妻を偲ぶ姪の和歌一49日法要を機に髭をカットして再出発

 5月18日の妻の49日法要で秩父のお墓に納骨を行うことを聞きつけて、自宅マンションの遺影と遺骨の前でお線香をあげたいと、連日訪れる友人、知人が後を絶たない。たくさんの心のこもったお手紙や故人を偲ぶ和歌も送られてきた。東京芸大大学院を修了し博士号を取得した勝岡ゆかり(私の妹の娘で勝岡寛次氏の妻)さんからは妹経由で次のような和歌が送られてきた。

新緑が静寂の中輝きて 鳥のさえずり響きわたれり
新緑の美しき時に君は逝き 緑の中にこだまを感ず
柔らかき緑輝く春の日に 逝きたる君の笑顔浮かびし
椿咲き真白な姿清らかに 我が身に沁むる春の夕暮れ
我のため祈りてくれし亡き人の 美しき姿胸にとどめん
愛だけを分け与えたまま逝きし人 優しき姿忘れじと思ふ

 49日法要を機に心機一転再出発すべく、42年間伸ばし続けてきた髭を全てカットした。代々木公園で毎朝お会いする原宿の理容師に剃っていただいたが、「本当にいいんですか?口ひげだけでも伸ばされたらいかがですか?」と再考を促されたが、未練がましいのでお断りした。
 29年前の戦後50年を機にクリスマスの日に髭を全てカットした際にも理容師から再三再四再考を促されたが、バッサリ切り落として帰宅すると、妻が驚いて「額縁の無い絵みたい」と言って変な顔をしたので、慌ててまた伸ばし、新年の大学の授業が始まった時には元の髭に戻っていたので、教え子たちは誰も知らない。
 30歳でアメリカの大学院に留学し、ワシントンD.C.のジョージタウン大学の近くの理容店で初めて散髪をしたが、ハンバーグを食べながら他の店員と大声で雑談しながら雑な散髪をされて以来、妻がカットしてくれるようになり、髭を伸ばしてからは、盆栽の手入れをするかのように毎日カットしてくれた。その妻を亡くし、白髪が増えてきた無精ひげも見苦しいので思い切ってカットした次第である。俳優の北大路欣也のような真っ白な髭も美しいが・・・。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?