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【インテリアデザイン】下北沢のサロン〜施工編〜

下北沢のサロン〜施工編〜

最終工事金額が出て、いよいよ工事契約です。お施主さんと工務店での契約を終えた後、工程表に従って工事を進めていきます。解体→墨出し→下地作成→仕上げの順で進めていきます。規模にもよりますが、今回は10坪程度のテナントのため、解体を含め引き渡しまで1ヶ月弱のスケジュールとなります。この建物は竣工時の図面が存在していたものの、現場を見てみると寸法が違っていたりします。また、解体を進めると思わぬところに配管があったりと想定外なことがよく起きるので、現場監理を行なって適宜図面の調整を行います。

施工スケジュール。工事期間は3週間。

仮設・解体工事

解体して墨出しを行います。墨出しとは建物の寸法を正確に出して、内装工事の目印にするとても大事な作業です。墨出しの結果、内部の下地が若干歪んで建てられていることが分かりました。また、短手方向に最大で約80mm短いことが発覚しました。そのまま設計図通りに仕上げると通路がやや狭くなってしまうので、均等に寸法を振り分けて寸法の皺寄せがこないように調整を行いました。仕上げ下地が歪んでいる部分に関しては有利側に働いてくれたので特に問題はありませんでした。柱の寸法も違っていたので、家具がきちんと納まるようにあらためて家具図を修正しました。また、シャンプー台が置かれる場所にゆとりが生じたため、位置を数センチ修正して作業スペースを広く取りました。

間仕切り・下地工事

墨出しによって位置を確定させた後、LGS(軽量鉄骨)を立てていきます。その上から石膏ボードを貼り、下地とします。冷暖房の循環を考えてブースは天井には達さないようにしています。

仕上工事

壁全体の下地が終わり、仕上げていきます。下地はパテ処理をしてなるべく平滑化します。天井の不燃ボードを塗装して綺麗にし、壁は下地の上にクロスを貼ります。ブースはラワンベニヤを貼って仕上げにしています。

木造作・家具工事

木造作は、精度良く作るものとそうでないもので分かれています。家具は精度が必要なので、家具屋さんにお願いして家具を作ってもらい、現場搬入して設置という流れになります。家具が精度良く作られていても、元々の壁や床が激しく歪んでいたので据付にはかなり苦労しました。家具が設置されると、いよいよ完成目前です。

電気・衛生工事

電気設備や衛生設備をつけていきます。照明は基本的にはダウンライトで取りますが、ダクトレールをブースの四周に回してスポットライトを取り付けてフレキシブルな対応も可能にしています。また、スポットライトとデザインを合わせてBluetoothで音楽を飛ばせるスピーカーも取り付けました。トイレはもともと付いていた便器を取り替え、温水式便座を取り付けました。トイレに換気扇がなかったのですが、外壁貫通がNGだったため窓に換気扇を設置しています。シャンプー台は給排水を側面から取り出す様にして、床上げをせずにフラットになるようにシャンプー台を少し改造して設置しました。

サイン工事

今回、サインも合わせてデザインしました。カッティングシートで入口看板とガラス面に貼り付け、屋外の看板は制作しました。

完成

内装工事はあれよあれよという間に進んでいき、1ヶ月弱で完成しました。工事はほぼスケジュール通りに終了し、消防・保健所の検査も終えて無事オープンを迎えることができました。このプロジェクトを私に任せて頂いたお施主さんには本当に感謝しております。ありがとうございました。

今回、施工全般を請け負って頂いたのは美容師さんの独立開業に特化したSPUTNiX.Incの矢口さんで、完成度の高い施工を実現してくださいました。設計・施工もできる会社で、安心してお願いすることができました。本当にありがとうございました。


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