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『自分の強み』に迷ったら読んでほしい。古野俊幸著「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」を読んだ話。

「自分の強みってなんだろう?」
誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

今回は、古野俊幸さん著「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み」を読んだ感想です。「FFS理論って何?」という方は『あなたはどの因子が高い?』の章にURLを貼っておいたので、一度診断してみてください。きっと自分の強みを知るきっかけになるはずです。


これってどんな本?

本書は、漫画「宇宙兄弟」の登場人物をFFS理論(考え方や行動のパターンを5つの要素で表現したもの)で分析を行い、各タイプの強みや弱み、良好な人間関係を築くためにはどうすれば良いか?等の解説がされている本です。

そういう成功した人たちには、共通点があります。
「自分の特性を理解し、強みを活かし、弱みは仲間と補完している」ということです。
引用:まえがき この本の狙いと読み方

本書では、成功者を「事業を成功させた人」「夢を実現した人」「家族や仲間と幸せに生活した人」というように定義しています。

「成功者」は強みを生かし、弱みは補完するという"自分に適した方法で行動している"という一方で、「悩み苦しむ人」は、"自分に合わない方法で行動している"ことが多い。また、FFS理論によって「他者がどのようなことにストレスを感じるのか」を理解することで他者とのコミュニケーションを円滑にすることにも利用できる、と本書には書いてありました。

読んだ感想

僕はこの本を読んで2つの武器を手にしたと思っています。

それは、自分に適した剣と盾です。

本書を読んで、自分の強みが何なのか。そしてそれをどう活かせば良いのかという「自分の強みと活かし方」、そして、他者とどう関われば余計なストレスなくコミュニケーションを取ることができるのかという「人間関係のストレス対処法」を知ることができました。

「なんであんな言い方するの!?」
「あの人はどうしてすぐ行動ができるんだろう?」

他の人にこんなことを思ったことがある方は読んでみると良いかもしれません。僕も職場の人や友人に対して感じたことがありますが、「こういうことだったのか!」と周りの人に対する理解も深まったと感じています。

あなたはどの因子が高い?

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FFS理論(Five Factors and Stress)は、思考行動パターンの特性を5つの因子で計量化します。この因子が上記の5つです。

では、自分はどの因子が高いのか?

本書の購入特典としてFFS診断を受けることができます。Webでも簡易版のFFS診断ができるので、またやったことがない方は一度やってみると良いと思います。

■Web診断
宇宙兄弟✖️FFS診断
https://www.ffs-uchukyodai.com/spacebr/trial/TrialRegist.ffsm

僕の診断結果

それでは、僕の診断結果です。

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■因子
受容性, 弁別性
柔軟に物事を受け入れていきます。周囲の喜びを自分の喜びと考えることができます。 合理的に物事を判断していくことができます。物事や状態を明確に切り分けていくことが得意です。

■口癖
「なるほど」「なんとかしよう」と共感する。

■日頃の取りやすい行動、しぐさ
「にこやかで活動的」「面倒見が良い」

■ストレスになりやすい要因
役に立っていない時。存在をないがしろにされること。

■ディストレス状態の時の行動
介入的、自虐的、逃避的

僕は『B:受容性』『C:弁別性』が高いという結果になりました。
受容性は「外部を受け入れようとする力」で、弁別性は「相反する二律にはっきりと分けようとする力」です。

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宇宙兄弟の登場人物だと「星加正」でした。主人公のムッタとヒビトを「支える側」の一人ですね。皆さんはどうでしたか?

1章 自己理解 あなたの強みの活かし方

ここからは僕の因子である『受容性』『弁別性』を中心に、覚えておきたい部分をまとめました。

■タイプ別「人生の目標」の探し方

受容性:
人の喜びが自分の喜び。
「身近な人を幸せにしたい」という夢からスタートして広げていくと良い。
弁別性:
合理的。効率良く目標を達成したい。

受容性の高い人は「強い志」がなくても気にする必要は無い。周りの人を幸せにしたい、という夢から少しづつ大きくしていくことで、やがて社会を変える大きな力になる。

この『「強い志」がなくても気にする必要は無い』という部分は自分にとっては結構インパクトがありました。

僕は野球漫画「メジャー」が好きです。それは"主人公が強い信念を持って野球をしている姿がカッコイイから"という理由です。大好きな野球に対して真っ直ぐに情熱を持ってアクションを起こすことができる主人公に対して、「自分も好きなものに一生懸命向き合いたい!」という憧れがある一方、「でも、自分にはあんなに好きになれるものがないなぁ...」と嫉妬することもありました。

しかし、『受容性は周りの人の幸せが自分の喜びになる』という内容から、そもそも夢の決め方自体が自分には向いていない、自分の夢は"周囲の幸せを軸に考えると良い"という気づきを得ました。

■「決められない」のは立派な個性である

受容性、保全性の因子が高い人にとって「決断」は大きなストレス。

周りの希望を叶えたい受容性にとって、何かを切り捨てる決断は苦手。受容性が高い人は「面倒見の良さ」「丁寧さ」を武器にして、会話を通じて全員が納得できるプランになるよう導く。

これまでリーダーのポジションをやることがよくありました。班長やサークルの部長、プロジェクトリーダー等です。

僕はメンバーとは共に同じ方向を向いていたいと考えています。

リーダーとして何かを決めるとき、自分だけで決めずに必ず他のメンバーにも意見を聞いた上で決断するようにしていました。それは、メンバーが納得した上でプロジェクトを進められるのが理想だと考えているからです。自分が納得できないまま何かをやり続けるって結構しんどいと思いますし、モチベーションも上がらないですからね。

「決断」に苦手意識を持たず、"メンバーや顧客などの一緒に仕事をする人達との対話を通して、全員が納得できるようにまとめる"という今までの方法で進めれば良いという前向きな自信をつけることができました。

■行動派・慎重派も個性である

本章を読んでいて印象的だったのが『すぐ行動する』と『慎重に行動する』はどちらが良い・悪いではなくて、それぞれが個性によるものという部分です。

拡散性(行動派)
未知の領域に飛び込むことを喜びとする

保全性(慎重派)
知識やスキルを積み上げることを好む

「絶対、すぐ行動する方が良いでしょ!」と僕は思っていましたが、それもまた個性によるもの。「他の人に比べて自分はすぐに行動できない...」と比較して落ち込む必要は無いのだと思いました。

2章 他者理解 上司を味方につける方法

本章では「因子ごとの上司と部下の関係」について書かれています。読んで思ったのは、

「職場のストレスを減らすのに役立つのでは?」

ということです。
(※受容性が高い上司、リーダー像については3章で書かれています。)

ー「拡散性」上司ー

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無茶振り、投げやり上司。
自身が自由にやりたいタイプなので、良かれと思って部下にもそのような指示を出す。大雑把な指示を出すことで「自律を促す」という親心。「自分を慕ってくれる奴」を可愛がるという傾向がある。

「拡散性」と「保全性」では学びのプロセスが異なる
拡散性は”まずやってみて学ぶ”、保全性は”体系化して学ぶ”。
そのためこの因子で上司・部下の関係になると学び方にギャップが出てしまい、投げやり上司というイメージができる。

ー「凝縮性」上司ー

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無愛想で怖い上司。正義を貫く。
こだわり・価値観が強い。関係性ができれば責任感が強く、頼れる存在になる。価値観が合う人は認めるが、合わないひととは交わろうとしない。「正しい・正しくない」が判断基準。

[対応方法]
凝縮性上司に対しては「理念の一致」。上司の理念は何か考え、それに沿って話すこと。

ー「弁別性」上司ー

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冷たい上司。白黒つける。
データに基づいて判断を行う。組織内で高いポジションにつく傾向がある。

受容性と弁別性の「優しさ」の違い
受容性は”相手を受け入れる”、弁別性は”信頼に値する相手には尊重を示す”。必死でついてくる者には手を差し伸べて支援する。受容性の部下は「受け入れる」強みを活かし、弁別性の上司を理解して受け入れることで良い関係を築けるようにする。

[対応方法]
弁別性上司に対しては「データと根拠」。データと根拠を揃えて筋が通った説明をすること。

ー「保全性」上司ー

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リスクを取らない上司。
しっかり準備をしてリスクを取り除いた上で物事を進める。感情の動きである「情動」が判断基準。

[対応方法]
保全上司に対しては「感情を揺さぶる」。「自分も同じ方向を向いています!」ということを伝えること。

本章については職場に思い当たる上司が何名かおり、読んでいてニヤニヤしてしまいました。各タイプが『何を判断基準にしているのか』ということが書かれているため、上司に対して"どのように対応すれば話を聞いてもらいやすいのか"という対応策を練ることができそうです。まだ出会っていないタイプの上司にも対応できそうですね。

第3章 組織理解 目指すべきリーダー像

最後は『受容性』の高い人が目指すべきリーダー像についてです。

■サーバント・リーダーシップ
FFS理論における「リーダーのあるべき姿」というのは”各個性を活かしたリーダー”である。凝縮性・拡散性は「変革型リーダシップ」、受容性・保全性は"傾聴,共感,コミュニティづくり"がキーワードになる「サーバント・リーダーシップ」が向いている。

■受容・保全性の目指すリーダーシップ
チームの環境を整え、改善を繰り返すことでチームの底上げをしながら運営することができる。メンバーごとのサポートをしながら成長することができる。安心感を与えられるリーダー。

ー受容性上司ー
部下が育たない「お節介上司」になる可能性あり

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■部下の育成を妨げる要因
受容性リーダーがお節介を焼くことで...
1. 他人の限界を知る機会を奪ってしまう
 →部下が成長する機会を奪ってしまう。
2.「甘え」が生じる
 →自分が関わることで甘い評価になってしまう

必要なのは「本当の優しさ」
相手のことを信じて「見守る立場」になること。
その場限りの優しさで手を貸すのではなく「信じて待つ」。

■受容性が目指すのは「猛獣使い」

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優れたリーダーは「異質な個性」を周りに置く
▲異質:自分と異なる因子
考え方も行動も異なるため理解し合うまで時間がかかる。
→互いの強み・弱みを補完しあうことで強い組織になる。
●同質:自分と同じ因子
扱いやすい人が周りにいる。
→異論・反論が生まれない。決断が下せない。
→組織は停滞する。

受容性リーダーの強みは「変わり者」「はみ出し者」の良き理解者となり、活躍のサポートができること。

■弁別性はリーダーシップにとって有用な資質
弁別性は目的に最短で到達しようとする因子。弁別性は「感情」よりも「合理的」な判断を好むという点においてリーダーシップのスタイルに影響を与えている。

まとめ

漫画「僕のヒーローアカデミア」には、こんなセリフがあります。

いいかい 戦闘ってのは
いかに自分の得意を相手に押しつけるかだよ
- by セメントス先生

じゃあ「自分の得意って何なの?」という疑問に対して本書は一つの答えを与えてくれると思います。

以下、『これからやること』と『覚えておきたいこと』です。

■これからやること
・気が合わなさそうな人と積極的に関わる
・夢を「周囲の幸せ」軸で考えてみる
・見守ること

■覚えておきたいこと
・『対話できること』が武器である
受容性の強みは「相手を受け入れられること」。自分とは異なるタイプの人との対話を通じ、長所を活かし、短所を補い合うことで成長する。

・各タイプには適した対応方法があること
相手も良かれと思って考えて行動している。余計なストレスを避けるためにも相手に合わせたアクションを取る。

・他の人と自分を比較する必要はない
「目標の決め方や何を嬉しいとするか」「すぐ行動するか否か」というのは因子によって得意・不得意がある。他人との比較は必要なく、自分にあったやり方でやれば良い。

FFS理論で自分にどんな思考・行動のクセがあるか知ることで自分に合ったやり方で戦うことができますし、他人に対しても余計なストレスを感じない対応ができそうです。『自分の強み』に戸惑ったら、また読み返したいと思います。

目指せ「猛獣使い」!それでは!

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