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【インテリアデザイン】下北沢のサロン〜基本・実施設計編〜

基本設計

設計に入ります。今回はアイラッシュスペースとヘアサロンスペースで空間を分けることが条件となります。スタディを進めていくとやはりポイントなるのはアイラッシュブースの大きさになります。このアイラッシュブースの必要寸法を決めて既存図面に配置していくことから始めていきました。すると、この3パターンが見えてきました。

お施主さんとの打ち合わせの結果、アイラッシュブースを中心に配置するStudy3になりました。施術スペースが独立して確保できており、バック動線へのアクセスがそれぞれの空間をを介することがないため、施術スペースは落ち着きを持った空間とすることができます。また、お客さん同士が出会うこともほぼなく、プライベートサロンとしての機能を果たすことができます。

保健所と消防に相談

この時点で保健所と消防に事前相談をしておきます。美容室として開業する際は保健所のチェックを受けなければなりません。また、内装を改修する際は消防署の確認が必要となる場合が多いです。美容室として改装するのに問題はないかを確認しておくことで後で大変更とならないよう、なるべく早めに済ませておきます。今回は実施設計に移る前に、図面、想定する仕上げを関係各所に持っていき確認を取りました。

実施設計

続いて、仕上げなど細かい部分を決めていく実施設計に移ります。ブースを中心に据えるこの計画では、ブースの塊感を抑えたいと考えました。使用する仕上げは天然素材のラワン合板。比較的安価な素材ですが、木目が激しく主張することなく綺麗に出る素材です。また、建物の外壁が煉瓦仕上げであるため、外壁との色味の相性も良いです。これを中心として素材とし、他の仕上げは白に統一することにしました。

内装はほとんど既存を補修する程度にとどめていますが、幾たびもの改修によって上書きが重ねられた内装を、色や仕上げを整理し直すことでしちぐはぐだった印象を整えました。

ラワン仕上げが決まったので、家具もラワンで作ります。バックルームの大きさが限られているので必要な電化製品を収納できるように、コンセントを内蔵したコンパクトな家具を設計しました。また、店舗内にもベンチとしても収納としても使える棚を作りました。

見積もり作業

仕上げや寸法をある程度抑えた時点で工務店見積もりに出しました。この時点でようやく正確な見積もりが出てきます。現場を見てもらい、見積もりを出してもらうと予算は想定よりもオーバー。ここからは本当に必要となるものだけに絞り、必要ないものは削っていくことで空間の純度を上げていきます。今回は家具がかなりオーバースペックだったのでその分を減額し、また、排水経路を見直すことで減額を積んでいきました。

私の考えですが、設計段階では現時点で考えうる理想を追求していく作業となります。ここで変に制御をかけていくと理想から離れてしょぼい案になるばかりか、いざそれでも金額がオーバーした際に減額する部分がなくなってしまいます。減額とは諦める作業というよりは、本当に必要なものを見つめ直す作業と捉えています。

減額案を携え、再見積もりをして施工金額を決定します。次はいよいよ施工に入ります。



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