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群馬県の18歳の投票率が8%上昇しました。

主権者教育を全国規模で行う唯一の会社“笑下村塾”

今から7年前、18歳選挙権が導入された。22歳の私は、若者の投票率をあげて、若者の政治参加を促したいと考えていた。

お笑い芸人だった私は、「笑いで世直し」を理念に掲げ、株式会社笑下村塾を設立した。

今までは、「政治」と「教育」というお金になりにくい分野で四苦八苦しながら、クラウドファンディングなどを活用し、いろんな人たちに支えてもらい活動してきた。他の主権者教育の団体は、出張授業はお金にならないからと撤退していった。主権者教育を全国規模で行う団体は、気づくと私たち笑下村塾だけになっていた。

きっかけはYouTube

そんな中、今年から群馬県とタッグを組むことが決まった。群馬県内すべての高校への実施を目指し出張授業を届けるプロジェクト「笑える!政治教育ショーin群馬」のスタートだ。

https://www.shoukasonjuku.com/seijikyouiku-gunma

きっかけは、山本一太知事からの電話。「YouTubeを見ました。主権者教育に力を入れていきたいから力を貸してほしい」という内容だった。それからすぐに、群馬県庁に行って意見交換した。人口が減少している群馬県では今の群馬を変えるための人材育成が欠かせないこと、そのために、自ら考え、新しい領域で動き出す力を持つ「始動人」を育成したいという話だった。私たち笑下村塾も社会課題を解決する変革者を作りたいと考えてきた。目指す未来は同じということで、今回はタッグを組ませて頂いた。

投票率が8%上昇

群馬県内の若者の政治参加を少しずつ動かし、5年ぐらいかけて結果を出そう。そんな風に考えていた私にとって驚きの連絡があった。

なんと、群馬県内の18歳の投票率が8%も上昇した。参議院選挙の18歳の投票率は、35.22% から43.16%になった。全国平均と比べても18歳、19歳はそれぞれ4%以上増加した。

(画像:群馬県第18回定例記者会見より)

今年度は高校3年生を対象に、参院選の時期に集中して4月から7月10日までの約3ヶ月間で県内全79校のうち49校、約9800人の生徒に対して授業を行った。

もちろん私たちだけの力ではなく、学校の先生や県の選挙管理委員会の取り組みなどさまざまなものが複合してでた形ではあると思うが、こんなに早く結果が出て、大変嬉しい。

また、今回は、専門家を入れた効果検証も実施している。主権者教育といえば事例集にとどまることが多いが、計量分析の手法を取り入れることができた。どのようなタイミングでの実施がより効果的かなど、徹底的な見直しと改善を図り、ブラッシュアップしたい。

笑いで敷居を下げる

私たち笑下村塾の授業では、お笑い芸人が先生となり、進行する。事務所の垣根をこえ、総勢48組のお笑い芸人、著名人に出演して頂いた。

若い人のためならと、みなさんお忙しい中でもスケジュールを調整して出てくださるなど協力的で、大変ありがたかった。

https://youtu.be/hGasik4Jse4

政治は知識がある人しか話してはいけないという空気が社会に蔓延している。その敷居を下げることも、この授業の大きな目的のひとつだ。

難しい言葉をできる限り使わないようにしており、「3分で分かる民主主義」では、高速パワポ芸で子どもたちを飽きさせないようにしている。

また、普通の授業ではテーマに沿ってディスカッションをすると思うが、それだと知識がある子しかしゃべりにくい。そこで、話し合い参加の敷居を下げるために、「人狼ゲーム」を用いた「悪い政治家を見抜く人狼ゲーム」を行っている。人狼ゲームは、理屈でやる人、直感でやる人の大体2パターンに分かれる。これは選挙にも通じる。政策で選ぶ人、人柄で選ぶ人。選挙でどうやって人を選ぶか?というのが体験的に学べる。知識がない子どもも、「@@ちゃん、今のなんか怪しい」と直感で気軽に話すことができる。

そして、お笑いのネタ選びは観客によって変えているという話もする。先日ものまねタレントの山本高広さんを授業に招いた。坂上忍さんのものまねをすると、高校生たちは大盛り上がり。でもその後、いかりや長介さんのものまねをすると、笑いの量が減った。観客が高齢だったら盛り上がったはず。

これは政治家も似ている。票を入れてくれる相手を見て、政策を考えている面がある。だから、若い人たちが投票に行かないと、国のお金を教育費にたくさん回してもらえなくなるかもしれないという話をする。

実際に、各世代別の人口と投票率から、世代ごとの影響力を数値で示した「逆転投票シミュレーションゲーム」で体感してもらっている。

社会を変える宣言

また、社会を変える方法として、たくさんの方法があることを伝えるための、「社会を変える宣言」を行っている。私は、日本の主権者教育をアップデートするために、ヨーロッパの主権者教育を取材している。日本は社会を変えられるという意識が他の先進国と比べても低い。日本財団が行った6カ国の18歳を対象とした調査では、「自分で社会を変えられると思う」若者は26.9%で、最下位だった。私が取材したイギリスでは、制服を変える、休憩の時間を変えるなど、学校のルールを変えた成功体験をもっている子が多かった。そして、そのような成功体験が、自分には社会を変える力があるという意識や、選挙に行って、自分の力で社会を動かそうという考えに繋がっていると思った。

だからこそ、「社会を変える宣言」をしてもらっている。これは自ら行動をし社会変革をする始動人の育成にも繋がると考えている。

授業内では、ブラック校則がおかしいと思い訴訟をしたケースや、英検が値上げしたことに反対して署名運動を始めた高校生などを紹介している。

署名、SNSの投稿、メディアに投書、政治家に話しにいく、選挙に行く、選挙に出るなど社会を変える方法があることを伝える。

「自分の手で社会を変えるためには、立候補すればいいのかと気づけた。議員になりたい」と話す子もいた。

「議員になる」「署名をする」など、一つ一つの手段は知っていても、それらが自分達の困りごとを解決できるという実感が湧きにくい。だからこそ、授業のワークでは、日常のモヤモヤを自分達の手で変えられる可能性があるということを伝えている。

授業では、「自転車通学だが、道が舗装されておらず何度もパンクしているので市議会の議員さんに話を聞いてもらいたい」「ツーブロック禁止という校則があるが、特に過激とは思わないし、メジャーな髪型だと思うので、学校で話し合いを設けたい」「エアコンがなくて暑く、授業に集中できないので、メディアに連絡してこの問題を取り上げてもらいたい」「電車の本数が少なく困っているので政治家に直接話に行きたい」「部活の休みがなく、体調を崩す友人も多いので、メディアに報道してもらいたい」などと話す声があがった。

群馬県では、投票率という形で結果が出始めたが、これから、このような子どもたちの主体性により、社会がどんどん変わっていくと嬉しい。
授業や県内でこのプロジェクトを始めたことを知った高校生から多数連絡をもらっている。

知事と11月頃に、高校生の声を聞いてもらう場も用意した。若者の声が政治に届き、そこから変わること、変えられるんだということを知ってもらいたい。県内の子どもたちで、そのような場に出席したいという方がいたら、連絡してほしい。

infotaka7@gmail.com
笑下村塾

困っている自治体、先生はご連絡を

 「公共」が導入され、主権者教育をどうしようか迷っている先生、笑下村塾まで連絡ください。生徒さんからも、連絡をもらうことがあるので、よろしければ、授業をやってほしいという方、生徒の方でも保護者の方でもかまいませんのでご連絡ください。

 また私たちは主権者教育以外にもSDGsや平和学習、コミュニケーションスキル、キャリア教育など様々な授業を行っているので、コラボしたいという方がいましたら是非下記までお気軽にご連絡をお願いします。自治体の課題解決のための教育など、ぜひ連携させてください。

infotaka7@gmail.com

笑下村塾は“唯一の主権者教育の団体”として、日本の主権者教育をどうするべきなのか。海外のいいところを輸入したいと考え、私は一年間イギリスを拠点に、フランス、ドイツ、スウェーデンなどの取材をする予定です。現在は、若者の投票率が8割を超え、大きな選挙を控えるスウェーデンの学校や主権者教育を取材しています。

よろしければ、取材の経費をご支援いただけると幸いです。
https://www.takamatsunana.com/support

私はいろんな形でメディアに出ていますが、私の専門は「主権者教育」です。主権者教育についてもっと発信したいですし、取材記事などを書かせてもらえるweb媒体なども探しているのでコラボさせてほしいです。

日本の主権者教育をアップデートし、若者の政治参加を促したいと思いますので応援をお願い致します。

株式会社笑下村塾
https://www.shoukasonjuku.com/


基本的にすべての記事は無料でご覧いただけます。もし有益だと思っていただけたらサポートいただけますと幸いです。「笑いで世直し」するための活動費(イベント代、取材費等)として大切に使わせていただきます。