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小笠原滞在記 Day 1 & 2 「旅とは人生である(のかもしれない)」

今回この小笠原諸島の父島への来訪は、小笠原村から頂いたご依頼で、滞在型観光促進事業に従事するために滞在している。10日間の間、小笠原を丸ごと体験して、それがどんなものであったのかを発信していくのが、今回のミッション。とはいえ、前回の「デイ0」で書いたように、しゃかりきに写真を撮りまくるような、そういうことを望まれているわけではない。

あくまでも今後長くつながっていくような、体験としての「小笠原」を、僕を含め三人のクリエイターがそれぞれの立場で経験し、それをそれぞれのやり方で形にすることが基本的なお仕事だ。

その一方で、実は今回の旅では、僕は個人的な目標も一つもって小笠原に来ている。この10日間の滞在で、これまでの写真や仕事を見直したい、そんなことをぼんやり思ってもいる。自分はこれからどういう写真を撮っていけばいいのか。自分にとって写真を撮るということはどういうことなのか。それをしっかり考える機会にしたいのだ。

畢竟、旅とはおそらくそういう思考を促すものだ。古今の旅行記の名著は、常に人生論でもあったし、自己の内省を語るものでもあった。それは旅の過程が、人生の過程と、どこか比喩的につながる部分があるからだろう。

古今、旅を通じて人は世界を発見してきたが、同じように人は自らを再発見する。特に今回は24時間の船旅という、ある意味ではタイムマシーンのような「異世界へのゲート」を通じて、この小笠原にやってきた。その特別な過程を通じて、再び自分を見返す機会を得られるかもしれない。そんなことを考えていた。

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初日と2日目は、「土地勘」を作ることに費やすことにした。旅が人生であり、人生が仕事であるならば、そのどちらの行程においても大切なことは、頭の中に「地図」を作ることだと思っている。自分の足で歩いて、その場所の光と闇、においとおと、ざらつく砂の感触と岩場の硬さを感じて、脳内に五感を通じた「土地勘」を作り上げること、それが先決だ。その手触りなしには、多分、何かを撮ることも、語ることもできないだろう。

でもそれが実は一番楽しい過程と言えるかもしれない。

知らない街を自分の足で歩き、

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ふと見つけた路地に入り、

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自分の知らない植生に思わず足を止めたり、

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地元のスーパーに並ぶ食材の一つ一つを確認してみたり、

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そうやって自分の足で歩いた地面の上に、ようやく「絶景」が意味を持つ。単に消費するだけではない、根っこのところでその場所とつながった風景は、いわば昔のレコードのA面とB面のようなものだ。もちろん、人によってはそのA面とB面は逆かもしれないし、コンセプトアルバムのように、そもそもAとBではなく連続したストーリーのようなアルバムも存在している。でも、少なくとも言えることは、新しい土地に来たばかりの人間が、「ベストアルバム」を作ろうとしたって、それは土台無理な話だということ。

とはいえ、たった2日間で、「ベストアルバムに入るかもしれないな」と思えるキラーチューンのような光景に何度も出会うと、思わず感嘆のため息が漏れる。

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これが小笠原なんだ。

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