「”パニーニ”を知っているか?」の災難。
会社の近くに4月から新しくパン屋がオープンした。
目と鼻の先ということもあって、ほぼ毎日のように利用しているのだが、そのパン屋の20代後半くらいのレジの女性店員が毎回、私の手を両手で包み込むようにしてお釣りを渡してくる。
察するに、きっと彼女は私のことが好きなんだと思う。
行く先々で女性を必ずというほど虜にしてしまい、本当に申し訳ない限りである。
「それはよくある勘違いですよ」
「精神科に行ったほうがいいですよ」
「廻るさんはゲロ不細工だから、ありえないですよ」
等々、様々なご意見があるだろうが、彼女は会計が済むと決まって、可愛らしく微笑み「いつもありがとうございます」と言ってくれるのだ。
これは間違いなく気がある。
これが勘違いだったら世の中はすべて勘違いで出来ているといっても過言ではないだろう。
こうなってくると、みなさんは「なぜ彼女がゲロ不細工な廻るさんに恋をしたのか」という要因が気になっていることだと思う。
実は、このパン屋ではブラックコーヒーとパニーニを毎回購入するのだが、数ある商品の中から、”パニーニを選ぶ”という常人の男共では到底辿り着かないであろう、私の洒落たセンスに彼女は心を奪われてしまったものだと推測している。
ちなみに言っておくが、パニーニとは、打率216.HR13本くらいの千葉ロッテにいそうな助っ人外国人のことではない。
なんかオシャレな焼き目の入ったパンのことだ。
異性に「好きなパンの種類は?」と質問をされたときなどには、少し溜めてから「うーん、パニーニかな・・?」とでも呟けば、すぐさま女性が服を脱ぎだすレベルのオシャレキーワードなので、モテないお前たちには是非とも覚えておいてもらいたい言葉である。
また明日にでも利用する際に、いつものように両手で包み込むようにしてお釣りを渡されたら、いよいよ思い切って「え・・・ちょ、あれ・・あれあれ?私のこと好きだよね?ヌヒヒヒヒヒ」と言うつもりだ。
99%大丈夫だとは思うが、1%の確率で台所の三角コーナーを見つめるような目で「は?死ねよ」と言われる可能性もありうるだろう。
もしそうなった場合は、その場でパニーニを故意に喉に詰まらせ、自害しようと思う。
絶対、大丈夫だけど・・・絶対。
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