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勉強コラム 機械工学小話編 1.メジャーのアレ

 今回は、設計者のユーザビリティを考えたさりげない設計についての小話を記事にしてみようと思います。

1.メジャーの先端についているアレ

 メジャーの先端にはスケール(物差し)をひっかけるためにL字型の金具がついていると思います。普段メジャーを使用するときに、特にこの金具について深く考えることはないと思います。強いて言うなら、市販のメジャーであればどれでも先端の金具が左右に動くような設計になっており、「カチャカチャするな」と気になった方はいるかと思います。

2.左右に動く機能が実は...

 この機能はれっきとした意味のある設計なのです。
 まずは以下の画像を見てみてください。

 メジャーは測る対象物に応じて、先端の金具をひっかけたり、押し付けたりして測ると思います。その時に、この金具が動くことによって、ゼロ点が機械的に調整されます。ひっかけた場合は爪の内側の面がゼロ点に、押し付けた場合は外側面がゼロ点になります。つまり、爪に厚みがあっても、厚み分だけ爪が動く設計にすることで、自動的にゼロを調整して正確に計測することが可能なのです。

3.ユーザビリティ

 この金具の素晴らしい点は、この機能に気づかなくても大抵の場合、メジャーを正しく使用できるということです。このような「使いやすさ」を一般に「ユーザビリティ」とか「ユーザフレンドリィ」という言い方をします。
 機械系出身で製図、工作をしたことがある自分としては、このようなさりげないユーザフレンドリィな設計は感銘を受けました。

 この記事を読んでいただいた方、メジャーを使用するときに設計の意図を思い出して、ぜひ正しく計測してみてください。

ご精読ありがとうございました。もしよろしければ、スキ、コメント、フォローよろしくお願いします。記事が誰かの人生の何かの役に立てたら幸いです。


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