姿一妻の詩(106)

何もかも 今までと変わらぬように 演奏会は始まりました
色とりどりの着物姿が会場を行き交い
箏 三絃 十七絃 尺八 フルート 
何もかも 変わらぬように 音色が響きました
でも 去年までとひとつだけ 変わってしまったのです
会場に そのお姿がありませんでした

弾くことに集中していたのに
一瞬そのお姿が心に浮びました
「九九 九八七 九十 九八七 六 五六 七 八八八八」
心で歌いながら 涙が浮びました

会場にいらっしゃったのですよね
私は そう信じているのです

平成23年10月11日 朝

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