に積みに積まれた漫画の山、山、山。
この感じ、昨日、千葉市界隈で見た古本屋とどこか似ていた。

買取漫画が床にうずたかく積み上げられて動きがとれない
だけでなく、どこもじいちゃんかばあちゃんが店番している。

昨日、ばあちゃんが店番していた千葉市内の住居一帯型古本屋では、奥の方から「お風呂が沸きました♪」給湯器の自動音声が聞こえてきた。
そして私が店を出るや否や、シャッターが閉められた。そのとき、まだ4時。
ばあちゃんはきっと、閉店時間待ちきれずにお風呂入ったんだろうな。


本はすべて1グラム1円&1円50銭
これは高いのか安いのか!?



さてここワニワニ堂も決して広くない店内に、本が溢れているのは言うに及ばず。乱雑だけど、ちゃんと作家ごとに整理されている。

ところが村上春樹のコーナーにあったのは、ほとんど村上龍だった。あるいはハルキ、売れたあとか。

薄汚れが気にはなるわな


気がつけばもうすぐ夕方5時。
栃木県下都賀郡野木町にて、お目当ての古書店は全て廻った。

これにて御免。


帰りのJR宇都宮線にてウトウトしながらの所感
(野木→東京直通 1時間ちょい)

欲望のまま動き回ったせいで無駄の多い2泊3日ではあったけど、大満足の東京近県弾丸旅だった。
いや、正直なところ疲労困憊……。
やっぱり反省事項かな。


あとがき

今回購入の古書。
クルクル須方書店で購入。
古書店では雑誌、
考察本探しはマスト!



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