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【台湾取材】 投票率7割を超えるのはなぜ?

台湾の選挙を取材しにきました。台湾の投票率は7割を超えます。台湾の選挙は、期日前投票や不在者投票がないんです。「ヨーロッパに留学中だけど帰国しました」という若者とも出会いました。選挙期間中、戸籍のある地元に帰ってくる人がたくさんいる。

今回の取材は主に、若者の声を中心に聞き、若者団体を束ねている連盟や、気候変動活動、LGBTの活動、若者の政治参加を促す活動、生理の貧困に取り組む団体などを取材しました。若者の政治参加が盛んな背景には何があるのかを探りたいと考えきました。

また、日本にどのような影響があるのか、台湾の防衛シンクタンク、ファクトチェックセンター、民進党国民党の各陣営、街の声、大学や高校の若者の声なども取材。今回は19箇所を取材しました。随時YouTubeなどにアップしていきます。

選挙がフェスみたいでとにかくすごくて、集会に10万人くるみたいなことが連日あって驚いたし、選挙の開票速報をみんなで見守って最後に紙吹雪がどかんと放たれる様子とかちょっとかっこよすぎましたね。

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 なぜ選挙に行くのか、街頭でたくさんの若者に話を聞きました。それは「民主主義が当たり前ではない」という危機感からくるものだと分かりました。「香港を見て、台湾がいつそのようになってもおかしくないと思った」「日本とは違い、中国との関係という緊張感が常にあるから」「民主化を進めてきた歴史がある。先人が勝ち取ってきたその権利を生かさねばならない」そらのような声が聞こえてきました。政治に関心を持ち続けなければならない環境にあることを感じました。

台湾では、市民運動も盛んだ。原発の新増設に反対し、20万人がデモに参加したり、中国との貿易協定を巡り学生中心となり、立法院を占拠する「ひまわり運動」をしたり、さまざまなデモや署名活動、陳情が行われている。そのような運動がおこると、政治も変わる。なぜなら、政治家側にもそのような市民運動の経験者が多いからだ。民主主義は当たり前ではない。そして、行動をおこさなかったら社会は変わらない。だから、行動をして社会を変える。そのような回答を話をしてくれる人が多かった。

 台湾には、若者の声を反映させる仕組みもたくさんある。オードリー・タンが進めたデジタル民主主義。インターネット上に市民が声をあげ、5千人以上の賛同が集まったものは、必ず検討しなくてはいけない。この制度をもとに、当時高校1年生だった子の提案から、プラスチックストローが法律で禁止された。

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 2011年に児童および青少年権益を保障する法律ができ、青少年のことを決める際は、青少年が参加することが法律で決められた。そこから、政府の会議にも多くの若者が参加しているという。そのような経験が社会を変えられると子どもたちに感じさせているようだ。台湾は国連に加盟していないが、2014年に、国連で制定された「こどもの権利条約」を国内で取り入れるルールができ、そこから学校で子どもたちの声を聞く際に、こどもたちが必ず会議に参加するようなルールができたそう。日本でも、学校の中でこどもたちの声を聞くことが仕組み化されたら変わるのではないか。

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 また、市民団体や若者団体の多くは、財源を寄付で賄っていた。コンビニに設置された募金箱はさまざまな若者団体へ分配されるようになっていた。このような寄付文化も若者の民主主義や市民活動を支える大きな役割の一つのようだ。日本では、若者団体が資金難から就職を機に活動をストップしてしまうことがよくある。日本の寄付ランキングは世界で103位とイギリスの財団が発表したこともある。民主主義は一人で作るものではない。選挙に行くだけではなく、民主主義社会の構成員の一人だと自覚し、さまざまな市民運動に参加することが大切だなと思いました。


台湾有事について、政府が作った防衛のシンクタンクを取材した動画です。こちらは日本語なのですぐにアップできました!

https://youtu.be/mt1vE0fZfx4?si=8b04kc_CNU2iTIIH

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