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【炎上を受けて】年金の「みなさんからの声」にお答えします
⚫️なぜ炎上したのか
日経新聞が2025年1月16日 (電子版で)「高所得者の厚生年金保険料上げ、27年9月から 厚労省案」と報じ、話題となりました。私は厚生労働省の年金部会の審議会の委員をしているので、議論の透明性を高めようと審議会の内容を発信しました。私が改革案に賛成をしたことに対して大きく批判が集まり炎上しました。
⚫️なぜ発信をしたのか
議論の透明性を高めたいと情報を提供しました。「批判が集まるだろうな」と思いながらも、覚悟の上で行動しました。そして実際に炎上しました。
でも、審議会の委員を引き受けることは、大きな責任を負うことを理解していますし、これは歴史に記録され、批判され、検証されるべきだと考えています。
⚫️皆さんの声
不満が高まっているのは「手取りが減る」という部分だと思います。たとえ高所得者であっても、子育てをしていると家計に余裕がないと感じる方も多いと思います。所得制限があって「なんで私たちはこんなにお金を取られて、他の人を助けているのに、自分たちは助けてもらえないの?」という気持ちを抱えている方も多いと思います。それはとてもよく分かります。
実際にデータを見ても、「子育てにお金がかかりすぎて子どもが欲しくても持てない」方が多くいることが分かっています。その多くは、年金制度というよりは、教育費や児童手当、育休制度などの課題だと思います。個人的には教育費を無償化したり、所得制限をなくしたり、こどもを持てば持つほど税率などの負担率を軽減したりすることが必要だと考えています。教育のことをライフワークにしているので、教育の優先順位が低いことに憤りを感じていて、そのプライオリティを高めるように政治家に陳情したり、これまでも専門である主権者教育を実践したり、教員の働き方改革の取材活動をしたりしてきました。
私は年金制度を議論する年金部会においても、希望する方が子どもを持てるようにするためできることはやるべきと主張し、政府提案の乳児期の国民年金保険料の免除制度の創設などに賛成してきました。また年金部会で、子育て政策についてもっと議論する場を設けた方がいいのではないかと提案しました。力不足で申し訳ないですが、年金部会でも子育て政策とセットで議論するべきなど、こういう声を応援していただけたら嬉しいです。
また、世代間での不公平感や格差についても心配される気持ちはよくわかります。少子高齢化が進む中で、「自分たちはたくさん払っているのに、自分たちが年金をもらう頃にはどうなるかわからない」と感じる方も多いでしょう。実は、私自身も同じように不安を感じていました。
しかし、5年に一度行われている「財政検証」という調査があります。これは、経済が好調な場合や不調な場合、少子化や人口動態の推移をもとに、将来の年金受給額を試算するものです。この試算結果を見たところ、私が予想していたほど悪い状況ではなかったんです。だから、将来年金が破綻することはないと思っていますし、将来年金額が今の人より大幅に減ること、世代間格差も私が予想していたより低いと思いました。
こうした背景を踏まえながら、今回の制度改正の意図や背景、みなさんの批判に対して私がどう思うかお答えしていきたいと思います。
⚫️炎上した論点
まず、年金には、全員が入る国民年金と会社員らが入る厚生年金があります。厚生年金は人によって払う金額が違います。お給料の18.3%を社会保険料として納めます。この18.3%のうち、半分は会社側、半分は労働者本人で払います。(労使折半)そして、年金を受け取るときには、現役時代に給料が高く、支払ってきた保険料が多い人ほど、高い年金を受け取る仕組みになっています。
ただし、高所得者の人は、お給料全体の18.3%を納める訳ではありません。ざっくりいうと、「月給」が65万円までが保険料の対象で、上限の65万円を超えた分の月給に対する保険料率は0%となり、納める必要はありません(なお、「賞与」は1回150万円までが保険料の対象です)。上限を設けてきたのには理由があります。支払った保険料は将来受け取れる年金額とリンクしているため、上限の金額が高すぎると、将来貰える年金額の格差が広がりすぎてしまうことを懸念していたからです。
ただ、分布を見ると、上限に達している人の割合が非常に多いんです。男性の9.6%(男女の賃金格差があるため、女性は2%、全体では6.5%)となっています。
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社会保険は、支払い能力に応じて保険料を負担していただくという原則があります。収入が多い人に多く負担してもらうことで、社会全体で支え合い、格差を緩くしようとする仕組みです。上限を超えた月給を得る人が多いから、保険料の対象とする月給の上限を見直そうというのが、私を含む審議会委員の多数の意見でした。
日経新聞の報道は、「新たな上限額は調整中で、75万円〜98万円とする案がある。賞与を除く年収798万円以上の人は月1万〜3万円ほど本人負担の保険料が増える」とありますが、どういうことか解説します。
これが、実際の審議会での資料です。これが現在の等級です。今上限は32ですが、この等級の数を増やそうとしています。
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※今回は、賞与除く月給66.5万円以上の方が対象です。それ以外の方は負担が増えません。
現在、厚生年金保険料の対象とする「月給」の上限65万円につき、審議会では、厚生労働省から75万円から98万円までのいずれかに引き上げる4つの案が提示され、委員が意見を交わしました。
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この資料の下の方に、「所得代替率への影響は上限98万円の場合+0.5%」などと書かれているのは、保険料の対象とする「月給」の上限を引き上げれば引き上げるほど、高所得者だけでなく、保険料引き上げの対象とならない者も含めて、将来世代全体の年金の給付水準が上がる、ということを意味しています。
⚫️そもそも、社会保険とは?
誰もが安心して暮らせる社会を作ろう。長生きしても生きていける社会、障害者になっても、遺族になっても安心できる社会にしよう。そのために社会保険があります。長生きした時に貰える老齢年金だけではなく、障害者になったらもらえる年金や遺族になったらもらえる年金もあります。自分の努力で勝ち取った年収から社会保険料を引き上げられるなんて許せないと思うかもしれませんが、あなたやあなたの大切な人が明日、不慮の事故にあい、障害者になったり遺族になる可能性もあります。その時にどんな社会がいいでしょうか。また、仮に社会保険がなかったとして、自分の両親や祖父母などの生活がどのようなものになるのか、想像力を働かせてほしいです。今の暮らしがずっと続くとは限らないので、個人の損得だけではなく、どんな社会だったら安心して人生を送れるのかという観点で議論したいと思っています。
⚫️厚労省の主張
・賃上げも続いていて、負担能力に対して、相対的に軽い負担になっている人がいる中で、負担できる人には負担してもらい、将来世代の年金給付・安心を強化しよう
・本人の保険料(もらえる金額)も増える
・保険料収入が増え、その分積立金として運用することで利益が出て、厚生年金の財政もよくなり、将来の給付する水準もあがる。(所得再分配機能の強化)※この部分の効果は、数字として小さいという専門家の考えもある。
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審議会の資料はこちら https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001337885.pdf
⚫️私の意見
上限の引き上げに賛成しました。
・私は将来の世代間格差を小さくすることを大事に考えています。今の高齢者が貰っている年金の給付金額と、将来若者が貰える給付金額の差が大きくならないよう、将来の給付金額をあげることが大事だと思っています。
また、高齢者の貧困層が増えると、次の現役世代が今以上に重い負担を背負うことになります。だからこそ、今負担できる人が協力して、将来の高齢者の貧困を防ぐことがとても大切です。 保険料が増え運用益が期待できることにより、年金財政が改善し、将来の給付水準があがります。
・本人の今の保険料は増えるけど、将来の年金額は増えます。
・負担できる人が負担し、所得の再分配機能を強化した方が安心できる社会になるからです。
⚫️審議会での議論
概ね委員は賛成でしたが、留意点もでました。
・上限にいる人数や割合はあまり変わってないのでは
・現役世代の負担が過剰であることをどうやって変えるか
・企業の負担が増えるため、中小企業の賃上げの努力に水を差す
議事録
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20241202.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20231226.html
⚫️今回いただいた声
私も昔、世代間格差をなくしたい、負担が多すぎると考えていました。勉強したり、専門家と意見交換する中で、考えが変わったところもあります。いただいた主な意見に対して自分の意見を書きます。
▶︎年金が貰えるか分からないから自分で自分のお金を積み立てる積立方式にしてほしい
この少子高齢化の中で、制度設計を考えるのは難しいです。それに対して、少しでもマシにするために何ができるかを考えています。現役世代の手取りを増やすため高齢者の支援をなくしたらどうなるか。自分の親の生活費を現役世代が家庭内で負担するというのもまた大変な話だと思います。
自分で積み立てる場合、100歳まで生きたら相当大変じゃないですか?65歳まで働いて、35年分の生活費の貯蓄をするって怖いし、それこそ長生きが生活不安でしかなく、長生きしたときのためとお金を現役世代の時からあまり使えないのではないでしょうか。
▶︎年金に払う分を自分で資産運用したり民間の保険に入りたい
年金は、事業者が保険料を半分も払ってくれるという本人にとってお得な制度だと思います。この点については、事業者の保険料の分だけ賃金が下がるのではないか(転嫁される)と見る専門家もいますが、少なくとも保険料全額分賃金が下がるわけではないと私は思います。また、自分で運用することで大きく増やせる自信のある人もいるかもしれませんが、公的年金には、民間保険にないメリットも多くあり、多くの人にとっては自分で運用したり民間の保険に入るよりも公的年金の保険料を払う方が得られる老後の保障は大きいものと思います。原則として物価に連動して年金額が増えることや、終身年金である点は公的年金の大きなメリットです。民間にも終身保険はあるものの、保険の専門家によると、同じ保険料で保障される年金額は公的年金よりもずっと少ないとのことです。
▶︎高齢者の資産かなりあるよ、現役の方が苦しい
資産持っているお金もちたくさんいるじゃん。なんで、現役世代から金とって、裕福な高齢者を支えているの?たしかに、裕福な高齢者もいます。だから私は、資産を持っている高齢者には負担してもらえる仕組みを作って、より貧困の高齢者や次世代の給付にあてるなどできたらよいと考えています。実際、今の高齢者への給付が多くなりすぎないように、マクロ経済スライド(=今の年金給付額を実質的に抑える仕組み)の厳格化を提案しました。
▶︎セーフティネットは生活保護で十分
生活保護に最後は頼る、それは生きるための当然の権利です。しかし、何歳まで生きるか、人生何があるかわからない中、もし自分や家族の貯金が足りなければ、最低限度の生活保障で生きていく、というよりも、社会全体で負担してリスクを分けあう方が、社会全体の安心につながるのではないかと考えています。
▶︎少子化が加速する、子育てすると家計はカツカツ
誰もが安心して暮らせる社会をつくる。その中に高齢者はいるけど、子育て生活者にスポットをもっと当てて欲しい。その通りだと思います。だから、教育費や子育てにかかる費用の所得制限をなくしたり(高校無償化の所得制限・障害児福祉制度・奨学金・自治体によって異なるが子どもの医療費無償化)、こどもを持つ人数が増えると、税率の負担をさげたり、教育を完全無償化したりするなど色んな方法があると思います。子育て政策をじっくり話す部会ではありませんでした。ほしいこどもの数をもてない理由で一番多いものは、お金がないからというもの。少子化を加速しないためにも子育て世帯への支援は急務です。別途、年金部会でも話す場を作ってほしい旨などは提案しています。
▶︎少子高齢化で制度が破綻するか心配
賦課方式を日本はとっており、現役世代が高齢者を支えていると習いその図をたくさん見たと思います。
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しかし、正しくは労働者が年金受給者を支えています。
だから、その労働人口に女性や高齢者、外国人などが増えるとまた実態が変わるのではないでしょうか。 昔より子どもの数は減っているけど、昔よりも女性等が労働者になっているので年金を納めている人の減り方は緩やかなものとなる見通しです。
年金が破綻する可能性は極めて低いです。財政検証という5年に1度年金の健康診断をしており、さまざまな社会状況をもとに将来の年金額を見積もっています。現在わかる範囲での情報を未来にプロジェクションして100年後までの姿を想定しており、完璧とは言えないかもしれませんがかなりいろんな分野の専門家の声が入って計算されたものです。
▶︎世代間格差がひどすぎる
世代間格差やシルバー民主主義は少なくしたいとずっと言ってきました。ただ、何をもって世代間格差というのか。年金の貰える金額においては、財政検証でそこまで大きく減らないのではないかという見通しもありました。理由は、国民年金だけではなく、厚生年金に加入する人が増えるからというのが大きくあります。貰える年金金額がそこまで変わらないなら、世代間格差と言えるのかと考えてきました。これからも世代間格差とは具体的に何か考え、それをできるだけ縮小するための政策を考えたいと思います。その上で、世代間格差を縮めることももちろん大事ですが、世代内格差(受給の格差)を少なくするための努力も大切かと思います。国民年金だけだと低年金になる可能性が高く、できるだけ厚生年金に入ることを強くオススメします(現在、アルバイト・パートの人に対しても、厚生年金の適用拡大が進んでいます)。
▶︎老後のことを考えられない、解約したい
だからこそ、強制的に加入することが必要だと思います。iDeCoなど私的年金に加入して、老後に備える余裕と知識を持っている人と実践できない人。老後の格差が広がることが予測されます。「気づいた時には遅かった」と、後悔しないためにも、強制的に入り老後を防衛するというのは、正しい知識がなかなか行き届かない中で必要なことだと思います。
▶︎払い損をする
損か得かは、何歳まで生きるのかによって違います。長生きした人は圧倒的にお得な制度です。長寿や障害というリスクを社会全体で共有しようという考えなので、社会保険を個人の損得だけで語るのは、違うと思います。
▶︎お前子育て当事者じゃないから代弁できないだろ、若者の敵だ
お気づきの通り、当事者不在すぎる審議会です。女性が多くいてその点は素晴らしいですが、こども・若者・障害者・主婦・遺族などもっとたくさんの当事者が必要です。私で不十分だと思うのでしたら、もっと若者を審議会に増やそうと声をあげてほしいです。また他省庁においても、10~30代は不在の審議会もかなりあると思うので、変えていきましょう。
⚫️審議会で欠けていた論点
<部会で欠けていると感じ、私が提案したもの>
・女性のライフスタイルを生涯にかけて考える
・子育て支援政策を考える
・LGBTQプラスの人の権利
・こども若者の声、意見聴取
・当事者が不在(障害者、遺族、主婦、若者、こども)
<引き続き議論すべき課題で提案したところ>
・低年金者の方をどうするか
・学生の負担が重い。加入開始年齢を引き上げたらどうか
(※「受給開始」と間違って記載していたので「加入開始」に訂正しました。1/23 22時)
・レクの部分や冒頭の役所からの説明部分を動画にしたらどうか
・議論はしましたが、主婦年金3号被保険者を廃止にできなかったこと
⚫️審議会とは何か
年金は5年に1度見直すことが決まっています。約2年間審議会で議論し、とりまとめを行います。その取りまとめをもとに、閣法が提出され、国会で審議されます。12月末に取りまとめの案を部会では話したので、ここからは国会にうつっていきます。
※年間1800万円の報酬はデマ
委員の報酬は、私の場合1回あたり1万9600円。部会は1回2時間ですが、事前の説明などでは謝礼がでません。事前の説明やリサーチ、専門家や当事者からの意見聴取や取材、本を読んだりなどしていたので、1回あたり6〜20時間ぐらいの稼働ですかね。発言は歴史に残り、批判を受け入れる必要があり、責任をもって取り組んでいます。
Q官僚は巧みに、言いくるめ最初から筋書きがあるのか
あらかじめ筋書きが決まっているなんてことはありません。言いたいことが言える審議会で、「厚労省のことをがんがん批判してください」、「言いたいこと言ってください」と、めちゃくちゃ言われていました。他の省庁を取材したことがありますが、政府の意見を通すために信じられない御用学者がいたりもしました。年金部会は、政府の案を専門家がコテンパンにするなど、審議会独特の硬さはあったもののかなり開かれていました。
先日環境省が若者の声を審議会で封殺したのではないかと報道がでまして、それはひどいと思いました。 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e5ee6a0372ab8d8e4cdf688f291992561c944736
ですが、厚労省は自由闊達に議論していました。そして、皆さん最年少の私を温かく見守って、時に厳しく、時に意見を真摯に聞いてくださり、それが反映されることもありました。
⚫️声をあげよう
遺族年金の改正の際もネットでの声が大きくなり、厚労省がその声に耳を傾けそれが聞き入れられました。皆さんの声も政治家や政府に届けましょう。自分の困ったことをしっかりと政治家に訴えて欲しいです。高所得者が教育費等の所得制限がつらいなら、所得制限の問題を政治家に伝えましょう。
⚫️意見がある人のおすすめの方法
これから国会に審議がうつっていくので、ご意見がある方は、衆議院や参議院の厚生労働委員会の委員の政治家の方にお伝えいただくのがいいと思います。HPのお問い合わせフォームやその方の議員会館宛にお手紙を送る、FAXを送るなどをすると、真面目な議員さんは目を通してくれるはずです。また政治家の方は、自分の選挙区からの方からの連絡には弱いです。自分の地域の選挙区の方や、その選挙区に住むお友達と連名などで意見を送るといいと思います。
・衆議院 厚生労働委員会の委員
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_j0070.htm
・参議院 厚生労働委員会の委員
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/konkokkai/current/list/l0069.htm
⚫️威勢のいい言葉に惑わされないで
年金が破綻するという見方は勉強すればするほどなくなっていくと思います。破綻すると簡単に口にする人のいうことを信じないでください。負担を減らすと大きなことを言っても、社会保険の原理原則から言えば、高所得者の方が多くを負担する、似たような制度になると思います。財源や負担を誰がするのか、どこを削るのかということにしっかり耳を傾けてください。破綻するという言葉に騙され、未納して将来低年金で困るということがないようにしていただきたいです。年金はシビアな保険。払った金額が多い人ほど、年間の受給金額を多く受け取れる制度です。後悔しないように、真剣に貰える金額など考えてください。
⚫️将来年金がいくら貰えるのか
公的年金シミュレーター・ねんきんネットを使ってみてください。ねんきん定期便やマイナンバーを活用するとその際、確認がしやすいと思います。自分の将来の年金金額の予想ができます。
・公的年金シミュレーター
https://nenkin-shisan.mhlw.go.jp/
・ねんきんネット
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
⚫️誹謗中傷の注意
批判はウェルカムです。審議会の委員は大きな役割や責任が伴うと思いますので、今の人や未来のこどもたち、そして歴史からも検証されるべき、批判されるべき対象だと思います。大いに批判してください。
ただし、誹謗中傷に当たるもの、特に、
▶︎学歴、出自、親、見た目、死ね、人格否定などはダメです
▶︎私が言っていないことを私の発言としないでください
言葉は人を殺す兵器になります。その投稿が何千、何万と重なったらどうなるか想像してください。言論の自由は保障されるべきですし、特に私は審議会の委員という立場ですので、批判はウェルカムです。しかし、慎重になりながらも、限度を超えた誹謗中傷に対しては、法的な措置も考え、弁護士さんに相談中です。対象となる投稿については、スクショを保存し、証拠を集めています。
厚労省の案なので、反対の声を大きくするなら厚労省や政治家に伝えると効果があると思います。意見に対する批判ではなく、個人攻撃ばかりとなると、今後若者が審議会の委員をやらなくなると思います。若者が審議会の委員をやって誹謗中傷で自殺なんていうニュースを見る日が来るのではないかなど危惧しています。ぜひ省庁を超えて、こどもや若者の意見表明をする際、こどもや若者をどう守るのか考えていきましょう。
私はXで議論するのは難しいと今回感じました。だから、noteやYouTubeに動画を作りました。透明性を高めた結果、社会が前向きに議論できることを期待しています。
⚫️心配して連絡くださった方
よく炎上していますが、今回はたくさんの方が連絡してくれました。お笑いはもうほとんどやっていないのに、先輩方が連絡してくださったり、同級生が連絡してくれたり、SFCの先輩や、今まで取材をお引き受けいただいた方、言論人の方、政治家の方、官僚の方、会社の仲間。たくさんの方に応援いただいているのだなと思い、嬉しかったです。厚労省の方も心配してくださったり、委員の方もサポートしてくださり大変ありがたかったです。
くよくよしたりもしましたが、年金のデマを食い止めるという正義感の方が働き、深夜までX見て反応を見たり、専門家の方と意見交換したり、noteを書いたりしています。
▶︎嬉しかった内容
・データに基づいた意見
・穏やかな口調&具体的な論点をあげた批判
・応援コメント、心配コメント
・透明性を高めたことについて評価してくださったこと
・議事録を読んだ形跡
・障がい者の方が当事者の声を拾ってくれて、嬉しかったと連絡くださったこと(改めてお願いですが、厚労省の方、実現のための場を作ってください!)
・年金部会取材されていた方がたかまつさんがいて、「当事者不在の会議やこどもの権利子育て政策を重視するなど、すごく良かった」と言って下さったこと
・部会をウォッチしてくださった方が「委員方の中で最も将来世代の給付に重きを置いた発言をしていた」と言って下さったこと
・財政状況や、今の生活の何が辛いのか想像できるように伝えてくれたこと
⚫️見て欲しい資料
・今回の炎上について思うこと YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=TQ_t0U0LDiI
・厚労省の主張
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001337885.pdf
・審議会の議事録
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20241202.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20231226.html
・日経新聞報道 2025年1月16日 19:04
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA168CL0W5A110C2000000/
・審議会のとりまとめ案
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001362321.pdf
・今の制度の根幹理念を知りたい方、前年金局長が書いた本
高橋 俊之著 『年金制度の理念と構造より良い社会に向けた課題と将来像』
https://amzn.asia/d/4D9Gpyn
・委員のメンバー
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001362094.pdf
⚫️年金について分かりやすい資料
・年金について初歩的に理解したい方はこちら
QuizKnock https://youtu.be/KrKPt05Jsvk?si=1QkKNUG4f2WXpuwb
・年金財政に関するショート動画
https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_kouhou.html
・厚生労働省 年金広報企画室で社会保障審議会の資料を書き直してわかりやすくしたもの
①適用拡大 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001335179.pdf
②在職老齢年金 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001335181.pdf
③標準報酬月額 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001335184.pdf
④財政検証 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001345565.pdf
・中学生・高校生用の教材です。
中学生・高校生の方向けに学習指導要領をベースとした教材を作成しています。
https://www.mhlw.go.jp/korosho_kyozai/
・年金制度が一目でわかるインフォグラフィクスが作成されており、
当該インフォグラフィクスをSNSでシェアできるようになっています。
https://www.mhlw.go.jp/korosho_kyozai/12keywords/index.html#keywords-01
・年金財政検証の解説のマンガです
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/index.html
ネットをやっているものとして、若者の政治参加を促すものとして、みなさんに考えていただき議論をオープンにして、政治参加を促すことを政策の翻訳者をできればと思いましたが、正直難しかったです。分かりやすく説明できずすみません。頑張ります。
自分が微妙だと若者を審議会に入れることをやめようとなってしまうから、若者枠を増やせるかどうかめちゃくちゃ真剣にやってきました。だから、今回のことが逆に炎上リスクとかもあるから、若者を入れるのを辞めようとならないことを祈るばかりです。
議論をいい方向にもっていきましょう。私たちの手で政策はつくれる、変えられる。私たちの手で社会は変えられる。
声をあげて、政治参加していきましょう。厚労省の方もチェックされていると個別に連絡くださったので、みなさんの声は届いています。
たくさんのご批判、ありがとうございました。この機により、改めてどんな社会を作りたいか考え、政策と向き合い、皆さんのお考えを知ることができました。もっと成長して若者の政治参加を促せるようにしたいと思います。応援お願いします。
株式会社 笑下村塾 たかまつなな
※この記事から引用やスクショなどをする場合は、この記事のリンクを明記するなど、引用元がわかるように記載してください。
※間違いがないように細心の注意を払っていますが、万が一間違いや分かりにくい点があった場合に、記事を訂正・加筆する可能性があります。その場合は、どこを修正したのか、分かる形で記載します。
※応援お願いします
普段は、若者の政治参加を促す株式会社 笑下村塾の活動をしています。皆さんの寄付に支えていただき情報発信などをしています。
今回記事や情報発信は無償でやっていますので、議論を透明化したことや、少しでも内容良いなと思ったら、ご支援いただけたら幸いです。
ご支援いただけたら幸いです。
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いつも応援・ご支援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。
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