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とある元半導体エンジニアの1日

半導体業界で働くってどんな感じ??

こんにちは。
私は以前、半導体業界でエンジニアとして勤めておりまして、その時の経験が中々ハードだったので、それを共有できたらなと思います。

昨今、半導体戦争という言葉が表すように、半導体生産業界が隆盛を極めております。日本でも「日の丸半導体」復活を掲げて多額の投資が行われており、半導体業界に興味を持っている方も多いのではないでしょうか?

今回は半導体業界に興味がある、半導体業界で働きたいという方のために、「半導体業界で働くってどういうこと?」をテーマに実際に半導体メーカーで働いていた私の一日のスケジュールを皆さんにお伝えしようかなと思います。

この記事でわかること

  • どんな人が働いていたか 

  • エンジニアの1日のスケジュール

  • どのくらい残業していたか

  • どんな人が半導体業界に向いているか

どんな人が働ていたか

まずは筆者である私がどんな属性を持っていたかをまとめてみました。

年齢 29歳
性別 男
会社情報 半導体メーカー

職種 生産技術 (プロセスエンジニア)
役職 役職無し
仕事情報 半導体製造のプロセス管理
在職中or退職済 退職済み
年収 900万以上
労働時間 月155時間
残業時間 月45~60時間以上が多い (最高で100時間程度だがかなり稀)
サービス残業 無し(残業代は全額出ていました。)

とある1日のスケジュール

8:00 起床
9:30 出社(フレックス制)
9:40 業務開始(プロセスエンジニアは基本はデスクワーク)
12:00 昼休憩&昼食
13:00 休憩終了&業務再開
13:00 ミーティング
14:00 ミーティング終了&クリーンルーム内での作業に向かう
16:00 クリーンルームから帰還&デスクワーク
17:15 就業時間終了&休憩
17:45 残業開始
19:00 休憩&食堂で夕飯
19:30 休憩終了&業務再開
22:00~ 業務終了&帰宅

ポイント

  • 人や役職によってはミーティングが多く、17:00過ぎてから自分の業務を開始する人もいる。

  • プロセスエンジニアは基本的にデスクワークだが、クリーンルームに入って行う作業がある。

  • 一度クリーンルームに入ると、タスクを終えて出てくるまで時間がかかるため、他業務とのスケジュール調整が必要。

  • 装置などの管理を行う設備系のエンジニアは一日中クリーンルームに入る日がしばしばある。

  • 基本よっぽどタスクを効率的に進めない限り、残業はマスト。深夜まで及ぶことが多い。

  • 24時間体制で生産を行っているので、問題が発生した場合は休日や深夜で連絡が来たり、対応を迫られる場合がある。(筆者はこれが原因で電話の着信音が恐怖でした。)

どのくらい残業していたか

基本的に激務で、定時では帰れません。

もちろん上司や他の社員からのプレッシャーだったり、他の人に遠慮して帰るのを躊躇うという理由ではなく、単純に業務量が多すぎて帰られないです。

半導体製造現場の業務は基本的には時間がかかるタスクが多く、よほど効率的にマルチタスクを行わないとまず定時内には終われません。
なので、ゆうに残業時間が60時間を超えることは頻繁にあります。
また、筆者は新規プロジェクトを担当していたこともあり、当時は土日も働いていました。

ただ、近年はコンプライアンスの意識の向上からか、残業はなるべく減らそうという活動があり、5年前なんかと比べるとだいぶ少なくなりました。また、有給休暇も取りやすいので、自分次第でいくらでも調整できる環境ではありました。

なので、自分のやる気次第で残業は長くもできるし短くもできるといった感じです。

どんな人が半導体業界に向いているか

ずばり、コミュニケーション能力が高い人。

意外に思われるかもしれませんが、これが一番重要です。
というのも、半導体エンジニアに必要なのは半導体の知識だけではなく、他部署の人との人脈だからです。

半導体チップは直径30cmのシリコンの円盤(ウエハ)上に、様々な加工を1,000以上の工程をかけて施すことで出来上がっていきます。その加工方法にはいくつか種類があり、その種類ごとに部署が分かれています。

この1000以上の工程は複雑に関係しあっており、自分の部署の担当工程のみを考えればいいということは少ないです。

エンジニアの仕事は、別部署のエンジニアと連携して、関係しあう工程を網羅的に考えながら、何かしらの改善を行っていく業務が非常に多いです。
つまり、他部署の人と関わりもっておかないと、誰に相談をすればいいかわからない時や、どういった改善を行えばいいかアドバイスが欲しい時など、非常に困ります。

ですので、筆者の経験上、人との関りを積極的に持てる人が成果を出し、出世をしているイメージです。

ですので、半導体業界でおいても人脈作りは非常に重要ということです。
ぶっちゃけ、半導体の知識は入社後にいくらでも有識者に聞いたりと勉強できるのであまり心配はいりません。

まとめ

今回は半導体業界を経験したとあるエンジニアのある一日のスケジュールを
まとめてみました。

  • 基本激務で残業は多い。ただ、業務量を調整する余地はある。

  • 業務量が多い上に、合間を縫ってクリーンルームに入らないといけない時間があったりと、マルチタスクが要求される場合が多い。

  • 結局は社内の人脈作りが重要

  • 半導体業界で働いてみたい、と思っている方の役に少しでも立つことができれば幸いです。

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