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残された時間

時間というものは
増えもしなければ減りもしない
むろん残されたりは絶対にない

例え話とか仮の話、あるいは
ひとつの概念として捉えるならば
その限りではないけれど

「残された時間」という科白を
口にするということは
憐憫を乞うているのに等しい

ならば憐憫の眼差しを向けよう
是非を判断できる者は
ここには誰もいないが

決意が固いことは既に知ってる
いちど彼岸へ向いてしまった
踵を返す手立ては最早ない

それでもなお云うのか
憐憫を乞うてまでも
残された時間と

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